従来燃焼の改善技術(HCCI,EGRなど)、新動力(HEV,PHEV)、新燃料(バイオ、天然ガス)の研究開発は継続され、エンジンの低燃費化、ダウンサイジング化への研究開発は激化し、燃焼解析器への要求は高くなっています。
燃焼解析 DS-3000シリーズ は、国内トップシェアの燃焼解析システム DS-2000シリーズ の後継商品として、ハードウェアを新規開発してポテンシャルアップさせて、この要求に応える商品です。
2018/10/26 バージョンアップ
実車やテストベンチ操作盤等との連携計測に関わる機能面を強化、昨今お客様解析業務の大きな課題となる工数削減および自動計測ソリューションの実現をサポートします。
DS-0328 気筒別解析機能強化、フィルタ処理機能拡張、マニュアル整備など機能改善しました
DS-0336 燃焼リンク機能
テストベンチの操作盤や上位制御システムから設定できる燃焼用諸元値の項目を拡張しました
DS-0339 ノックエキスパート機能
CAN通信指令を用いて自動でキャリブレーション計測を実施する機能を追加しました
DS-0360 エンコーダレス計測機能
2輪エンジン等の回転制御用にECUへ入出力している長歯歯車信号を用いた計測機能を追加しました
DS-0383 CAN計測機能
サイクル毎の燃焼演算結果をCANデータベースファイルに出力する機能を追加
筒内圧センサー用チャージアンプから筒内圧センサーの稼働時間や製品 サービスなどを取得できます。消耗の激しい筒内圧センサーの交換時期や追加購入時期の目安情報として活用できます。
(※ 本機能は Kistler社 から販売されているTEDS対応筒内圧センサーのみの対応です。)
燃焼室内に投入された燃料に対する仕事と損失を各々まとめて演算、従来手作業にて演算する必要があった熱勘定について出力できます。
演算に必要なパラメータ設定を演算途中で変更しながら一括演算可能、条件が異なる複数の計測データファイルをまとめて再演算することで業務工数の効率化を図れます。
本機能は、実車やテストベンチ等で多気筒計測を行うような場合有効な機能です。各気筒に対し燃焼制御⽤にECUから出力される点火信号/燃料噴射信号/吸排気脈動信号 を用いて、各気筒毎に燃焼状態を解析できる機能を追加しました。
大幅に解析項目が増えてデータ整理の手間が増える場合でも、気筒毎に解析データを紐づけられるため、ユーザーがミスなく目的の解析データを整理することができます。
燃焼解析の基本ソフトウェアです。 モニタ機能、計測・演算、データ保存までの基本機能がパッケージされています。
分析結果一覧表示項目を次のような1項目1chごとの個別数値表示ウィンドウ上に表示します。
また、トレンドウインドウでは、リアルタイムトレンドデータと間欠トレンドデータとの組み合わせ表示が可能です。
気筒毎の重ね描き、一覧表示、トレンド等の各種グラフ表示および簡易操作計測画面の表示例です。
簡易操作計測では、画面上に配置されているボタンを先頭から順にクリックすることで、基本的な燃焼解析の計測を容易に実現します。
入力パルス数:180/360/720/1800/3600 P/R
角度サンプリング分解能:0.05/0.1/0.25/0.5/1.0°
入力回転数範囲
0.05° : | 10~8,000 r/min |
0.1° : | 10~16,000 r/min |
0.25/0.5/1.0° : | 10~25,000 r/min |
諸元設定:
環境諸元、エンジン諸元、燃料諸元(組成重量比、元素割合)
全気筒TDC自動補正機能
試験モード:
手動、自動保存、始動試験
低速A/D入力機能:
「DS-0381 16ch 燃焼用低速 A/D 入力ユニット」を増設することで環境諸元や任意のデータが計測できます。
DS-0349 クランク角度パルス周期計測機能データは45°毎に計測し、平均化処理してサイクルの代表値とします。
アナログ出力機能:
「DS-0382 16ch 燃焼用 D/A 出力ユニット」を増設することで、演算モニタ実行中に、燃焼演算値が電圧信号として出力されます。
設定が可能な燃焼演算値は、演算モニターにて表示が可能な関数項目です。
過渡モード試験(JC08、JE05)等の多サイクル(長時間)計測に対応します。
