金属製品の固有振動数・ダンピングファクタの測定

共振周波数とダンピングファクタ(減衰比)について、設計値(目標値)と実験値との相違を調べます。

インパルスハンマと加速度センサを使用し、測定対象物(ここでは金属製品 「円筒型のシリンダ」)の加振信号と応答信号を取得、こ の2つの信号をFFTアナライザ(2ch)に入力することにより周波数応答関数を演算します。 そして、この周波数応答関数より共振周波数とダンピングファクタ(減衰比)を求めます。

 

イラスト(金属製品の固有振動数・ダンピングファクタ測定システム構成)


機器構成

測定方法

1 測定対象物が自由振動するように、宙吊や、柔らかいクッションの上に置く。
2 測定対象物をインパルスハンマで打撃し加振波形と応答波形を測定する。
3 加振波形と応答波形より周波数応答関数を求める。
4 周波数応答関数より固有振動数が得られダンピングファクタを求める。

測定対象は円筒型のシリンダです。 周波数応答関数測定ではインパルスハンマーで打撃し、その時の応答加速度波形が画面の中で十分減衰するようにFFTアナライザのデータ長(FFT演算サンプル数 2048点、4096点など)、測定周波数レンジを適切に設定します。
またトリガー機能を使い打撃した時の波形のみ取り込むようにし、適当な回数の平均化測定を行います。打撃する前、打撃減衰後は信号がゼロになりますから 使用するウインドウはレクタングラウインドウが適しています。


解析データ例

周波数応答関数

画面データ(測定された周波数応答関数とコヒレンス関数)

 

上段:周波数応答関数 下段:コヒレンス関数

 

測定された周波数応答関数が有効であることの判断として、注目周波数範囲でコヒレンス関数が高いこと(目安として80%以上)を確認します。コヒレンス関数の値が高いと、打撃信号と加速度センサー信号の相間が高いことを意味します。コヒレンス関数が低い場合は、加振力が不足し応答加速度信号が極めて小さく雑音の混入が高いことが考えられます。インパルスハンマーを大型のものにしたり、加速度センサを高感度のものにしたり、場合によっては振動試験機での測定など、測定方法を見直す必要があります。

打撃波計とその応答加速度波計

画面データ(打撃波計とその応答加速度波計)

 

左上:打撃波形 右上:応答加速度波形
左下:打撃波形のスペクトル 右下:加速度スペクトル

 

打撃波形と応答加速度波形、それぞれのスペクトルデータです。 急峻な打撃波形はこのスペクトルを表示すると分かりますが、インパルスハンマーの先端が硬い場合は低周波から数kHzまでほぼフラットで、高い周波数に行くほど減衰しています。これはフラットな周波数帯域ではランダム加振したことに相当します。インパルスハンマーの先端にゴムをかぶせると、打撃波形は丸くなり測定対象に柔らかい打撃となり測定対象を傷付けませんが、フラットな周波数帯域は低周波側となります。測定対象により、その固有周波数を測定する のにふさわしい十分な周波数帯の加振が行えるようにインパルスハンマーの先端チップを使い分けします。

周波数応答関数からダンピングファクタを計算

画面データ(周波数応答関数からダンピングファクタを計算)

固有振動数 (Freq) ダンピングファクター(Damp) 損失係数(Loss.F)
3.281 kHz 0.139 % 0.277 %
3.519 kHz 0.187 % 0.375 %

この実験データと設計時の目標値と比較することにより構造形状、取付位置、取付方法を再検討することができます。

ダンピングファクター、損失係数に関しては こちらの詳細レポート(PDFファイル) をご覧ください。

ポイント

  • 測定対象を十分に加振が行えるインパルスハンマーを使用する
  • 周波数応答関数はトリガー機能、平均化測定を行う
  • コヒレンス関数で雑音の影響がないことを確認する

最終更新日:2006/09/19



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