小型高剛性トルク検出器 RHシリーズ
「はかる」を広げ、さまざまな製品のトルクをはかる
自動車業界では、電動化が急速に進み多くの種類のモーターが使用され、振動や騒音の原因となる
コギングトルクやトルクリップルを最小限に抑えるモーターが求められています。
そのためトルク変動を正確に捉える事が出来る、剛性の高いトルク検出器が必要となります。
一方で、海外ではEVスクーターやエアコン向コンプレッサー用モーターにおいて高速回転仕様の要求が多くなってきています。
これらの要求に応えることが出来るトルク検出器を開発しました。
特長
高剛性:応答性が良く、トルク変動を正確に捉えた計測が可能
自動車業界では、電動化が急速に進み多くのモーターが使用されるなかで、振動・騒音の原因となるコギングトルクやトルクリップルを最小限に抑えるモーターが求められています。
そのため、トルク変動を正確に捉える事のできる剛性の高いトルク検出器が必要となります。
RH シリーズは、ねじり剛性で当社比 約4.5 倍を実現し、トルク変動を正確に捉える計測ができます。
RHシリーズと一般的な剛性の低いトルク検出器のデータ比較
RHトルク検出器と一般的な剛性の低いトルク検出器のトルク変動をCF-9400A FFTアナライザーで計測した一例です。
上記のグラフはRHトルク検出器と一般的な剛性の低いトルク検出器のトルク変動の周波数解析の結果です。
RHトルク検出器は、一般的な剛性の低いトルク検出器に比べてねじり剛性が高いため装置の共振周波数を高くすることができ、本来計測したいトルク(ここではコギングトルクの1次成分に起因するトルクリップル)を精度良く計測することが可能になりました。
また、RHトルク検出器はより平滑で高い周波数までフラットな計測を実現しました。
高速回転:回転速度 20,000 r/minまで対応可能
EVスクーター用モーター、エアコンのコンプレッサー用モーターなど、高速回転の要求が高まっています。RHシリーズは、当社比 約2.5倍の回転速度20,000 r/minまでの計測が可能となり、 低速回転(※)から高速回転まで安定した計測が可能となります。
回転速度検出器 取付例
ダイレクト出力:カウンターレスで装置組込用に最適
従来、トルク検出器と演算表示器を組合せて使用する必要がありましたが、トルク検出器単体での信号出力も可能となりました。これにより、コスト低減に貢献することができます。
構成事例
高精度:モーター等の性能評価試験を精度良く行うことが可能
ヒステリシスを含む直線性は±0.05 % FS(当社比 1/2)に対応することができ、高精度に計測することが可能となりました。
小型化:小型化により、質量・体積が約 1/3(当社比)
小型化、軽量化、カウンターレス化、および同一センターハイトにすることで置換えが容易になり、とても取り扱いやすい製品となりました。
SSシリーズと寸法比較
装置構成例
演算表示器なし構成
演算表示器あり構成
仕様
RH-1105 | RH-1205 | ||
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トルク検出部 | 定格トルク | 10 N・m | 20 N・m |
破壊トルク | 定格の400 % 以上 | ||
限界トルク | 定格の200 % 以上 | ||
ヒステリシスを含む非直線性 | ±0.05 % FS 以下 (TQ-5300接続時の画面表示値) | ||
ゼロ点の温度影響 | ±0.02 % FS/°C 以下 (TQ-5300接続時の画面表示値) | ||
スパン点の温度影響 | ±0.02 % FS/°C 以下 (TQ-5300接続時の画面表示値) | ||
回転速度検出部 | 出力パルス数(標準) | 4 P/R (ホールIC+マグネットで検出を行う) | |
出力パルス数 (オプション RH-0501回転検出歯車60 P/R搭載時) |
60 P/R (回転速度検出は別売のMP-981またはMP-9820を使用する) |
トルクアナログ出力 | 出力形式 | 電圧出力 0~±10 V FS |
---|---|---|
アナログ変換方式 | 周期変換方式 (1周期毎にトルク値に換算し、アナログ電圧に変換) | |
最小許容負荷 | 100 kΩ | |
リニアリティ | ±0.10 % FS 以下 | |
ゼロ点のオフセット | 0.05 V 以下 | |
コネクター | BNC (メス) | |
トルク周波数出力 | 出力形式 | ラインドライバ出力 10 kHz ±5 kHz |
コネクター | R03-RB12F | |
回転速度パルス出力 | 出力項目 | ホールICのパルス出力を波形整形して出力 |
