写真(CL-5600 シリーズ静電容量式非接触厚さ計)

CL-5610/CL-5610Sは、ギャップディテクタ VE シリーズセンサーと接続して、導体や半導体、絶縁体の厚みを計測する非接触厚さ計です。VE シリーズセンサーを2個まで接続することができます。また、2 ch のギャップ計測器としても使用できます。

CL-5610 はセンサー用アンプを本体に内蔵し、VE センサーを厚さ計本体に直接接続して使用します。デスクトップでのオフライン計測に適しています(センサーと本体間のケーブルは 1.5 m で延長はできません)。

CL-5610S はセンサー用アンプを外部に独立させ、VE センサーと厚さ計本体を離して使用します。本体と外部アンプ間のケーブル長は標準で 2.5 m、オプションにて最大 10 mまで延長可能です。装置への組み込みなど、センサー設置位置と厚さ計本体を離して設置する場合に適しています。

特長

豊富な計測項目

厚みとギャップを計測できます。また、それぞれに対し、偏差値・最大値・最小値・最大幅値(最大−最小)の演算値も表示できます。

導体・半導体の他、絶縁体の厚みも測定可能

CL-0300絶縁体測定機能(オプション)により、薄いプラスチックフィルムやガラス板などの絶縁体の厚みを計測することができます。

導通が完全に取れないサンプルなども安定した厚み計測が可能

サンプルをフッ素系膜でコーティングしたテーブルで保持する場合などは、サンプルと本体(コモン)間の導通を取ることが困難でした。これまでは、広い面積でサンプルと接触させることで安定性を確保する必要がありましたが、CL-0210 高インピーダンス接地モード機能(オプション)により、その面積を小さくすることができます。また、同面積においてはより高い安定性を確保することができます。

高分解能演算機能オプション(CL-0200)で最小表示分解能 0.02 μm を実現*1

*1 VE-2011/VE-5010/VE-5011 使用時。VE-5010/VE-5011 は、CL-0201 測定範囲変更オプションで、測定範囲を 20~200 μm にした場合に適用

センサーの校正値を最大6種まで保存可能

CL-5610 シリーズは、センサーの校正情報を最大6個まで保存することが可能なため、計測範囲と分解能に合わせて最適なセンサーを選んで使用することができます。

PLC や PC に連続的にデータを取り込むことが可能

データ出力機能として、アナログ電圧出力、BCD 出力、RS-232C の3種類を用意しました。お客様の記録装置に合わせて出力を選ぶことができます。アナログ出力とBCD 出力はデータ更新間隔 20 ms でデータを取り出すことができます。サンプルを移動させながら計測することで、シートの厚み斑検出に必要な連続厚み値を計測することもできます。

※アナログ出力は出力機能オプション(CL-0110)、BCD出力はBCD出力機能オプション(CL-0120)が必要です。

本器を外部からコントロールすることが可能

製造・検査ライン等で自動計測するには、本器を外部からコントロールすることが必要になります。CL-5610 は、接点によるコントロール端子と RS-232C 端子を標準で装備していますので、PLC や PC から簡単にコントロールすることができます。

コンパレーター機能(CL-0110 出力機能オプション装着時)により、オンラインでの異常値監視に使用可能

測定サンプル例 

導体・半導体

絶縁体
シリコンウェハ、鋼板、アルミ板、ハードディスク、プリント基板、その他金属板などクリーンさを要求されるもの、軟らかいもの、鏡面仕上げ、キズのつきやすいもの。 ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどプラスチック類。
(全体が均一な性質の単一材料で構成される薄い物が測定対象となります。)

※上記の測定サンプルの他、中間的な材質、複合した材質の測定については、お問い合わせください。

測定方法

導体・半導体を測定する場合 絶縁体を測定する場合(オプション)


2つのセンサー と被測定物をセンサー測定範囲内で平行に設置し、このセンサー間隔(Gs)を CL-5610 シリーズに設定します。センサー A 、B 間に被測定物を挿入して、各々のセンサー~被測定物のギャップ(Ga、Gb)を測定して、厚さ(t)をもとめます。



センサーと導体(基準床)を平行に設置し、センサーのギャップ測定値(この時の電圧出力 Gs)を CL-5610 シリーズに設定します。センサーと導体(基準床)の間に被測定物を挿入すると、センサーの電圧出力は Ga となり、このセンサー電圧変化分と比誘電率 εr から厚さ(t)をもとめます。

