「気になる音」が抽出できる、新しい発想の音質評価指標。時間変動がキーとなる音の評価に最適です。

 

データ画面(OS-2750変動音解析パック)

変動音解析パック OS-2760 は、当社の時系列データ解析ツールOscope 2に音質評価ソフト と、新しい発想の音質評価指標である変動音解析ソフトをプラグインしたパッケージです。

音質評価ソフトでの音の高低による「ラウドネス」「シャープネス」「ラフネス」 「変動強度」「AI」「トーナリティ」の6つの物理量に加えて、「時間変動」という新概念をプラス、周波数と変動周波数の2軸で、明快に音の素性を表現できます。

時間軸ベースの解析指標として、「ラフネス」(音のざらつき感)と「変動強度」(音のふらつき感)がありますが、それらが苦手とする領域もあります。「変動音解析」は、さまざまな変動スピードの音に対して「網羅的」に解析できるため、領域を選ばず評価が可能です。音の大きさはそれほど大きくないのに「気になる音」など、これまで見えづらかった音質の要素が 「Oscope 2 OS-2760 変動音解析パック」なら見えてきます。

変動音解析パック を使用することにより、製品の音の品質向上や、検査コスト削減、また製品開発期間の短縮等を図ることができます。


特長

  • 「ラウドネス」「シャープネス」「ラフネス」 「変動強度」「AI」「トーナリティ」の6つの物理量に加え、さまざまなスピードの変動音を一度にカラーマップ化。 直感的に音色を評価できます。

  • レベルの大きな暗騒音の中から、変動成分だけを抽出したいときなどに有効です。

  • 任意の変動成分のタイムトレンドも、最大4本まで重ね書き表示が可能です。

  • IIRフィルタ機能により収録したデータに対し周波数フィルタを通過させた音をリアルタイムで試聴出来るため、設計した様々な形のフィルタ通過音の再解析が可能です。

  • 複数ファイル、複数条件の比較によるスムーズな分析が可能 です。

  • Oscope の大容量データ処理・データマイニングを活用し、効率的でスピーディなデータの分析・評価を可能にします 。

  • よりゆっくりとした変動成分を持つ「うなり音」「揺らぎ音」などの抽出が出来るように、解析変動周波数の下限は0.5Hzから設定が可能です。 機能強化

  • 変動音シミュレータ機能で変動音解析結果を確認しながら、気になる変動成分を除去したり、聞き取りやすい変動成分を強調したりすることにより音を調整して評価することができます。 機能強化

イラスト(解析音サンプル)


解析事例

インジェクタの作動音(ピチピチ音)

FFT解析では、5 kHz帯域に見える縦縞のパターンがピチピチ音の正体ですが、低い周波数帯域(800 Hz以下)の暗騒音レベルが大きいため、変動成分を特定するのは困難です。「変動音解析」では、音の高低として5 kHz帯域(縦軸)、縦縞の時間間隔である変動周期として25 Hz帯域(横軸)の升目の値が大きくなり、ピチピチ音の特徴が表現されます。

 

解析例(インジェクタの作動音 - ピチピチ音)



T/Mギア歯打ち音(ガラ音:Ratting Noise)

ギアの歯打ち音の音色は、800 Hz帯域に成分を持ちますが、FFT解析では暗騒音レベルにガラ音が埋もれてしまうため、特徴量を見出すことはできません。「変動音解析」では、音の音色として800 Hz帯域(縦軸)、変動周期として20 Hz帯域(横軸)の升目の値が増大。音の大きさだけではその特徴量がまったく抽出できない音に対しても表現が可能です。

 

解析例(T/Mギア歯打ち音<ガラ音:Ratting Noise>)


変動音シミュレータの概要

変動音シミュレータでは変動音解析結果を確認しながら、気になる変動成分を除去したり、聞き取りやすい変動成分を強調したりすることにより音を調整して評価することができます。従来のように変動成分除去のためにバンドリジェクトフィルタを用いてしまうと、変動音とともにその帯域の成分まで減衰させることになりますが、変動音シミュレータでは周波数特性は、ほぼそのまま変動音だけを除去や強調、抽出することができます。 以下は、変動音シミュレータを用いてエアコンの吹出口で発生している音から気になるカタカタ音を除去した例です。

エアコンの吹出口で収録した音の変動音解析結果を見てみると、赤い丸印で示した2ヵ所に顕著な変動成分があることが分かります。

この2ヵ所の変動成分を変動音シミュレータで除去した結果です。顕著だった変動成分がなくなり、カタカタ音も聞こえなくなりました。


ここで、変動成分の除去を変動音シミュレータと従来の手法であるバンドリジェクトフィルタそれぞれで行った場合の周波数特性を比較してみます。どちらの場合もカタカタ音は聞こえなくなりました。しかし、変動音シミュレータを用いた場合は周波数特性が元の信号からほとんど変化しなかったのに対し、バンドリジェクトフィルタを用いた場合は該当する帯域の成分を減衰させて除去を行っているため周波数特性もかなり変化してしまっていることが分かります。

 

 

このように変動音シミュレータを用いると、周波数特性に大きな影響を与えることなく変動成分の調整を行うことが可能になります。


基本仕様

項目 仕様 備考
変動音解析基本機能 解析区間平均機能 最小解析区間 200 ms ( 0.5 Hz の場合: 解析区間 4000 ms)
解析区間オーバラップ 任意の整数で設定可能
変動周波数範囲選択機能 下限 0.5 Hz、上限 200 Hz の間で設定可能(0.5 Hz 刻み)
変動周波数バンド幅選択機能 最小 0.5 Hz、最大 100 Hz の間で設定可能(0.5 Hz 刻み)
タイムトレンド表示機能 同時に4本まで重ね書き可能
マスキング効果ON/OFF切替機能  
動画出力機能 時間波形に同期した変動音解析結果を出力
ラウドネス解析機能 スペクトルグラフのみ表示可能

価格/仕様/動作環境

>> こちらをご覧下さい (Oscope2)

最終更新日:2016/06/30



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