レーザ測長器による真直度測定
(ピッチング&ヨーイング)


レーザ測長器を用いたポピュラーなアプリケーションの1つとして真直度計測があります。ここでは、その計測原理と実測例をご紹介します。

移動するテーブルに、A−B または B−C のようにコーナーキューブを取り付け、レーザ測長器 2ch でステージを動かしながら同時に移動する l の距離の計測を行ないます。 LV-0930 変位解析ソフトでは、この 2ch の距離データよりピッチング、ヨーイングの角度計算を行ないます。得られた X 軸 = 変位(l )、Y 軸 =角度( θ )データを積分する事により、A−B 間であればx- z 平面、B−C 間であればx− y平面 の軌跡と真直度を求めることが可能です。

イラスト(レーザ測長器による真直度測定システム構成)


計測原理

X−Y平面上を物体が から に移動したとき、その軌跡を ( x ) とすると;

 

式 1

また f ( x ) を導関数 f ' ( x ) を用いてあらわすと;

式 2

 

となります。軌跡が ( x ) であるときの真直度は理想直線からの距離で定義されます (Fig. 1)。
         (2)式より、導関数 f ' ( x ) が計測できれば真直度を求めることができます。

 

イラスト(真直度の定義)

Fig. 1 真直度の定義

また、レーザ測長器 LV-9300A と レーザ測長計センサ LV-9002 2台と変位解析ソフト LV-0930 を使用することにより移動変位に対するピッチ角、ヨー角を測定することができます (Fig. 2)。)

イラスト(レーザ測長器を使用したピッチ、ヨー角の計測)

Fig . 2 レーザ測長器を使用したピッチ、ヨー角の計測


式 3
式 4
よってピッチもしくはヨー角 と変位 X のデータをレーザ測長器により測定すれば、(4)式をもちいて f ' ( x ) X のデータに変換できます。このデータから(2)式より f ' ( x ) X で積分することにより 軌跡( x ) を求めることができます。また、 真直度の定義より、上で求めた軌跡 ( x ) と理想直線の距離として真直度が求まります。

機器構成

  型名 品名 備考

1

LV-9300A レーザ測長器  

LV-9002 レーザ測長センサ 2セット

LV-0121A ディジタル変位計 2セット

4

LV-0802 コーナーキューブ 2セット

5

LV-0930 変位解析ソフト  

6

LV-0703 ディジタル変位出力 USB接続ケーブル 2セット PCとのインターフェイス

7

LV-0822A アライメント治具 2セット 移動軸線とレーザ光のアライメント

* レーザ測長器に LV-9110A を使用の場合は LV-0802 と LV-0812は不要です

測定方法

1 コーナキューブ(LV-0802)を水平方向に距離 L0 離し測定対象テーブルに固定する
2 レーザ測長器とコーナキューブ(LV-0802)の光軸調整を行う
3 測定対象テーブルを移動させ変位とヨー角のデータをPCに取り込む
4 ヨー角のデータを変位で積分演算させることにより真直度を求める

解析データ例

写真(真直度測定装置の外観)

Fig. 3 プリント用トラバース装置のヨーイング

 

   

最終更新日:2021/01/11




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