車室内で人間が不快と感じる音を低減し、発生する音の性質を改善して、心地よい音を作り出すため、車室内に使用される吸音・遮音材の材質や配置、さらには、その材質の形状や端末処理方法を工夫し、たとえ走行時の車室内であっても、出来るだけ心地よい音を生み出すような車の設計が求められるようになってきました。
ここにご紹介するシステムは、今まで人間の聴感に頼っていたこうした音評価を、音響インテンシティ技術を使用することで、車室内での発生音を音のエネルギー流れとして3次元的に捉え、 発生する音の大きさとその流れを可視化することにより定量的に計測し、原因に対する結果・対策に至る一連の作業を容易にします。
半無響室内に設置されたシャシーダイナモメータ上で車を実走行状態で運転し、車室内に発生する音を、4つの3次元SIプローブ(テトラホン) を取り付けたマイクロホントラバースによって車室内空間を細かくスキャンし、発生音のエネルギーを3次元的な流れとして捉えて、その分布から、音源位置の特定や、車室内の音響状態を把握します。
マイクロホントラバースシステムを車室内でスキャンします。ここに掲げた例では、10 cm × 10 cm でメッシュを切っています。
MI-6420 3次元音響インテンシティプローブ(MI-6420 ×4本)とトラバースシステム(部分)
MI-6420 3次元音響インテンシティプローブ
機器構成
型名 | 品名 | 備考 | |
---|---|---|---|
1 |
DS-2000シリーズ ![]() |
マルチチャンネルデータステーション | 16 ch ユニット、信号出力付 |
2 |
DS-0285 | SIマイクロホンユニット | |
3 |
MI-6420 | 3次元音響インテンシティプローブ | 4 sets |
4 |
同上用マイクロホントラバースシステム | 受注生産。 パソコンからプログラムにより自動スキャン。 |
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5 | MI-0620 | 音圧位相差校正器 | MI-6420用音圧位相差校正器 |
6 | DS-0225 ![]() |
3次元音響インテンシティ測定ソフトウエア |
測定データ例
ポイント
小野測器では、本アプリケーションによる測定を、音響・振動に精通したコンサルティンググループで承っております。詳しくはこちらのページを参照ください。
最終更新日:2006/03/20