トルク試験機の振動トラッキング解析

エンジンやコンプレッサ等の回転機にとっては、その回転機を構成する各コンポーネント(回転軸,ギヤ,ブラケット等の部品)の持つ固有振動数と回転周波数との共振が最も重要な問題になります。このようなことを調べる方法として次のようなステップが良く利用されます。

 

  1. 回転速度の上昇または下降変化によって注目する次数成分の振動,騒音がどのように変化するかを分析する「回転 - トラッキング解析」により、実稼動状態での現象把握を行います。


  2. 次に実験モード解析により、問題となる振動,騒音が構造の固有値と回転による強制振動のどちらに起因するか判断します。

本例では、トルク試験機の騒音問題をトラッキングによる実稼動解析と実験モード解析を行うことで問題を特定した事例を紹介します。

写真(トルク試験機の振動トラッキング解析)

 

測定システム

イラスト(測定システム構成図)

 

 

機器構成

  型名 品名 備考
1 DS-5000
O-Solution
36ch 40 kHz 入力ユニット ◆DS-5100 メインユニット
◆DS-0523 6ch 40 kHz 入力ユニット X 6
◆DS-0543 2ch 外部入力&1ch 信号出力ユニット
◆OS-5100 プラットフォーム
◆OS-0522 FFT解析機能
◆OS-0523 トラッキング解析機能
◆OS-0512 ハードウェア接続機能
2 NP-3560B プリアンプ内蔵型加速度検出器 10セット、超小型3軸タイプ
3 NP-3578N20 プリアンプ内蔵型加速度検出器 10セット、TEDS対応3軸
4 MI-1271 1/2インチ計測用マイクロホン 1 Hz〜20 kHz
5 MI-3170 同上用プリアンプ  
6 HT-5500 デジタルハンディタコメータ 接触・非接触両用タイプ
7 GK-3100 インパルスハンマ 汎用型
8 GK-4110G20 インパルスハンマ 質量 1.1 kg の大型タイプ
12 MEscope 実験的モード解析システムソフトウェア 過渡的な振動現象を実稼動アニメーション表示

 

測定データ例

データ(トラッキング解析結果の三次元表示)
< トラッキング解析結果 共振周波数と固有振動数の関係を把握>

 

データ(モード解析結果(固有振動時の形状))
< モード解析結果(固有振動時の形状)>

 

トラッキングを行うことにより、破損や騒音の問題が回転に依存する振動(強制振動)と構造の固有振動に依存するものとを把握することができるようになります。 さらに構造体に多数の測定点を設けることにより、トラッキング時の実稼動振動形状とモード解析による固有のモード形状を合わせて確認することが可能となり、問題の周波数だけでなく振動が大きい場所を特定することも容易にできるようになります。

それぞれの振動形状は MEscope で解析してアニメーション化することができ、またデータを一括して管理することができます。

応用例

  • 自動車エンジンの振動・騒音解析

  • 大型発電機のモード円(方向ベクトル表示)解析

  • ギアのねじり振動解析



小野測器では、本アプリケーションによる測定を、音響・振動に精通したコンサルティンググループで承っております。詳しくはこちらのページを参照ください。

 

最終更新日:2025/06/06



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