周波数応答関数 |
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周波数応答関数(伝達関数)は、電気系や、構造物の振動伝達系などの入力と出力との関係を表したもので、入力のフーリエスペクトル と出力のフーリエスペクトル の比で表されます。 すなわち、周波数応答関数 は
本器では、上式右辺の分母、分子に の複素共役 をかけて、次式のように計算をしています。
分母の は のパワースペクトル、分子の は と のクロススペクトルです。このことから周波数応答関数 は入出力のクロススペクトルを入力のパワースペクトルで割算して求めることができます。 次の計算方法でも、周波数応答関数を推定することができます。
(2)式で推定される伝達関数を H1、(3)式で推定される伝達関数を H2 と呼びます。
出力信号 b (t ) に多くの外部雑音のある場合に、平均化によりランダムエラーを最小化可能 非線形系の場合、ランダム信号を使用して平均化により線形化可能(最小二乗近似)
入力信号 a (t ) に多くの外部雑音のある場合に、平均化によりランダムエラーを最小化可能 共振点にリーケージエラーが考えられる場合、バイアスエラーを少なくすることが可能
いま、真の伝達関数を とすると、入力と出力の両方に雑音が多い場合は、
の関係になります。(ただし、系は線形系であるとします。) また、位相に関しては、 とも同じくクロススペクトル の位相と等しくなります。 コヒレンス関数との関係は
となります。 は と との比となります。入出力のパワースペクトルの比(伝達特性)を とすると
ですから、
あるいは対数をとって
となります。すなわち、ととのゲインの対数値の平均は、周波数応答特性の対数値と等しくなります。 周波数応答関数は、ゲイン特性と位相特性で表されます。ゲイン特性は、系を信号が通過することによって振幅がどう変化するかを表すもので、X軸は周波数、Y軸は のデシベル(入力に対する出力の振幅比)で表示されます。また、位相特性は入力信号と出力信号との間での位相の進み、遅れを表すもので、X軸は周波数、Y軸は度またはラジアンで表示されます。 |
周波数分解能 |
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周波数分解能は、その時の周波数レンジを分析ライン数(解析データ長 ÷ 2.56)で割った値になります。例えば、周波数レンジが10 kHzでサンプル点数(解析データ長)が4096の時は、分析ライン数が1600ラインとなりますから、周波数分解能Δfは、6.25 Hz(=10000/1600)となります。 ズーム解析時での周波数分解能は、(周波数スパン)÷分析ライン数となります。 |
振幅確率分布関数 |
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変動する時間軸信号の瞬時値がある振幅レベル以下にある確率を表します。振幅確率分布関数は振幅確率密度関数を積分することにより求められます。 |
振幅確率密度関数 |
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振幅確率密度関数は、変動する信号が特定の振幅レベルに存在する確率を求めるもので、横軸は振幅(V)、縦軸は0から1で正規化されます。本ソフトでは振幅を電圧レンジの 1/512 に分解します。振幅確率密度関数から入力信号がどの振幅付近でどの程度の変動を起こしているかが解析でき、その形状による合否判定等に利用することができます。 |
ズーム機能 |
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通常のFFT 解析では、0から周波数レンジまでの範囲をライン数分(例えば 800ライン)解析しますが、任意の中心周波数で、ある周波数スパンで分析する機能がズーム機能です。この機能を使うことにより、高い周波数帯域でも、高周波数分解能(Δfが小さい)の分析が可能となります。このときデータの取り込み点数はズーム倍率分必要になるので、時間がかかります。 |
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自己相関関数と相互相関関数があります。 |