※計測可能な絶縁体の厚みは、センサーと基準床間のGAP値の約1/3以下を目安としてください。

測定例

概略仕様

計測対象 導体、半導体、絶縁体 *1
*1 CL-0300 絶縁体測定機能オプションが必要です。
センサー入力 2チャンネル(A、B)静電容量式センサー
測定項目
  • 測定対象物の厚さ(導体、半導体、絶縁体<オプションCL-0300>)
  • センサー A と測定対象(導体、半導体)とのギャップ(A)
  • センサー B と測定対象(導体、半導体)とのギャップ(B)
  • A と B との差 (A - B)
表示モード
  • ABS:厚さまたはギャップを絶対値表示
  • Dev:基準値に対する変化量表示
  • 任意期間内(START中)の最大値(MAX)、最小値(MIN)、最大値−最小値(RANGE)
適合センサーと表示分解能 新型 VE シリーズ静電容量式ギャップディテクタとの組み合わせにより、次の表示分解能となります。

センサータイプ 測定範囲
(μm)
分解能(μm)
標準 CL-0200高分解能演算機能
オプション装着時
VE-2011 20~200 0.1 0.02
VE-5010 50~500
20~200*1
0.1 0.05/0.02*1
VE-5011
VE-1020 100~1000 0.1 0.1
VE-1021
VE-1520 150~1500 0.5 0.2
VE-3020 300~3000 1 0.5
VE-8020 800 ~8000 2 1
VE-8021

*1:VE-5010/5011 は、CL-0201 測定範囲変更オプションにより測定範囲を 20~200 μm に指定することができます。その際の高分解能オプション装着時の表示分解能は 0.02 μm となります。
※絶縁体計測の場合、測定範囲の約1/3の厚みを計測の目安としてください。
例)VE-1020を使用する場合、絶縁体の厚みは約350μm以下となります。

精度 ±0.15 %/F.S.(標準)
±0.12 %/F.S.(CL-0200高分解能演算機能オプション装着時<VE-8020/8021を除く>)
精度保証温度範囲 23℃ ± 2℃
表示部 蛍光表示管
測定結果の表示は1項目(大文字)/2項目(小文字)の切替可能
パラメータ設定 測定・演算に必要な各種パラメータはパネル面の各種キーを使用し、内部メモリーに設定します。これらの設定値はパワーオフメモリーにより電源を切っても記憶されます。
サンプリング時間 20 ms
アベレージング 移動平均:1~64 回
インタフェース RS-232C:本器のリモートコントロール、および計測データの取り込みが可能。DPU-414 プリンタ(別売)に印字可能
BCD 出力機能
(オプション:CL-0120)
計測結果を 6 桁パラレル BCD で出力
出力方式:オープンコレクタ出力
出力データ:GAP-A、GAP-B、THICK、A-B、DISP2 表示値から選択
データ更新時間:20 ms
接続ケーブル:AA-8207 (3 m、片側オープン)
リモート機能 外部から演算機能の開始/停止、厚さ校正などの操作可能

リモート端子 ピン配列と入力信号
A 電源供給 DC 5~24 Vを入力
・外部から DC 6 V 以上を供給する場合は、抵抗を挿入してください
B START START キーと同じ機能
C STOP 演算モードを停止します
D PAUSE PAUSE キーと同じ機能
E CALIB 登録されている測定対象物基準片データで校正
・導体測定時のみ有効となります
・測定対象物基準片の厚さは変更できません
F START STATUS 演算モードおよび演算中断モード時にアクティブに切り替わり
G +5V出力 +5 V(MAX:0.3 A)を出力
H COMMON 0 V を接続
※適合コネクタ:R03-PB8M(多治見無線製)
SYNC機能 CL-5610/CL-5610S を複数台並列同期運転可能(マスタ1台に対し2台まで)*1

電源 AC 100V~240V 50/60 Hz
使用環境(本体のみ) 温度:+23 ℃±2 ℃(精度保証範囲)、0 ℃~+40 ℃(使用範囲)
湿度:20~80 % R.H.(ただし結露しないこと)
外形寸法 210(W)×99(H)×275(D)mm(CL-5610/CL-5610S 本体 突起部含まず)
56(W)×42.4(H)122(D)mm(CL-5610S用 変換器 突起部含まず)
質量 約 4.2 kg(CL-5610/CL-5610S 本体)
約 0.5 kg ×2(CL-5610S用 変換器 CL-0420)
価格 CL-5610: (税込
CL-5610S: (税込

