入力レンジ、出力レンジ、ファクタ、モニター表示の設定の意味とそれぞれの関係は次のようになります。
入力レンジ | 計測する最大値(モニター表示の最大値)を設定します。
例えば、500 r/min、100 m/min 等、測定最大値を設定します。 |
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出力レンジ | 出力電圧、出力電流の最大値を%で設定します。
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ファクタ | 単位変換する係数です。周波数を回転速度(r/min)や速度(m/min)の単位に変換するときに使用します。 |
モニター表示 | 入力信号の周波数をファクタで割り変換された値が表示されます。 |
また、次の関係式が成り立ちます。
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(1) |
ファクタは次式から求めることもできます。
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(2) |
入力周波数と出力電圧の関係を次図で表します。
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例1:入力レンジを 回転速度<r/min>単位で設する
測定条件 | 設定値 |
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RP シリーズロータリエンコーダー:360 P/R 測定最大回転速度:5000 r/min 出力電圧:0 ~ 1 V/0 ~ 5000 r/min 入力レンジを回転速度 r/min で設定する |
入力レンジ:5.00 k ファクタ:6 出力レンジ:10 % 測定範囲:モニター表示 0 ~ 5.00 k |
ファクタ
式(1)よりファクタを求めます。 測定の単位 r/min より表示単位は r(1回転)と min(分)になります。また1r あたりのパルス数=360、表示単位の秒数 1min=60 s となりますので;
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モニター表示
ファクタ=6 に設定すると次式により自動的に r/min の単位で表示されます。 表示桁数は 3 桁です。簡易モニターとして利用ください。
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入力レンジ
測定したい最大回転速度は条件より 5000 ですが、設定は 3 桁になりますので、5.00k(k=1000 倍を意味します)と設定します。この設定値以上の信号が入力された場合、入力オーバとなります。この場合は入力レンジ設定値を大きくするなど見直しが必要です。 入力レンジ設定には制限がありこの制限を越えた設定の場合はエラー表示します。詳細は、取扱説明書「5.1入力レンジについて」を参照ください。
出力レンジ
出力レンジは最大出力電圧を設定します。レコーダなど接続先の機器が 1V 入力の場合、1V 以上にならないように最大出力電圧を制限する機能にもなっています。 測定条件1V より入力 10 % と設定します。 求めた値は上記の表「設定値」欄にまとめましたのでご参照ください。
2.式(2)を利用した方法
測定最大回転速度=5000r/min、ロータリエンコーダーのパルス数 360 P/Rより;
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測定条件より入力レンジ=5000、また式(3)を変換しファクターは;
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となります。出力レンジについては1.項と同じです。
例2:入力レンジを周波数<Hz>で設定する
測定条件 | 設定値 |
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RP シリーズロータリエンコーダー:360 P/R 測定最大回転速度:5000 r/min 出力電圧:0 ~ 5 V/0 ~ 5000 r/min 入力レンジを周波数 Hz で設定する |
入力レンジ:30.0 k (30,000) ファクタ:1 出力レンジ:50 % 測定範囲:モニター表示 0 ~ 30.0 k |
例1の2の方法で最大周波数を求めます。最大回転速度 5000 r/minより;
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ファクタ
入力レンジは最大周波数 30000 に取るので、ファクタは;
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出力レンジ
測定条件の 5 Vより、出力レンジは 50 % と設定します。
求めた値は上記の表「設定値」欄にまとめましたのでご参照ください。
例3:入力レンジを速度<m/min>で設定する
測定条件 | 設定値 |
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RP-721 ローラーエンコーダー:120 P/R ローラ径:πD=0.2 m 測定最大速度:100 m/min 出力電圧:0 ~ 10 V/0 ~ 100 m/min 入力レンジを速度 m/min で設定する |
入力レンジ:100 ファクタ:10 出力レンジ:100 % 測定範囲:モニター表示 0 ~ 100 m/min |
ファクタ
測定の単位 m/min より RP-721 の仕様から;
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入力レンジ
測定したい最大速度 100 m/min より、入力レンジは 100 を設定します。 この設定値以上の信号が入力された場合には入力オーバとなりますので設定の見直しが必要です。
出力レンジ
出力条件より出力電圧は 10 V ですので 100 % と設定します。 求めた値は上記の表「設定値」欄にまとめましたのでご参照ください。