スペクトルの平均はどのように計算されるのか?

スペクトルの平均は、[1]パワースペクトル平均、[2]フーリエスペクトル平均の2種類に分けられます。  
1ch 計測でのパワースペクトルの平均を実行する主な目的は、確定的な信号(例えば周期的な信号)であれば変動しているスペクトル値の平均、また不規則信号であれば、統計的なスペクトル推定精度の向上などです。その平均方法は、[1]加算平均、[2]指数化平均、[3]ピーク平均、[4]スイープ平均などがあります。

加算平均は、周波数帯域毎のパワー値の単純平均(集合平均)で RMS 平均とも呼ばれます。指数平均は、重み付きのパワー平均で平均回数が時定数に相当します。ピーク平均は、周波数帯域でのパワー値の最大値(平均回数 N 回での)を残す手法で厳密には、平均処理ではありません。スイープ平均は、正弦波の信号を使いそれをスイープ(掃引、すなわち周波数を順次変更する)してスペクトルを求める手法で、内部信号モードと外部信号モードに分かれます。内部信号モードでは、FFTアナライザに装備された内蔵の発振器を使い FFT の分解能に完全に同期したサイン波を使いますので、精度よく計測できます。

パワースペクトル平均で注意することは、あくまでパワー値(すなわち、EU2 値)での平均処理であることです。具体的な平均方法は、関連項目をご参照下さい。

フーリエスペクトル平均は、複素数上での平均で、トリガ機能と併用した同期平均で時間波形平均と同じ効果を持ちます。トリガ信号が必要であるというデメリットがありますが、パワースペクトル平均と比較して、[1]ノイズ成分の低減、[2」位相スペクトルの平均などのメリットがあります。




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