対象物から動特性を情報として取り出す為には、対象物の系の状態を振動数(周波数)で観測する必要があります。 振動させる為の入力としては「加振力」が、応答としては「変位」「速度」「加速度」を使う事が多く、「音」「ひずみ」「応力」を使う事もあります。 この時の伝達関数を周波数応答関数(Frequency Response Function)と呼びます。もっとも良く使われる指標が以下の3つと機械インピーダンスで 、国際規格ではモビリティが周波数応答関数の基準となっています。(ISO 7626)
変位/力 | コンプライアンス (m/N) |
---|---|
速度/力 | モビリティ |
加速度/力 | アクセレランス ※ |
力/変位 | 動剛性(N/m) |
力/速度 | 機械インピーダンス(Ns/m) |
力/加速度 | 動質量(Ns2/m) |
■ボード線図(Bode plot)
ボード線図は周波数を共通の横軸とし、縦軸に振幅と位相の2個を縦に並べたものです。ボード線図は共振峰の存在場所や周波数の大きさが確認しやすく、振幅と位相を区別して見る事が出来るので最も使われています。
■ナイキスト線図(Nyquist plot)
実部を横軸、虚部を縦軸にとった複素平面上に実部と虚部の関係を図示する方法です。特長は重要な共振点近傍だけが拡大されて図示される事です。反面、周波数が表に現れないので曲線上に周波数を表示する事が 多くなります。CF-5200 シリーズはこの複素平面上をサーチして周波数の表示が可能です。また周波数軸をZ軸にとった3次元表現が可能です。
■コ・クアド線図(co.quad.plot)※
周波数を横軸として縦軸に実部と虚部をとった2個の図を縦に並べる方法です。この図表は共振点付近の位相変化が良くわかる事、共振峰がボード線図より急峻なピークとして虚部に現れるので識別しやすいなどの特長があります。 しかし縦軸に対数目盛が使えず、軽減衰の場合は精度の良い表示が困難です。振動の大きさと位相が直接表に現れない、などの理由からあまり使われません。
※Re-Im 線図とも言います。