検出歯車(歯数60)を使用しMP-981、MP-9100とTM-2130で回転速度に応じたアナログ出力を得ることができます。この設定方法について説明します。 デジタル表示に関する設定は別途手順書を参照ください。
注意 リップル現象(表1参照)
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アナログ出力はデジタル表示とは別回路で構成されていますので、デジタル表示に関する設定の影響は受けません。
アナログ出力端子は電圧(10V/周波数レンジ)と電流(4~20mA/0~周波数レンジ)が同時に出力されていまが、電圧出力、電流出力を同時に使用する場合には、使用可能な条件があります。
くわしくは取扱説明書を参照ください。
■測定条件
測定条件を下記の通りとして、説明します。
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■アナログ出力の設定
(1)周波数レンジの選択
次の式から入力信号の最大周波数を求めます。
(2)最大周波数をカバーする周波数レンジ「10kHz」を設定します
図1のように「ビット2:ON」、「ビット1、3、4、5、6、7:OFF」を設定します。周波数レンジは 20kHz、10kHz、5kHz、2kHz、1kHz、500Hz、200Hz の7レンジから選択できます。選択された周波数レンジが F.S(フルスケール)となり、入力信号が周波数レンジと同じ周波数のとき電圧出力10V、電流出力20mAが出力されます。
(例)10kHzレンジの設定の場合
入力信号が10kHzのとき電圧出力10V、電流出力20mAとなります。なお信号がない場合の電流出力は4mAになります。
デジタル表示は乗数設定値で補正された値となります。よって、電圧出力を表示値として読み取るには換算する必要がありますので注意してください。
(3)レスポンスの設定
図1のビット8でレスポンス(応答性)を設定します。 「ビット8:OFF(120ms)」と「ビット8:ON(700ms)」の設定があり、リップルが変わります。 リップル量は下表を参照ください。 ON(レスポンス700ms)の場合はOFF(レスポンス120ms)のときより、より平滑化された出力となります。 周波数が低い範囲で使用する場合や、平均的な出力が希望の場合は「ビット8:OFF(700ms)」を設定します。
図1
表1:リップル <表の読み方> (例)周波数レンジ10kz、レスポンス120ms、0.3%/F.S(0.03V)設定の場合のリップル 周波数レンジ1%=10kHz×1%=100Hz 入力信号が100Hzのとき0.03V(10V×0.3%=0.03V)のリップルがあります。リップルは周波数が100Hzより小さくなるほど0.03Vより大きくなります |
(4)アナログ出力の仕様と配線
(4-1)アナログ出力仕様
周波数レンジ | 20kHz、 10kHz、 5kHz、 2kHz、 1kHz、 0.5kHz、 0.2kHz |
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直線性 | ±0.3%/フルスケール |
出力電圧 | 各周波数レンジに対し0~10V(負荷1kΩ以上) |
出力電流 | 各周波数レンジに対し4~20mA(負荷500Ω以下) *電圧負荷が100kΩ以上のとき電圧と電流の同時出力が可能です。 |
出力リップル | 周波数レンジとレスポンスによって異なります |
出力調整 | 約±5%/フルスケール (電圧)、 約±3%/フルスケール (電流) |
ゼロ設定精度 | ±0.5%/フルスケール (電圧出力、室温)、 ±0.3%/フルスケール (電流出力、室温) |
ゼロドリフト | ±0.01%/フルスケール/℃ |
スパンドリフト | ±0.025%/フルスケール/℃ |
レスポンス | 120ms±20msまたは700ms±100ms切り換え |
(4-2)配線方法
配線は図2のように行います。シールド付ケーブルを使用し、シールドは接続先でアースを取ってください。
図2 |
(4-3)電圧出力と電流出力を同時に使用する場合
電圧出力と電流出力を同時に接続する場合は、接続先の入力抵抗が図3の条件を満たす必要があります。
図3 |