出力形式 | オープンコレクター出力に330 Ωを+5 V にプルアップして出力 | |
最小許容負荷 | 10 kΩ | |
コネクター | R03-RB5F |
トルクゼロ入力部 | 入力項目 | トルクゼロ補正値取得開始 接点入力 外部接点より自動的に無負荷時のトルクを0とする機能 |
---|---|---|
入力信号 | 無電圧接点入力の場合: 開放電圧;5.25 V 以下 短絡電流;1 mA 以下 電圧入力の場合: Hレベル ;4~5.25 V Lレベル ;0~1 V |
|
コネクター | R03-RB5F | |
READY出力部 | 出力項目 | 接点出力:トルク計測状態時、接点がクローズ |
出力形式 | フォトモスリレー | |
負荷電圧 | DC30 V 以下 | |
負荷電流 | 100 mA以下 | |
オン抵抗 | 10 Ω以下 | |
コネクター | R03-RB5F |
RH-1105 | RH-1205 | |||||||
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電源電圧 | DC 24 V (18~30 V) | |||||||
消費電力 | 20 W 以下 | |||||||
電源入力コネクター | R03-RB12F | |||||||
使用温度範囲 | 0~+50 °C | |||||||
使用湿度範囲 | 20~85 % ただし、結露無き事 | |||||||
保存温度範囲 | -10~+60 °C | |||||||
保存湿度範囲 | 20~85 % ただし、結露無き事 | |||||||
CEマーキング |
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FCC | FCC Part 15 Subpart B Class A | |||||||
ICES | ICES-003 Issue7 + Amendment1 ClassA | |||||||
安全性 | IEC61010-1:過電圧カテゴリⅠ 接地保護クラスⅢ 汚染度2 | |||||||
ねじり剛性 (設計値) | 10 N·m : 3.6 kN·m/rad |
20 N·m : 6.9 kN·m/rad | ||||||
慣性モーメント (設計値) | 10 N·m : 24.3×10-6 kg·m2 | 20 N·m : 24.6×10-6 kg·m2 | ||||||
定格回転速度 (標準) | 16,000 r/min | |||||||
定格回転速度 (オプション RH-0502 動バランス調整時) |
20,000 r/min | |||||||
付属品 | 取扱説明書、検査チャート、キー |
(1)精度良く計測するため、測定開始時にはトルクゼロの補正を行うことを推奨します。
(2)仕様の温度および湿度の上限を超える環境で使用しないでください。
(3)長時間の連続した使用や保管する場合は、高温多湿の環境を避けてください。性能に影響を及ぼす可能性があります。
オプション
型名 | 内容 |
---|---|
RH-0105 | トルク信号ケーブル (5 m) |
RH-0110 | トルク信号ケーブル (10 m) |
RH-0205 | 電源ケーブル (5 m) |
RH-0210 | 電源ケーブル (10 m) |
RH-0305 | 回転信号ケーブル (5 m) :RHシリーズ~TQ-5300間用 |
RH-0310 | 回転信号ケーブル (10 m): RHシリーズ~TQ-5300間用 |
MX-7105 | 回転信号ケーブル (5 m) :MP-981/MP-9820~TM-3000シリーズ間用 |
MX-7110 | 回転信号ケーブル (10 m): MP-981/MP-9820~TM-3000シリーズ間用 |
MX-8105 | 回転信号ケーブル (5 m) :MP-981/MP-9820~TQ-5300シリーズ間用 |
MX-8110 | 回転信号ケーブル (10 m):MP-981/MP-9820~TQ-5300シリーズ間用 |
RH-0405 | トルクゼロ入力ケーブル (トルクゼロ、READY出力、回転信号ケーブル)(5 m) |
RH-0410 | トルクゼロ入力ケーブル (トルクゼロ、READY出力、回転信号ケーブル)(10 m) |
RH-0501 | 回転検出歯車 60 P/R |
MP-981 | 磁電式回転検出器 |
MP-9820 | 磁電式回転検出器 |
RH-0502 | 動バランス調整 |
MX-101 | 信号ケーブル (1.5 m) |
MX-105 | 信号ケーブル (5 m) |
関連情報
最終更新日:2024/05/30