環境・インフラ

床衝撃音レベルの測定

集合住宅等において、上階で床に与えた衝撃が、下階では騒音となって影響するという事があり、設計段階で十分な検討をする必要があります。  適切な材料を用い施工する事により、上階からの騒音は低減する事ができます。完成後の建物の床衝撃音遮断性能を評価するため、必要に応じて、床衝撃音レベルを測定し、JISまたは日本建築学会で推奨される等級を算出します。

2000年に改訂された JIS で;

● 受音室の等価吸音面積を考慮にいれた「規準化床衝撃音レベル」
● 受音室の残響時間を考慮にいれた「標準化床衝撃音レベル」

が盛り込まれました。

イラスト(集合住宅での床衝撃音レベル測定システム構成)





床衝撃音レベルを測定するには、音響透過損失測定などのようにスピーカから音をだすのではなく、専用の機械を使って床を加振し、下階でその音を測定します。 機械には、子供の飛び跳ねを擬似的にタイヤで再現する重量床衝撃源(バングマシーン)と椅子の移動や歩行音などを再現する軽量床衝撃源(タッピングマシーン)の2種類があります。 これらの機械を対象の居室の上階で動作させて、音圧レベルを測定します。

床衝撃音とは

例えば集合住宅などで、上階での歩行や飛び跳ね、あるいは椅子や家具の移動により床へ衝撃が与えられ、その衝撃が下階へ騒音として影響を与えます。 床衝撃音とは、このように床への衝撃がその下の階へ騒音として放射される音の事です。


機器構成

  型名 品名 備考
1 DS-3000 販売終了 マルチチャンネルデータステーション マルチチャンネル (Max 20 ch)
2 DS-0371 販売終了 1ch 信号出力モジュール DS-3000メインユニット内に内蔵
3   遮音・吸音特性計測ソフトウェア 販売終了 床衝撃音計測ソフト
4 MI-1000シリーズ 計測用マイクロホン 5本
5 MI-3000シリーズ マイクロホン用プリアンプ 5 組
6   スピーカ 受音室の等価吸音面積、残響時間を算出する際に使用
7   パワーアンプ  
8   パソコン  

測定データ例



ポイント

  • 加振源の設置場所は小梁をさける
  • マイクは、天井、周壁、床から 50 cm 以上離し、それぞれを互いに 70 cm 以上離す。また、マイクの高さはばらつかせる 。
  • 重量床衝撃音測定時の時定数はFastを使用する

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最終更新日:2008/05/30