パワースペクトルとは、時間信号 x(t)のパワーを、FFT分析することによりある周波数バンド幅(すなわち周波数分解能
Δ f )毎のパワーをもとめ、横軸を周波数としてグラフ化しているものです。
FFTアナライザでは、以下のように求めています。信号 x(t)のフーリエスペクトルを X(f)とすると、パワースペクトル P(f)は;
(* は複素共役を表す) |
(1) |
と求められます。(1)式から、パワースペクトルは、[1]元の信号 x(t)の位相情報は失われる、[2]振幅の2乗の次元をもつ、すなわち信号 x(t)の物理単位が EU(V)ならば EU2(V2)となる、などがわかります。
具体例として、入力信号が(2)式の x(t)であれば、パワースペクトルは、A2/2(=(A/√2)2、実効値の2乗)となります。
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(2) |
また、パワースペクトルは振幅の2乗値相当なので、その平方根を取ったものをリニアスペクトル(あるいは振幅スペクトル)と呼び、各周波数帯域幅での実効値を意味します。同様に、(2)式 x(t)のリニアスペクトルは、0.707 A(0.707 = 1/√2)となります。