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レーザドップラ振動計による

ワイヤボンダ超音波振動測定
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8. ワイヤボンダ測定手順

8-1 機器構成

 

1. レーザドップラ振動計 小野測器 LV-1710
2. XYZ ステージ付マグネットスタンド 小野測器 LV-0030 + LV-0015 + LV-0016
3. 三脚 小野測器 LV-0017A
4. 三脚取付プレート(着磁性の鉄板)小野測器 LV-0018A
5. デジタルオシロスコープ(OSC) 横河電機 DL-1640 もしくは同等の高速ストレージオシロ(1M 以上メモリー搭載)
6. BNC−BNC ケーブル×1, プローブ×1(機器に応じてワニ口−BNC ケーブル等)
7. LV-0301 90°ミラー(リードフレームの測定時に使用)

 

8-2 機器のセットアップ

機器を以下のようにセットします。

    1. 三脚の上に三脚取付プレートを取付、XYZ ステージ付のマグネットスタンドを固定 します。
    2. LV-1710 のセンサヘッドを本体から取り出し、マグネットスタンドに取付ます。
    3. ワイヤボンダからトランスデューサの超音波発信器※からの電圧信号を取出し、OSC のCH 1 に接続します。 ※メーカによって異なります。ボンダのマニュアル参考の事
    4. LV-1710 からの速度出力をOSC のCH 2 に入力します。

 

8-3 センサ操作手順

    1. 電源を ON にします。20 分以上のウオーミングアップを行います。
    2. キャピラリを計測したいボンディング位置にマニュアルで移動します。
    3. レーザ光をキャピラリに当て、反射レベルインジケータが緑色域で安定的に点灯す るように(点滅しないように)レンズの焦点距離とマイクロステージを操作します。 この時、センサ・本体の「ERROR」が点灯もしくは点滅しないことを確認します。

※③の項目は全作業中最もテクニックを要する部分です。ボンダ本体とセンサの相対振 動が計測結果に与える影響は、その振動速度の周波数成分からしてキャピラリの振動デ ータからは観測出来ないほど軽微です。しかしボンダ、もしくは三脚を据えている床に 強度が無いなど、相対的に大きく揺らぐ場合、キャピラリ円筒頭頂部にレーザ光を安定 して照射する事は難しく、レベルインジケータを安定に維持して、S/N の良いデータを 取得する事は出来ません。 対策として、光学除振台を三脚の下に引く事で振動の影響を軽減させる事が出来ます。

  1. キャピラリ上のレーザ焦点位置は可能な限りキャピラリ先端としますが、キャピラリ の種類によっては荷重により先端がたわむことがあるため、テーパとなりはじめる 位置に設定することが推奨されます。この際に重要なことは、測定のたびに焦点位置を 大幅に変えるとデータの相関が取れなくなるので、ほぼ同一となるようにXYZ ステー ジで調整します。
  2. 速度レンジは60kHz 以上の振動領域でしたら 1 m/s/V を選択しておきます。 ※使用するレーザドップラ振動計の出力は変位よりも速度出力の使用をお奨めします。変位出力の場合、床からの低い振動変位を同時に拾いますが、振動速度の場合、キャピラリの振動速度と床の振動速度では大きく違う為、その影響がデータ上で現れません。
  3. フィルターはHPF・LPF ともオフの状態にしておきます。

振動子は、特定の周波数で大きな振動を発生する特性(共振周波数)がありますが、条件次第で周波数が変化することがあるため、振動子を駆動する発振器にフィードバック回路を設けて周波数制御をおこなっています。また、金属ホーンを伝搬した振動は増幅されることで、 ツール先端の振幅は無負荷時で数 μm 程度となります。 安定したボンディングを行うためには、ツール先端での振動振幅を安定させる必要がありま す。このため、ツール先端の振動をダイレクトに測定するニーズが年々増大してきています。

 

8-4 オシロスコープ 仮設定手順

実際の信号を観測して、電圧レンジなどを適切に調整して下さい。 計測はデジタルオシロを使用して US の発振波形を基準にワンショット・トリガ ーでレーザドップラ振動計の振動波形をメモリーし、オフラインで任意の波形の 部位を拡大して解析する方法で行います。

    1. 電源をON します。
       
    2. 表示したい波形のみ表示させる
      ・CH キー
      ・点灯
       
    3. 入力カップリングをAC とする
      ・INPUT キー
      ・AC
       
    4. プローブの減衰比を設定する

      ※プローブの減衰比を見て、減衰比を設定します
      ・INPUT キー
      ・Probe
      ・1:1 もしくは 1:10
       
    5. 電圧軸感度を最適に(2 V/div 程度)に設定する
      ・V/DIV キー
      ・ロータリーノブ
       
    6. トリガモードをシングルに設定する
      ・MODE キー
      ・SINGLE
       
    7. トリガレベルとトリガソースをCH 1(0.5V 程度)に設定する
      ・LEVEL/SOURCE キー
      ・CH 1
      ・ロータリーノブ
       
    8. トリガポジションを(-4 div)設定する
      ・POSITION/DELEY キー
      ・-4 div
       
    9. ストレージ記憶容量を1M 以上に設定する
      ・ACQ キー
      ・Length
      ・1M
       
    10. 各ボンディング時間に時間軸を(1ms/div 〜 10ms/div)設定する
      ・TIME/DIV ノブ
       
    11. OSC をトリガ待ちの状態にさせる
      ・START/STOP キー

 

8-5 ワイヤボンダのテスト発振

設定が終わったら、マニュアルでテスト発振をしてみます。その時、LV-1710 の OVER もしくは ERROR 表示が点灯しない事を確認します。OVER  が点灯したら、速度レンジが低すぎるか、セッティングが悪く光量不足になっています。OSC の表示を見て、 波形が片振幅で 10V を越えているようならレンジが不適切です。10V を越えないレンジに変更して行きます。 発振しても、データが表示されない様なら、スタートボタンが押されていないか、トリガレベルの設定が不適切な事などが考えられます。トリガレベルを設定しなおして、US の発振波形が表示出来る様に設定して下さい。

 

8-6 OSC解析手順

    1. 波形を任意の位置で拡大表示する
      ・POSITION キー
      ・ロータリーノブで拡大したい位置を画面中央にもってくる。
      ・ZOOM キー ・ロータリーノブで拡大倍率を選択する。
    2. スペクトル表示する
      ・SHIFT を点灯させ、FFT キー
      ・スペクトル表示したい波形をTrace にて選択する。
      ・FFT をON する。
    3. 各波形をカーソル(2カ所設定可能)で読む
      ・CURSOR キー
      ・CURSOR をON する。
      ・ロータリーノブ
    4. プリントアウトする。
      ・COPY キー

 

9. 参考文献

  • 波多野 孝 : 「自動車用ICの超音波ボンディング」 超音波テクノ Vol.2 No.11 (’90.11)

  • 浜田 邦昭 : 「超音波IC用ボンダー」 超音波テクノ Vol.3 No.4 (’91.4)

  • 松村 勝弘 : 「IC用超音波ボールボンダ」 超音波テクノ Vol.4 No.2 (’92.2)

 

 

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