CL-5610 静電容量式厚さ計で絶縁体の厚み測定の原理を教えて下さい

CL-5610 による絶縁体の厚み計測は下図のように、VEセンサと基準面を固定し、その間に厚みを計測したい絶縁体を挟み込むことで可能となります。

その手順は、
1.導体の基準面状にVEセンサをセンサの仕様ギャップ範囲内で設置。
2.VEセンサと基準面のギャップを計測。
3.計測したい絶縁体の誘電率を CL-5610内に設定。
4.基準ギャップを変えないまま、計測対象の絶縁体を基準面上に挿入。 
という操作となります。

 

なぜこういった操作をすることで絶縁体の厚さを計測できるのでしょうか。

 CL-5610 を使った絶縁体の厚み計測は、コンデンサの一部に誘電率の異なる物質を挿入したとき、静電容量がどのように計算できるかを考えることで理解しやすくなります。

 

まず、図1のようなコンデンサを考えます。

極板間の距離d0、面積S、誘電率は ε0(空気) 挿入された絶縁体の誘電率 εr、厚さは d とします。 このコンデンサの静電容量 C は、極板間距離 d0-d、誘電率 ε0 のコンデンサ(容量を C1 とする)と、極板間距離 d、誘電率 εr、
						      のコンデンサ(容量を C2 とする)を直列に繋いだときの合成容量となります。(図2)

コンデンサを直列に繋いだとき、合成容量 C と各々の容量 C1、C2 の間には下記の関係式が成り立ちます。

1/C=1/C1+1/C2

ここで 

C1=ε0・S/(d0-d) C2=εr・S/d

と計算できるので、

C1 と C2 の合成容量 C は、

C=ε0・εr・S/(εr・d0-εr・d+ε0・d)

となります。

上記で求めた合成容量の関係式

C=ε0・εr・S/(εr・d0-εr・d+ε0・d)=(ε0・S/d0)・εr/(εr-εr・q+ε0・q) q=d/d0



は 図3でも成り立ちます。

ここで ε0、S は既知で有り、d0 は絶縁体を挿入する前に計測しておくことができます。絶縁体が挿入された状態での静電容量 C を計測することも可能です。 つまり、εr が判っている絶縁物であれば、厚み d を得ることが可能ということです。ただし、εr は不明なことが多いため1.何も挟まれていない時の静電容量を計測し、d0 を求める 2.厚みが判っている絶縁物を基準面上に挿入して静電容量を計測し、比誘電率 εr を計算する 3.次に厚みが不明で材質が同じ物を基準面上に置き、計算した εr を使って厚み計測を行う

という手法でおこなうことも可能です。



お問い合わせフィードバックフォーム

お客様相談室




Copyright © ONO SOKKI CO.,LTD All Rights Reserved. | 当サイトのご利用にあたって| 個人情報保護方針