過渡計測のサイクルトレンドで指定した範囲だけを読込んで効率的に解析できます。
角度分解能[ °] | 最大サイクル数 | 収録時間(1,800 r/mn平均) |
---|---|---|
0.05 | 30,000 | 約 30 分 |
0.1 | 60,000 | 約 60 分 |
0.25 | 100,000 | 約 110 分 |
0.5 | 100,000 | 約 110 分 |
1.0 | 100,000 | 約 110 分 |
※ 上記は計測CH 4CHの場合。演算処理内容や使用CH数等により大きく変化します。
エンジンのノッキング現象を、筒内圧力信号の乱れから検知します。
ノッキング演算値とノッキング発生率のリアルタイムで処理します。ノッキング値と判定値を演算モニタ、トレンド表示、数値表示ができます。
アイドルストップ機構を備えた車両やハイブリッド車両のエンジン単体試験に対して、DS-2000シリーズ / DS-3000シリーズ燃焼解析装置はエンジン始動停止計測モードによって長らくお客様の試験を支えてきました。近年はより完成車に近い状況でJC08モードやNEDCモードなどのモード試験を実施してその性能評価を行う場面が多くなっています。
SYNC計測機能は、これまでの始動停止計測をさらに有効活用できるようになる機能です。
※DS-0329 ノッキング解析機能同時使用不可。
TCP/IPソケットで通信が可能になり、下記の各種処理ができます。
例えばエンジンベンチとリンクして、性能データと燃焼解析データを同期収録ができます。
・諸元設定(環境諸元、エンジン諸元、燃料諸元)
・計測条件/演算設定
・計測開始/演算結果出力
・演算モニタ開始/演算モニタ値読込
テストベンチの操作盤や上位制御システムから設定できる燃焼用諸元値の項目を拡張しました。
筒内圧力からCPL(Cylinder Pressure Level)を演算し、エンジンの構造減衰量から、燃焼騒音レベル(CNL)を演算します。演算モニタ、トレンド表示、数値表示ができます。燃焼解析と同じ角度サンプリングされたデータから燃焼騒音解析が可能です。
燃焼解析システムへ燃焼圧信号と音圧信号を入力し使用します。
CAN 通信指令を用いて自動でキャリブレーション計測を実施する機能を追加しました。
クランク角度パルス信号の周期を計測し、演算データとして表現します。
図は始動試験データを絶対角度テキストファイルでグラフ化した例です。(始動計測は標準機能です)
焼騒音解析機能
最大10段までの燃料噴射と燃焼に対して演算が可能です。
各噴射に対する演算可能項目
噴射圧最大値、最大値位置、開弁圧、燃料噴射開始位置、
終了位置、噴射率重心位置、重心位置、着火遅れ角度
各燃焼に対する演算可能項目
熱発生率重心位置、重心位置、燃焼開始位置、終了位置、
燃焼開始位置での筒内圧と燃焼室ガス温度
リアルタイム時間角度変換により、少数パルス(8~360 P/R)角度信号による新アルゴリズムを構築し、加減速でも安定した計測が可能で、かつエンコーダなしでの計測が可能になりました。
クランク角度検出用のエンコーダが不要で、ECU用のクランク角度信号(歯欠けパルス信号)や リングギヤ等の少数パルスでの計測が可能になります。また、遅れも補正しています。
・角度パルス:8~360 P/R
・欠け歯:0~4 P/箇所(0の場合は1 P/R信号が必要です)
注:角度パルス信号仕様(振幅、形状)については、ご確認の上でご購入ください。
長歯パルス対応し、これまで計測できなかったエンジンでも燃焼解析ができます
下の図は絶対角度テキストファイル(abs形式)を使用してグラフ化したものです
各気筒の筒内圧力から摩擦力、慣性力を考慮したエンジントルクデータを算出します
任意の演算式を作成し、燃焼解析の基本機能として容易に組み込みが可能です。
ETAS社製エンジン適合ツールINCAとのリンク計測を可能にする機能
ECU性能データと燃焼解析システムの演算データを時刻同期して計測することができます。
・LAN(TCP/IPソケット)でデータ通信
・エンジンベンチとリンクして、ECU性能データと下記燃焼データを同期計測することが可能
エンジン適合を効率良く行いたい時の機能として最適です
※ 計測可能データ:筒内圧、筒内圧上昇率、燃焼質量割合位置、熱発生率、IMEP、NMEP etc.
