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エンジンでの燃焼システムとして、コモンレール方式は最終到達水準を確立しつつあります。コモンレールシステムは、幅広い操作状況において高噴射圧を提供することができ、pre 噴射や post 噴射といった多段燃料噴射を可能とします。pre 噴射は着火遅延を短くするのに効果が在り、燃焼騒音や NOx の排出を減らすことが出来ます。また、post 噴射は燃焼における NOx と煙の同時低減を目指して、研究がなされています。
FJ-7000 シリーズは、このコモンレールシステムでの多段噴射における噴射量、噴射率、噴射時期、噴射期間を正確に計測する多段噴射対応噴射量計測システムです。
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特長
高精度な多段噴射量測定(読取値の ±0.5 %)
噴射量・噴射率の同時計測が可能
デジタルフィルタによる歪みのない噴射率波形出力(FJ-0600 使用時)
検出原理の異なる FJ-030/0600 の同時使用が可能
広い測定範囲(0 ~ 300 mm3/str)
噴射毎の連続測定(0.6 ~ 50 Hz〔36 ~ 3000 r/min〕)
最大 8 台の検出器を接続可能
連続 5000 サイクル分のデータメモリー
システム構成図
8 気筒時の構成例で、噴射量検出器は FJ-0600/FJ-030 の混合構成です。
FP-213 による校正機能付きです。但し FJ-030 検出器の場合は FP-213 による校正機能はありません。
FJ-0750 バルブドライブユニットは 4 ch 用のため 2 台必要です。
測定原理
FJ-0600 噴射量検出器
FJ-030 噴射量検出器
機能構成図
データ例
概略仕様
名 称 | 型 名 | 項 目 | 仕 様 | |
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システム仕様 | 主要機能※1 | ガソリン、ディーゼルエンジンの多段噴射システムの燃料噴射量/噴射率の測定 | ||
計測可能気筒数 | 最大 8 気筒 | |||
計測可能噴射段数 | 最大 5 段 | |||
測定項目※1 | 燃料噴射量 (各段噴射量,トータル)<燃料噴射率、噴射回数、ポンプ 回転速度、温度、背圧 | |||
燃料噴射量※1 | 瞬時値、平均値、積算値、標準偏差、最大値、最小値、噴射期間、噴射インターバル、気筒間偏差 | |||
表示内容※2 | 1. リアルタイム計測表示 (各段噴射量+トータル噴射量の棒グラフおよび数値表示) 2. 噴射量のヒストグラム、 3. サイクル ― 噴射量線図 ( T - Q 線図) 4. 回転速度 − 噴射量線図( N - Q 線図) 5. 噴射期間(各噴射およびインターバル) 6. 噴射回数毎の計測データ(1 ~ 5 段およびトータル噴射量、温度、回転速度、背圧) 7. 噴射率波形 8. 各噴射量の平均値、積算値、標準偏差、最大値、最小値、気筒間偏差表示 |
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記憶容量 | 1 気筒あたり最大 5000 サイクル分 | |||
燃料噴射量検出器 | 型名 | FJ-0600 | FJ-030 | |
測定範囲※3 | トータル噴射量 ;0~100、200、30 0mm3 /str | ← |
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補助噴射量 ; トータル噴射量の 20 % まで | ||||
測定精度 | フルスケールの ±0.1 % 以下 (測定噴射量 : フルスケールの 20 % 以下) ±0.5 % of reading以内 (測定噴射量 : フルスケールの 2 0% 以上) |
← |
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分解能 | 最大測定噴射量の 1000 分の 1 | ← |
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噴射周期 | 0.6 ~ 50 Hz (36 ~ 3000 r/min) |
0.855 ~ 50 Hz (50 ~ 3000 r /min) |
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ノズル背圧 | 1 ~ 4 MPa | 1 MPa(可変はオプション) | ||
背圧媒体 | 燃料 | N2 ガス or 乾燥空気 (ユーザにて御用意ください) |
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燃料温度 | 10 ~ 80 ℃(検出器内) | ← |
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圧力検出器 | 半導体式(背圧測定用)、 ピエゾ式 (噴射量測定用) |
半導体式 (背圧測定用) (オプション) |
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温度検出器 | 測温抵抗体( Pt 100 Ω) | ( ← オプション) |
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ノズルアダプタ | ユーザ御指定のノズルアダプタを1個標準で付属 | ← |
