ONO SOKKI Co.,LTD

   
伝達関数(周波数応答関数)に関して

FFTアナライザで伝達関数(周波数応答関数)演算を行う際のご質問を次表にまとめました。

【質 問】

【回 答】

【関連する取説の章】

1

伝達関数を表示したいが操作方法は

インパルスハンマーでの試験をしたい

伝達関数は周波数応答関数FRFで測定します。

インパルスハンマーを使った伝達関数(周波数応答関数)測定では次の様な操作手順で測定します。

 (1)センサーの感度校正をします

 (2)トリガー機能on、

 (3)ADオーバーキャンセル機能、ダブルハンマーキャンセル機能on、

 (4)FRF釦を押し周波数応答関数を表示します

  (5)SECOND釦次にPHASE釦を押し上位相、下MAGの2画面表示にします。

  (6)ボード線図を表示します

EASY OPERATIONの「打撃試験]を使う方法も有ります。

4.3.6周波数応答関数

5.3校正機能

3.7トリガー機能

3.8ダブルハンマーキャンセル機能

3.2ADオーバーキャンセル機能

6.1.(3)オートスケールによる方法

4.3.6.(3)ボード゙線図

2

機械インピーダンスの測定(力/速度)で chA:加速度センサー、chB:力(インパルスハンマー)を入力している。

伝達関数は出るがコヒレンス関数が出ない。

SUM平均をして下さい。

コヒレンス関数測定は必ずスペクトルの平均化が必要です。

時間軸平均ではうまく測定出来ません。

4.3.7コヒレンス関数

5.1.3.(1)加算平均

3

2信号の位相差を見たい

周波数応答関数の位相表示で可能です。

4.3.4.(2)2チャンネル間の位相差

4

インパルス加振Fと加速度aの伝達関数 a/F、 F/aの意味について

イナータンス:a/F
アパレントマス:F/a

chAに力(インパルスハンマーの信号)chBに加速度信号を入力し、周波数応答関数(伝達関数)H=chB/chAを測定することで、そのような表示が可能です。

また、演算機能の 1/H で a/F=I に変換できます。

4.6周波数応答関数

5.9.2周波数応答関数に関する演算式

5

チャンネル間位相補正機能で、PHASE ADJ機能ONしても補正されない(0.26degのまま)。

50kHz矩形波1V入力している。

(1)50kHzSIN波入力し10回以上平均し,FRF PHASE表示します。
  PHASE ADJすると補正確認が出来ます。

(2)操作は校正信号としてchA,chBにランダム信号を入力し周波数応答関数の平均測定をします。
POUSE状態でPHASE ADJUST をonにします。

(2)位相補正精度は

PHASE ADJUST ONでは同一電圧レンジで

(代表値) 20kHz以上  ±0.1xxdeg
xxの値は不明

4.3.4● 位相アジャスト

仕様書

6

初めて使う。

インパルスハンマー試験したいが操作は

Easy Operationn機能の、打撃試験モードがあります。

Easy Oparationn機能を使った後で通常の操作に入ったとき、CFの機能に一部使えない機能が発生します。
これはEasy Operationの機能優先で働いているためです。

その場合は一度RESET釦を押してから通常の操作に入ってください。

 

Easy Operation取説

7

ハンマリング試験で、加速度波形にダブルハンマリングのアラームがでる

ダブルハンマキャンセル機能は,加速度波形側チャンネルをonするのではなく、ハンマー波形側をonにしてください。

電圧レンジはオートレンジ゙機能をoffで(固定レンジで)、トリガー機能を使ってください。

ADオーバーキャンセル機能を併用すると、たたきすぎデータを採用しないことが出来ます。

3.1オートレンジ機能

3.2ADオーバーキャンセル機能

3.7トリガー機能

3.8ダブルハンマキャンセル機能

8

位相補正の周波数レンジが10kHz以下では出来ないが50Hzの補正は出来ているか

位相ずれは高周波側で厳しくなり、50Hzでは位相補正しなくても十分な精度になっています。

よって、10kHzレンジ以上で機能が働く様にしています。

 

4.3.4● 位相アジャスト

9

位相アンラップの意味は

例えば−200°から+200°のスケールで、データが0°~-240°の時、
0~−200°それから+側に飛び、360°−200°=+160~+90°(360−240)に、折り返し表示になります。

これでは見にくい場合、位相表示のY軸スケールを+90°~−720°に拡大変更すると、折り返しが無く0°~-240°の表示ができます。

ソフトキーの操作は

(1)Display→Scale→Phase→Unwrap ページを開く

(2)ウインドウが開きますので、上下限スケールを例えば+90~−720に設定します。

10

構造物の2点間に加速度センサーを付け特定点で打撃し,2点間の伝達関数を測定するが,測定点は数箇所ある。

1打撃で同時測定した時と,1点づつ測定した時と差が生じるか。

差は生じない。

ダブルハンマーしないよう、打撃の波形に注意が必要です。

11

伝達関数で、パワースペクトルのパーシャルオーバーオール的な処理ができないか.

不可。

必要な範囲の周波数応答の表示であれば、X軸のスケール変更(マニュアル)で可能です。

6.2.2X軸スケールの変更

12

電圧,電流の高調波の位相遅れの測定したいが

周波数応答関数の位相表示で可能です。

スペクトルの高調波リスト表示機能でリストできます。

4.3.4.(2)2チャンネル間の位相差

6.8.3高調波リスト

13

打撃試験によってFRF、 PHASE、COH を求めたデータから、固有振動数と判断する判定の基準は

FRFのMAGデータにはっきりしたピークがなく、また周波数が高い点では、測定の仕方によりピークが潰れてしまう事が有り、判断は困難です。

打撃位置,供試品の支持方法を変え、多数の測定データより、総合的に判断することが必要です。

14

インパルスハンマー測定に関する本、資料が欲しい

(1)モード解析入門(コロナ社)東工大 長松昭男 著 5150円

(2)わかりやすい振動モード解析入門(日刊工業新聞社) 

  倉部誠、市原千治 著 3400円

(3)図説モード゙解析入門(大河出版)倉部誠 著 3200円

(4)機械のモーダルアナリシス(中央大学出版部)大久保信行 著 

15 構造改善前後のFRFデータの見方に付いて 共振周波数と減衰率(ダンピングファクター)が変わります。

減衰率は半値幅法で求まります。

関連として、カーブフィット、ヒルベルト変換があります。

5.9.3半値幅法による減衰率の算出

5.10カーブピット

4.1.5ヒルベルト変換

16 半値幅法のダンピングファクタ- -5%とはどの様な意味か 対数減衰率δとダンピングファクターζの関係は

δ=2πζ

δは減衰正弦波の隣り合ったピークの比を表します。

ζ が大きいと減衰が大きくなります。

関連解説:「減衰を表す係数」

 

戻る
お客様相談室 0120-38841  9:00-12:00 13:00-18:00 (土日、祝祭日除く) ご質問・お問い合わせ(フィードバックフォーム)