22. 損失係数測定の際使用する窓関数について
窓関数によって損失係数測定の際に、周波数応答関数が変形すると予想される。 下図は各窓関数をかけたときの損失係数の測定下限値を示す。
前図から次のことがいえる FLAT-TOP ウインドウは損失係数測定には向いていない。 方形波ウインドウがワーストケースの分解能と分解能の中央位置に信号が入力された場合を除いて、損失係数測定には最適である。 従来「信号が非同期の場合には、ウィンドウ関数はハニングを使え」と言われてきたが、損失係数測定時(ピークから -13 dB よりも大きな値で η を求める場合)に限り、方形波ウインドウが最も小さな損失係数まで精度良く測定できる。ただし、矩形窓を使用してコヒレンスが低下する場合は、テーパー窓を使用する。 共振点が FFT 画面の左側に近づけば近づくほど、ウインドウ関数の影響が大きい。例として、ズームを使用しないでハニングウインドウ使用の場合の、FFT 10ライン目の測定下限は η= 0.15 である。 周波数応答関数波形の山が画面の左側にあるということは、低い周波数の共振・反共振を 高い周波数レンジで測定したことであり、山を右側に移動するということは(1)周波数レンジを下げる。(2)周波数ズームを行うことであるから、ここでもズーム分析の必要性が確認された。 ズーム分析の別の効用として、ズーム分析は時間フレームを長くすることなので、インパルスレスポンスのはみ出し変形も減少する。さらに、ズーム分析は周波数分解能を上げることになるため、この部分での誤差の減少も期待できる。また、FFT 点数を増やすことによっても同様の効果があると考えられる。 最近では 65,536 点の FFT で 25,600 ラインのスペクトルを計算するものまで出現して、ある程度損失係数が大きい(η:0.01 程度)場合にはズーム分析が不要なものが使いやすい。
前図から次のことがいえる
FLAT-TOP ウインドウは損失係数測定には向いていない。
方形波ウインドウがワーストケースの分解能と分解能の中央位置に信号が入力された場合を除いて、損失係数測定には最適である。
従来「信号が非同期の場合には、ウィンドウ関数はハニングを使え」と言われてきたが、損失係数測定時(ピークから -13 dB よりも大きな値で η を求める場合)に限り、方形波ウインドウが最も小さな損失係数まで精度良く測定できる。ただし、矩形窓を使用してコヒレンスが低下する場合は、テーパー窓を使用する。
共振点が FFT 画面の左側に近づけば近づくほど、ウインドウ関数の影響が大きい。例として、ズームを使用しないでハニングウインドウ使用の場合の、FFT 10ライン目の測定下限は η= 0.15 である。
周波数応答関数波形の山が画面の左側にあるということは、低い周波数の共振・反共振を 高い周波数レンジで測定したことであり、山を右側に移動するということは(1)周波数レンジを下げる。(2)周波数ズームを行うことであるから、ここでもズーム分析の必要性が確認された。
ズーム分析の別の効用として、ズーム分析は時間フレームを長くすることなので、インパルスレスポンスのはみ出し変形も減少する。さらに、ズーム分析は周波数分解能を上げることになるため、この部分での誤差の減少も期待できる。また、FFT 点数を増やすことによっても同様の効果があると考えられる。 最近では 65,536 点の FFT で 25,600 ラインのスペクトルを計算するものまで出現して、ある程度損失係数が大きい(η:0.01 程度)場合にはズーム分析が不要なものが使いやすい。
23. ヤング率等の計算
無垢材料の測定からヤング率を求める計算式、及び RKU (Ross, Kerwin, Unger)方程式を用いた複合型(2層型・3層型)で測定した損失係数・ヤング率から制振材単品の損失係数・ヤング率を求める計算式を示す。
■ 無垢材料 共振周波数を fn (Hz)、半値幅を Δ fn (Hz)、試料片の長さを (m)、試料片の厚さ h (m)、試料片の平均密度を ρ (kg/m3) とすると。
■ 無垢材料
共振周波数を fn (Hz)、半値幅を Δ fn (Hz)、試料片の長さを (m)、試料片の厚さ h (m)、試料片の平均密度を ρ (kg/m3) とすると。
ダンピングが小さい場合は 1/8 Δ fn2 を無視し
また、損失係数 η は
ここで 片持ち梁法と中央加振法反共振使用の場合
ここで
片持ち梁法と中央加振法反共振使用の場合
以下 + π
中央加振で共振を使用する場合は共振周波数を求めて、θ n に下記値を使用する。
両端自由で2点吊り(支持)法の場合
また高次では θn+1 と θn の差はほとんど π と一致することから
となり次数のファクター θn 及び密度 ρ が消去されたこの式が、次数がわからない場合に有用な式である。
■ 2層型複合板の場合
共振周波数:fc[Hz] 自由長の長さ:[m]
共振周波数:fc[Hz]
自由長の長さ:[m]
基材の損失係数: η1 = 0 と置く
共振周波数:fi[Hz] 厚み:d1[m] 密度:ρ 1[kg/m3] ヤング率:E1[N/m2]
共振周波数:fi[Hz]
厚み:d1[m]
密度:ρ 1[kg/m3]
ヤング率:E1[N/m2]
制振材単品の損失係数: η 2
厚み:d2[m] 密度:ρ 2[kg/m3] ヤング率:E2 [N/m2]
厚み:d2[m]
密度:ρ 2[kg/m3]
ヤング率:E2 [N/m2]
さらにヤング率比 E2 / E1 = M、厚み比 d2 / d1 = T、密度比 ρ2 / ρ 1 = D と置くと、制振材単品の損失係数及びヤング率は、基材自身のデータと複合試験片のデータから次式により計算できる。
ただし、ここで
である。 ただし、α ≧ 1.1 の時に成り立つ。
である。
ただし、α ≧ 1.1 の時に成り立つ。
■ 両面貼り複合板(上下同一制振材使用)
さらに厚み比 d2 / d1 = T、密度比 ρ2 / ρ1 = D と置くと、制振材単品の損失係数及びヤング率は、基材自身のデータと複合試験片のデータから次式により計算できる。
ここで、と書いて
の時に成り立つ。
■ サンドイッチ型複合板(制振鋼板)の剪断弾性率と損失係数
厚み:d2[m] 密度:ρ 2[kg/m3] 剪断弾性率: G[N/m2]
剪断弾性率: G[N/m2]
さらに厚み比 d2 / d1 = T、密度比 ρ2 / ρ1 = D と置くと、制振材単品の損失係数及び剪弾性率は、基材自身のデータと複合試験片のデータから次式により計算できる。
ただし
の時に限る。