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校正用流量検出器FP-213 ※4 | 用途/計測範囲 | 噴射量校正用流量検出器/ 0.06 ~ 60 L/h | ||
測定精度 | ±0.5 % 読取値 ( 0.18 ~ 60 L/h 時)、 ±0.0009 L/h以下( 0.06 ~ 0.18 L/h 時) |
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アンプユニット | FJ-0730 |
FJ-0600 噴射量検出器用アンプで、 検出器 1 個につき 1 台必要です。 (検出器の近くに設置) |
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FJ-0036 |
FJ-030 噴射量検出器用アンプで、 検出器 1 個につき 1 台必要です。 (検出器の近くに設置) |
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シグナルコンディショナー | FJ-0710 |
検出器接続台数 | 1 ch、 FJ-030 or FJ-0600 を選択 | |
圧力信号入力部 | 噴射量 FJ-0600 用、 背圧 | |||
変位信号入力部 | 噴射量 FJ-030 用 | |||
温度信号入力部 | 噴射量検出器内部温度、 FP-213 流量検出器温度 | |||
流量信号入力部 | FP-213 流量検出器よりのパルス信号 | |||
噴射率信号出力部 | 0 ~ 5 V / 0 ~ FS mm3 /ms(校正時)、 FS 値は測定範囲により 100 mm3 /ms、200 mm3 /ms、300 mm3 /ms となります。補助噴射とメイン噴射の各々個別に出力します。 デジタルローパスフィルタ付き (1、1.2 1.5、2、2.5、3、4、6、8 kHzおよびスルー) |
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メインユニット | FJ-0700 |
シグナルコンディショナ 接続台数 |
最大 8 ch | |
角度パルス信号入力部 | 基準パルス ;1 P/R 角度パルス ;360、720、1800、3600 P/R より選択、 角度検出器はオプション。 |
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バルブドライブユニット | FJ-0750 |
バルブドライブ数 | 最大 4 ch( 5 ch 以上時は、 2 台必要となります) | |
電源ユニット | FJ-0770 |
用途 | シグナルコンディショナ FJ-0710 用、FJ-0710 を 3 ch 以上使用時に必要となります。 | |
オプション機能 | FJ-0781 |
温度/圧力補正 | FJ-0600 に必要な機能で、検出器内温度、圧力による影響を補正演算します。温度換算機能 (例えば 80 ℃ で測定した噴射量を 40 ℃ の噴射量に換算する機能 )も含んでいます。 | |
FJ-0782 |
噴射期間/ インターバル計測 |
噴射期間と噴射インターバルを計測/表示します。 | ||
FJ-0783 |
噴射開始遅れ/ 終了遅れ時間計測 |
外部入力パルス (通常インジェクタの駆動パルス/TTL レベル正論理)の立上がり /立ち下がりからの噴射開始までの時間および噴射終了までの時間を計測します。 | ||
FJ-0784 |
外部入力遅延 | 噴射率演算処理は一定の遅れが発生します。 それと他の信号 (タイミングパルス、角度パルス、圧力等)との同期を取るための遅延機能で、 FJ-0710 の 1 台につき 2 ch 増設可能です。 →( 1 ch 標準装備) |
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FJ-0785 |
体積弾性係数 3次元補正 |
検出器内温度とその時の体積弾性係数データを取り込み、そのデータより温度による体積弾性係数を補正し、精度の高い噴射量を表示します。 | ||
FJ-0786 |
トレンドグラフ表示 | 任意に選択した気筒の、選択した 8 ch(回転速度、各気筒噴射量、背圧、噴射期間、温度等)のデータをサイクル毎にトレンド表示。 | ||
FJ-0787 |
噴射率波形表示 | 任意に選択した気筒の噴射回数毎の検出器信号と噴射率波形表示、および保存が可能。 | ||
FJ-0788 |
噴射波形出力 | 検出器よりの出力信号を 100 kHz でサンプルしたデータの表示/出力が可能で、ユーザ側で任意に加工、解析ができます。最大 100 サンプル。 | ||
FJ-0789 |
アナログ出力 | 噴射量、ポンプ回転速度、噴射期間、噴射インターバル、立上り時間、立下り時間、圧力、温度等の最大 136 ch より 8 ch 選択(噴射率は標準)。但し、パソコンに D/A ボードが必要です。 | ||
FJ-0790 |
FP-213 自動校正 | 流量検出器 FP-213 の計測値を真として、噴射量計測値を自動校正します。キャリブレーションテーブルもこの機能に含みます。 |
※1 : 噴射量検出器 FJ-030 は、構造上検出遅れが発生する可能性あるため、噴射率計測(噴射期間、インターバル)はご参考用となります。
※2 : リアルタイム噴射量表示以外はオフライン表示です。
※3 : 100 mm3/str 以下、300 mm3/str 以上のタイプも製作可能です。
※4 : 測定範囲の広い FP-2140H( 0 ~ 120 L/h )の使用も可能です。