PSD(
Power
Spectral
Density
Function、パワースペクトル密度関数)とは、FFT 計算の周波数分解能 Δ
f に依存しないように単位周波数幅(1 Hz
幅)当たりのパワー値として表現するスペクトル関数で、連続スペクトルとなる非周期的な信号、すなわち不規則信号(ランダム信号)の評価によく使われます。その単位は、信号
x(
t)の物理単位を
EU とすると、EU
2/Hz となります。具体的に縦軸が電圧(V)であれば V
2/Hz
またはその平方根である V/
√Hz となり、アンプなどのノイズの評価値としてよく用いられています。またランダム振動試験の分野では縦軸が振動加速度(その単位は、m/s
2)なので、特に
ASD(
Acceleration
Spectral
Density、加速度スペクトル密度)とも呼ばれ、その単位は(m/s
2)
2/Hz、または
m
2/s
3 となります。その計算方法は、下記の関連項目をご参照ください。
ESD(
Energy
Spectral
Density
Function、エネルギースペクトル密度関数)とは、時間信号
x(
t)のエネルギーの周波数分布を表す関数で、インパルス信号など過渡的な信号のスペクトル評価に使われます。その求め方は、スペクトル関連
FAQ「信号のパワーとは何ですか?」の項で平均操作を省いた形となりますから、PSD
値に FFT 時間窓長
T をかけることにより、求められます。
表1 3種類のスペクトルの比較
(注)PSD や ESD は、主に振動分析に使われ、騒音分析にはあまり使用されません。