TM-3100 シリーズは、旧モデルである TM-800/TM-8000 シリーズおよび TM-2100 シリーズと互換性があります。 従来どおり、TM-3110(表示専用)、TM-3120(BCDオープンコレクタ出力)、TM-3130(アナログ出力)、TM-3140(コンパレート出力)の4種の基本セットを用意しています。
ただし、TM-2120(BCD 出力付モデル)と互換を取るには、TM-0321 BCD 出力カード(電圧出力)
に変更する必要があります(TM-3110 + TM-0321 の組み合わせとなります)
TM-800/8000シリーズ、TM-2100 のBCD出力 の 出力電流は 4 mA でしたが、TM-0321 の電圧出力は、オープンコレクタ出力に 10 kΩ の抵抗で +5 V に内部でプルアップした回路になっております。
受信回路のインピーダンスや電流を流し込む受信回路の場合、接続にご注意ください。
【補足説明】
TM-3100 シリーズでは従来の機能のほかに「SS 測定」とオプション「TS-0350(RS232C/GATE)」を新機能として追加しています。
TM-3100 シリーズの基本的な概念は次の3点となります。
入力信号の“周波数”を測定し、その値から各測定項目の単位へ演算表示します。
“測定方法”には「NORMAL(ノーマル連続測定)」と「SS(スタート・ストップ平均値測定)」があります。
“測定項目”の単位設定をするだけで自動的に単位換算し表示します。
ここでは、測定方法、測定項目の概要について説明します。 TM-0350(RS232C/GATE)の演算機能およびゲートを使った測定に関しては取扱説明書を参照ください。
測定方法(MEAS MODE)
1-1 NORMAL
例えば、設定されたデータ更新時間“1s”に合わせ測定を繰り返し、更新表示します。 NORMALは、一般的な回転速度・ライン速度測定を行い、旧機種のTM-800・8000シリーズ、TM-2100シリーズと同じ測定方法のため、互換性があります。
1-2 SS(START・STOP)
ある測定区間の AVERAGE(平均)、MAX(最大値)、MIN(最小値)を測定する機能です。測定区間のスタート、ストップ条件により MANUAL(マニュアル)測定と AUTO(オート)測定の2通りあります。測定区間の設定は、“MANUAL”の場合は START・STOP ボタン(または、TM-0350の外部入力)で行います。“AUTO” の場合はスタート条件と測定時間の設定で行います。
■SS−MANUAL(マニュアル)
[SS MEASURE MODE]で“MANUAL”を選択します。MANUAL(マニュアル)測定では、STARTボタンを押した時点からSTOPボタンを押した時点の区間で、平均値などを測定します。
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■SS−AUTO(オート)
[SS MEASURE MODE]で“AUTO”を選択します。AUTO(オート)測定では、STARTボタンを押すとレディー状態になります。設定されたスタート条件に達した時点で測定を開始し、ストップ条件で設定された測定時間の区間で、平均値等を測定します。
例えば「START:2000 r/min、STOP:10 s」の設定の場合、1000 r/minでSTARTボタンをし、徐々に回転上昇させ 2000 r/min に達すると測定を開始し その後 10 s 経過するまでの区間で AVERAGE、MAX、MIN を測定します。 または、例えば 2500 r/min で START ボタンを押し、回転下降させ 2000 r/min に達すると測定を開始します。STARTボタンを押すときの回転数に注意してください。
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■メイン画面とサブ画面
設定モード[DISPLAY]→[2 LINES]を選択すると、メイン画面は NORMAL の測定値を表示し、サブ画面に SS の測定値 AVERAGE(平均)、MAX(最大値)、MIN(最小値)のうち選択した値を表示します。下図はメイン画面とメインサブ表示に設定した画面の一例を示します。
●TM-3140(コンパレート付き)メイン画面(1 LINE表示の場合)
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●TM-3110(表示のみ)メイン+サブ画面(2 LINE表示の場合)
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測定項目
TM-3100シリーズでは入力信号の周期(周波数)を計測します。その計測周波数を使い、測定項目で設定した値を係数として演算を行い、所定の単位で表示します。
測定項目と演算式は次表になります。
測定項目 | 表示単位 | 演算式 |
---|---|---|
ROTATION 回転速度 |
r/s、r/min、r/h | 回転速度=計測周波数÷PULSE×FACTOR×K |
L.SPEED 周速度 |
mm/s、m/s、mm/min、m/min | 周速度=計測周波数÷PULSE×DIAMETER×π×FACTOR×K |
VELOCITY 移動速度 |
mm/s、m/s、mm/min m/min、km/min mm/h、m/h、km/h | 移動速度=計測周波数÷PULSE DISTANCE×FACTOR×K |
PERIOD 周期 |
s、min | 周期=1÷計測周波数×K |
TIMES 回数 |
1/s、1/min、1/h | 回数=計測周波数×FACTOR×K |
FREQ 周波数 |
Hz、kHz |
周波数=計測周波数×FACTOR×K |
FLOW 流量 |
ml/s、ml/min、ml/h l/s、l/min、l/h | 流量=計測周波数×FACTOR×K |
P.TIME 通過時間 |
s、min | 通過時間=PROSESS LENGTH÷周速度×FACTOR×K (周速度=計測周波数÷PULSE×DIAMETER×π) |
OTHER 工学単位 |
EU/s、EU/min、EU/h | 工学単位=計測周波数×FACTOR×K |
※FACTORの使用例:例えば減速器があり検出器取付位置は入力軸で表示したい回転速度は出力軸の場合、FACTORに減速比を設定します。通常FACTORは“1”の設定で使用します。
2-1 設定モード(MEASURE)
設定モード「MEASURE」で、“測定方法”とそれに関する“測定項目”、“測定単位”の設定を行います。 測定方法の NORMAL(ノーマル連続測定)、SS(スタート・ストップ平均値測定)どちらを選択しても測定項目、測定単位の設定は同じ項目となります。一般的には NORMAL(連続測定)を使用します。 設定モード「MEASURE」の設定操作の流れは次図になります。
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2-2 設定モード(FUNCTION)
設定モード「FUNCTION」では測定方法の“NORMAL”・“SS”に関する表示内容の設定と、SS 測定のスタート・ストップ条件の設定を行います。“NORMAL”の場合は自動更新で連続測定を行いますのでスタート・ストップ条件の設定はありません。 設定モード「FUNCTION 」の設定操作の流れは次図になります。
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