・計測したデータはINCAを通じてMDFファイルフォーマットへ変換し保存することが可能
ASAM準拠のファイルフォーマットのため、他計測器データとの管理標準化が容易です
自動車制御を支える土台としてその重要度が増しているCANデータを燃焼解析データと同期させ、サイクル毎の計測結果として確認することができます。
テスト出力およびデータベースファイル出力対応しました。
燃焼解析ソフトウェアがASAM準拠ファイル形式であるTDMSファイルを出力可能になりました。TDMSファイルには筒内圧力信号を始めとする実計測された角度軸データと、燃焼演算結果(NMEP、燃焼質量割合位置etc)の時間変化を確認できるTDC毎演算データが保存されています。
このTDMSファイルをOscopeにインポートすることにより、OScope内で燃焼演算結果の時間軸変化を確認しながら、要所で角度軸データにスコープして現象を解析することが可能になりました。
OscopeはFAMSにより計測された性能データファイル(.thd)や、ETAS社INCAにより計測されたECUデータ(.mf4)もインポートすることができるため、燃焼解析と合わせて3者のデータを突き合わせて解析することが可能です。
* TDMSファイル:NI(ナショナルインスツルメンツ)社製ファイルフォーマットで、ファイル/グループ/チャンネルの階層からなるASAM準拠計測データファイル
オプション機能 | DS-3000 (DS-0380) |
DS-2000 B バージョン (DS-0280B) |
DS-2000 A バージョン (DS-0280A) |
DS-2000 (DS-0280) |
---|---|---|---|---|
DS-0328T 過渡燃焼解析機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0329 ノッキング解析機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0335 SYNC計測機能 | ○ | × | × | × |
DS-0336 燃焼リンク機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0337 燃焼騒音解析機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0339 ノックエキスパート機能 | ○ | × | × | × |
DS-0349 クランク角度パルス周期計機能 | ○ | ○ | ○ | × |
DS-0358 多段噴射解析機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0360 エンコーダレス計測機能 | ○ | ○*1 | ○*1 | × |
DS-0361 トルク変動解析機能 | ○ | ○ | ○ | × |
DS-0363 演算カスタマイズ機能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
DS-0365 INCAリンク機能 | ○ | × | × | × |
DS-0383 CAN計測機能*2 | ○ | × | × | × |
*1 DS-2000シリーズ計測ユニットが接続されている場合は、DS-3000シリーズ計測ユニットが接続されている場合に比べ精度が低下します。
*2: 本機能を使用するためには、ハードウェアオプション(VN1610 CANインターフェース)が必要です。
入力ch数 | 4 ch/ユニット(最大28 ch、5ユニットまで) |
---|---|
入力方式 | シングルエンド |
アイソレーション | ユニット間絶縁(ユニット内4入力はコモン共通) |
端子形状 | BNC 端子 |
入力インピーダンス | 1 MΩ |
カップリング | DC 結合 |
入力電圧レンジ | ±0.1/0.2/0.5/1.0/2.0/5.0/10.0 V |
レベルモニターLED | -20 dB(緑)、-0.915 dB (赤) |
オフセット誤差 | ±1.0 % 以内 |
A/D分解能 | 16 bit 逐次変換型 |
サンプリング速度 | 最大 1 MHz |
データメモリー | 56 MB/ch |
質量 | 約 900 g |
パルス入力部 | |
---|---|
入力インピーダンス | 100 kΩ |
入力方式 | シングルエンド |
アイソレーション | 非絶縁 |
端子形状 | BNC端子 |
カップリング | ACまたはDC結合 |
入力電圧レンジ | ±10 V |
絶対最大入力電圧 | ±45 V |
最低入力電圧 | 1.0 Vp-p |
モニターLED | 信号正常検出(緑)、信号異常(赤) |
トリガレベル | ±10 V、設定分解能 10 bits |
トリガスロープ | +(立ち上がり)、−(立ち下がり) |
絶縁 | |
絶縁 | 「1 P/R入力、角度パルス入力」「外部スタート入力」 「ステータス出力」間絶縁(1 P/Rと角度パルスはコモン共通) |
外部スタート入力 | |
入力形式 | TTLまたは無電圧接点信号 |
