くるま開発

自動車ホワイトボディの実験モード解析

実験モード解析は構造の固有周波数、形状、減衰を得るだけでなく、CAE の精度向上の為に検証用のデータとしても多く利用されます。その為の実験は下記の点に留意した信頼性のあるものが要求されます。

■ 再現性(繰り返し性)の確保
■ 測定条件(供試体の支持方法、加振点、応答点等)の決定
■ 使用する機器の把握(様々な測定環境による影響の確認)

本例では、ホワイトボディの実験モード解析を紹介します。実験は多点参照多自由度法(MIMO)で行い、得られたモーダルパラメーターを CAE モデルのアップデートに利用します。また、同時に多点加振を行うことで測定時間を短縮することが可能です。



写真(自動車ホワイトボディの実験モード解析)
イラスト(解析フロー)

測定システム

イラスト(測定システム構成図)

機器構成

  型名 品名 備考
1 DS-3000シリーズ データステーション Max 32 ch
2 NP-2130 電荷出力型加速度検出器 汎用・高感度タイプ
3 NP-3211 プリアンプ内蔵型加速度検出器 超小型・軽量タイプ
4 NP-3560B プリアンプ内蔵型加速度検出器 超小型3軸タイプ
5 MEscope 実験的モード解析システムソフトウェア 過渡的な振動現象を実稼動アニメーション表示
6   インピーダンスヘッド 3セット
7   加振器 3台
8   加振器アンプ 3台
9   パソコン  

測定データ例

モード解析は一般的に周波数が高くなるほどモード形状が複雑になるため、要求される周波数によって測定点数は多くなります。 また、大型の供試体であったり、実際の稼動時に想定される力の入力点が複数の場合、加振点を複数設けることがあります。この実験では高次モードまでの解析、複数の加振点を設置など多様な計測条件を充たすために、多点 同時加振を行い測定時間を短縮させました。またそれぞれの実験条件を統一させることに注意を払い、精度の良いデータを得ることができました。ここで得られた結果は今後車両の設計変更、振動・音響特性などシミュレーションをより精度良く行なうための検証データとして利用されていきます。


データ(モード解析アニメーションと周波数データ)

応用例

  • 産業用多関節ロボット
  • 大型旋盤
  • 大型コンプレッサ

自社の設備や測定ツールを利用した、自動車の評価試験や音響・振動試験(出張測定含む)をお引き受けします。
また、お客様の困り事や課題に対するコンサルティングもお引き受けします。 課題設定から、現象把握、効果確認まで、お客様の解決プロセスをご支援します。

詳しくはこちらのページを参照ください。

最終更新日:2017/12/14