計算の特長

SoundPLANnoise では、次に示すようなアルゴリズム、およびパラメータを用いて、実現象に近い予測計算を行うことが可能です。

 

ダイナミックサーチ法

従来の「逆音線法」を発展させた、「ダイナミックサーチ法」を導入しました。すべての騒音源と受音点との位置関係を基に、まず自由空間上での伝搬計算を行い、騒音源ごとに受音点における寄与度の高さを把握します。その後、基準値設定に基づき、寄与度の高い騒音源に対して優先的に伝搬計算を行います。線音源や面音源については、その距離と分割アルゴリズムに関するパラメータを基に、効率のよい分割サイズを決定します。

図1:ダイナミックサーチ法1

図2:ダイナミックサーチ法2

図2 に示すように、右側にある建物の側面に定義した受音点から、一定の角度ごとに音源を探査します。直接見える屋上ファンやエアコン、建物で反射する道路、建物の影にある分布点音源を探査し、一定の角度内に入る各音源のパワーから伝搬中の減衰を考慮して受音点でのレベルを算出し、それらを加算して等価騒音レベルを計算します。

 

反射回数

SoundPLANnoise では、騒音源と障害物との位置関係によって任意に、99回まで反射回数を設定することが可能です。図3 に反射回数を4回に設定した場合の反射経路のイメージを示します。

図3:反射回数

 

反射深さ

SoundPLANnoise では、障害物の向こう側で反射音が生じている場合、その反射音が回折して受音点に到達する経路も計算することが可能です。その際に受音点から見ていくつ先の障害物の反射まで考えるかを「反射深さ(Reflection Depth)」と呼んでいます。 SoundPLANnoiseでは、すべての反射経路においてこの反射深さを考慮した計算を行います。

図4:反射深さ

 

反射深さの効用

例えば 図5 のようなシチュエーションでは、騒音源は工場建物と防音壁の間で多重反射を繰り返します。その反射音が民家側にも到達することが予測されますが、「反射回数」のみを考慮した計算ではいくら反射回数を増やしても、その反射音が防音壁において回折して到達する経路を計算することができません。そこで「反射深さ」を考慮すると、防音壁の向こう側で生じている反射音が回折して民家に到達する経路を計算に含めることが可能になります。

図5