内部プルアップ抵抗 | 100 kΩにて内部+5 Vに接続 |
最小パルス幅 | 10 ms |
ステータス出力 | |
出力形式 | TTL |
外部スタート機能部 | TTL レベルまたは無電圧接点信号にて、計測開始するための
BNC 入力端子 検出スロープは、立ち上がりまたは立ち下がり |
質量 | 約 800 g |
入力ch数 | 16 ch/ユニット(最大32 ch、2ユニットまで) |
---|---|
入力方式 | シングルエンド |
アイソレーション | 非絶縁 |
端子形状 | D-SUB 37pin |
入力インピーダンス | 1 MΩ |
カップリング | DC 結合 |
電圧レンジ | ±1.0/2.0/5.0/10.0 V |
A/D分解能 | 16 bit |
サンプリング角度 | 45 ° |
サンプル方式 | マルチプレックス方式 |
質量 | 約 800 g |
付属品 | BNCコネクタBox、信号ケーブル (1.5 m) |
燃焼解析演算データ(Pi、Pmax 等)をアナログデータとして出力するためのユニットです。1ユニットは 16 ch で構成されており、最大 32 ch まで増設す ることができます。
出力ch数 | 16 ch/ユニット(最大 32 ch、2ユニット まで) |
---|---|
出力方式 | シングルエンド(各chのGNDは共通) |
アイソレーション | 非絶縁 |
端子形状 | D-SUB 37pin(外付けBNCコネクタBOX使用) |
出力インピーダンス | 1 Ω 以下 |
負荷インピーダンス | 10 kΩ 以上のこと |
最大出力電流 | ±1 mA |
出力カップリング | DC 結合 |
出力電圧レンジ | ±10.0 V |
D/A分解能 | 14 bit |
立ち上がり時間 | 100 μs 以下 (−10 V から+10 Vへ変化する時の 10 % から 90 % の時間) |
質量 | 約 800 g |
付属品 | BNCコネクタBox、信号ケーブル (1.5 m) |
AC電源電圧 | 100~240 VAC |
---|---|
DC電源電圧 | 10.5~16.5 V*1 |
消費電力 | 約 27 ~67 W*2 |
使用温度範囲 | 0~+40 ℃(非結露) |
保存温度範囲 | −10~+60 ℃ |
CEマーキング | 対応 |
最大ユニット数 | 9ユニット |
PCインターフェース | USB3.0 インタフェース(USB2.0でも動作しますが、速度が遅くなります) |
外形寸法 | 257(W)×104~344(H)×182(D) mm*2 |
質量 | 約 3.1~8.5 kg*2 |
ハード構成補足:5ユニット以上から 150 WタイプのAC アダプタになり、冷却ファンがつきます。
*1:4ユニット時のみ10.5~16.5 Vとなります。
*2:ユニット数に応じて変わります。
CPU | Intel® CoreTM i5 相当以上 |
---|---|
メモリ容量 | 4 GB以上 |
インタフェース | USB 3.0 インタフェースが搭載されていること (USB2.0および USB3.0で動作しますが、USB2.0では速度が遅くなります) |
OS | Microsoft® Windows® 7 Ultimate/Professional (64 bit版 / 32 bit版) Microsoft® Windows® 10 Pro (64 bit版 / 32 bit版) Microsoft.NET Framework 3.5以降に対応 バージョンの詳細についてはソフトウェア環境【Windows】を参照ください |
※ Microsoft® Windows®は米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
その他記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
クランク角度検出器 スリット円盤分離タイプ CP-5110B |
クランク角度検出器 スリット円盤一体タイプ CP-5730 |
クランク角度検出器用 増幅器 CA-6000B |
・光ファイバ採用で高耐ノイズ性
・光学系を改善し安定検出を実現
・小型・軽量で高振動エンジンでも使用可能
・セッティングを配慮したデザイン
・ベアリング等未使用で軽回転負荷 |
・光ファイバ採用で高耐ノイズ性
・光学系を改善し安定検出を実現
・回転部の軽量化/回転止めの構造改善により耐振動性向上
・高回転用ベアリング採用でスムーズ回転 |
・クランク角度検出器からの信号( A相:角度信号、1 P/R:原点信号)を受け、TTLレベルあるいはアナログ信号にて出力
・外部ボリュームによりクランク角度 検出器感度のマッチングが可能
・CEマーキング相当の高耐ノイズ性
・スイッチ切替でクランク角度検出器の機種変更にも適応が可能 |
(税込み ) |
(税込み ) |
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最終更新日:2021/04/05