回転体制御と振動計測の技術を生かし
超クリーン化の進むウェハの乾燥工程に新規参入
回転制御、振動計測の技術により300mmウェハにも対応する低振動化を実現
部品の特殊表面処理などのクリーン化対策で、長期にわたってクリーンな環境を維持
半導体業界は、微細化と同時に、ウェハの大型化が進み、洗浄工程においては超クリーン化が急務となっています。この工程から続く乾燥工程でも超クリーン化はクリアしなければならない必須課題となっています。しかし、従来主流だった200mmウェハに代わって注目を集める300mmウェハにおいて、超クリーン化を実現するためには、より高い精度の新技術を取入れる必要があります。また、ダメージを受けやすいウェハが大型化することによって、乾燥中の振動制御にもさらに高い精度が要求されているのが現状です。
今回、新たに開発した「スピンドライヤ」は、洗浄したウェハを高速で回転させて、遠心力で乾燥させる乾燥工程の設備です。ウェハが大型化することによって、より大きな空間をクリーンな環境に維持しなければなりませんが、ウェハを回転させるロータとグローブに金属イオンの溶出と発塵を防止する特殊表面処理を施しています。また、さらに高い精度の環境を作り出すために、コンタミネーションの発生しやすいロータの駆動部に特殊シール機構を採用しております。さらに、自動化に伴い装着されるクレードルの起こし機構部には、特殊パージ方式を採用し、グローブ内と同レベルのクリーン環境を達成しています。
次に、振動対策ですが、「スピンドライヤ」は、フレームやロータ、駆動部の高剛性化を図り、部品設計からそれぞれの部材の組付けまで様々な工程の精度を向上させると共に、ロータと駆動部を直結するという低振動化対策を行なうことで300mmウェハにも対応する低振動の回転機構の開発に成功しました。
こうした超クリーン化と低振動化を実現しながら、300mmウェハにおいて、わずか6秒で実乾燥回転数に到達する高速応答性を実現。I/Oをネットワーク化することで自動化に対応することも可能で、作業効率のアップに貢献します。