*1 SYNC機能を使用するには機器同士の調整が必要です。ご希望の場合は別途お問い合わせください。

オプション

CL-0110 出力機能(アナログ出力、コンパレーター出力)

アナログ出力 端子数:3(SENSOR A、SENSOR B、A-OUT)

●SENSOR A、SENSOR B
  出力項目 :SENSOR A および SENSOR B の GAP 値
(ギャップディテクタからのアナログ出力をそのまま出力)
  出力電圧 :5 V/F.S.(オフセット[-5~0 V]機能付き)
  出力精度 :±0.25 %/F.S.(精度保証は A、B それぞれ1つのセンサーに限られます)
  応答周波数:DC~4kHz

●A-OUT
  出力内容 :THICK、GAP A、GAP B、A-B より選択
  出力電圧 :-5~0~+5 V
  出力精度 :±0.25 %/F.S
  出力更新間隔:20 ms
コンパレーター機能 出力数:3(COMP1、COMP2、COMP3)
出力方式:オープンコレクタ出力
設定値:上限値、および下限値
モード:個別モード、および ALL モード

●個別モード:3つの独立したコンパレーターとして機能します

設定上限値(UPPER)<設定値または 設定下限値(LOWER)>設定値で コンパレーター接点出力がクローズになります。


●ALL モード:3つの出力に「上限オーバー」「OK(範囲内)」「下限オーバー」の機能が設定されます
価格 (税込

CL-0120 BCD出力機能

出力方式 6 桁パラレル BCD、オープンコレクタ出力
出力項目 THICK、GAP-A、GAP-B、A−B、DISP 2 より選択
更新間隔 20 ms
適合ケーブル AA-8207(3 m、片側オープン)
価格 (税込

CL-0200 高分解能演算機能オプション

CL-0200 高分解能演算機能オプションを組み込むことで VE センサーの分解能と直線性を高めます

価格 (税込

CL-0210 高インピーダンス接地モード機能

接地抵抗が大きな計測条件でも安定した計測が行えます

価格 (税込

CL-0300 絶縁体測定ソフトオプション

CL-0300 絶縁体測定ソフトオプションを組み込むことで CL-5610/CL-5610S で絶縁体の厚さ計測が可能となります

価格 (税込

CL-015 ウェハー用スライドテーブル 受注生産

CL-015 は、CL-5610/CL-5610S と VE センサー(保持部φ10) とを組み合わせて、シリコンウェハーなどの 半導体・導体ウェハーの厚さを非接触測定するための簡易型手動式スライドテーブルです。真空吸着ピンセットが使いやすいように、ウェハーを乗せる盤面に切り溝をつけてあります。

対象ウェハー 外径:100~150 mm 厚さ:0.1~1 mm
その他、200 mm、300 mm等 特注テーブル製作可能です。
価格 (税込

VE シリーズ静電容量式ギャップディテクタ

標準タイプ

型名 VE-5010 VE-1020 VE-1520 VE-3020 VE-8020
測定範囲(μm)※1 50~500 100~1000 150~1500 300~3000 800~8000
外形(mm)※2 φ6 φ8 φ10 φ20 φ40
ケーブル長 1.5m(ケーブル一体型) 別売 VL-1520/VL-1521 ケーブル(1.5m)
温度係数 k1=1.7×10-5、k2=3.4×10-5
使用温度範囲※3 0~+80 ℃
価格
(税込

(税込

(税込

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φ10mm 共通クランプ形状タイプ

型名 VE-2011 VE-5011 VE-1021 VE-3021
販売終了
VE-8021
測定範囲(μm)※1 20~ 200 50~500 100~1000 300~3000 800~8000
外形(mm)※2 φ3 φ6 φ8 φ20 φ40
ケーブル長 別売 VL-1520/VL-1521 ケーブル(1.5m)
温度係数 k1=1.7×10-5、k2=3.4×10-5
使用温度範囲※3 0~+80 ℃
価格
(税込

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(税込

(税込

(税込

※1 測定範囲とは、センサー端面から測定対象物までの最大ギャップを表わします。
※2 測定対象物の測定面は、センサー外径より大きい面積が必要になります。
※3 使用温度範囲とは、センサーとして動作可能な温度範囲であり、直線性が保証される温度範囲ではありません。
直線性を確保するためには+23 ℃±2 ℃の温度でご使用ください。

最終更新日:2021/01/11