振動レベル計 よくあるご質問


振動レベル計 VR-6100 は、幅広い測定用途や種々の振動源に対する振動レベルの評価量を測定するため、振動レベルまたは振動加速度レベルの時間率レベル、パワー平均値、パワー合計値、最大値、最小値、波形ピーク値などの多様な評価量を3 軸分をまとめて演算することができます。各評価量の内容と量記号は次のとおりです。
■ 振動レベル( Lv )
振動加速度の実効値に対し振動レベル( Lv )は、JIS C1510-1995 に既定されている振動感覚補正特性(鉛直・水平)および動特性(630 msec )によって、人体の感覚に基づく補正をし、基準値(10-5 m/s2 )でレベル化して得られる値です。単位は( dB )で表わします。
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a:振動感覚補正を行った振動加速度の実効値
a0:基準値 10-5 m/s2 |
■ 振動加速度レベル( Lva )
振動加速度レベル( Lva )は、振動感覚補正をしないで(JIS C1510-1995平たん特性を使用)レベル化した値です。
■ 振動感覚補正特性の概要
振動に対する人体の感覚は周波数に依存しており、方向(鉛直・水平)によっても異なります。振動レベル計 VR-6100 は、JIS C1510-1995 にて既定されている周波数による振動感覚を補正する特性(鉛直特性、水平特性)、補正していない平たんの特性を用途に応じて切り替えることができます。 人体の振動感覚を補正して測定された値を振動レベルと、また補正せずに測定した値を振動加速度レベルとそれぞれ呼びます。 JIS C1510-1995 では、周波数範囲を 1 Hz ~ 80 Hz で既定されており、この範囲以外の振動を帯域制限しています。 しかし、振動レベル計 VR-6100 には、独自に用意された 1 Hz ~ 315 Hz の周波数帯域が平たんとなる特性を設定することもできるため、JIS C1510-1995 で規定された帯域外の周波数振動測定も可能です。 なお、各用途別の振動感覚補正は以下のとおりです。
| 振動感覚補正特性仕様 | ||
| Lv | 振動レベル | 振動感覚(鉛直・水平)特性 JIS C1510- 1995 |
| Lva | 振動加速度レベル | 振動感覚(平たん)特性 JIS C 1510- 1995 |
| LvF | - | 周波数範囲を広げた平たん特性 |
・帯域制限フィルタ
- (1) 遮断周波数 0.4 Hz 、2 次バターワース型ハイパスフィルタ(-12 dB/oct )
- (2) 遮断周波数 100 Hz 、4 次バターワース型ローパスフィルタ(-24 dB/oct)
- (3) 遮断周波数 355 Hz 、5 次チェビシェフ型ローパスフィルタ(-30 dB/oct)
なお、Lv および Lva では帯域制限フィルターの(1)および(2)により、またLvF では(1)」および(3)により、それぞれ帯域制限されています。
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【メモ】
- 一般的な公害や作業環境の振動測定は、通常 Lv により測定されます。
- Lva や LvF は、それぞれ周波数範囲 1 Hz ~ 80 Hz および 1 Hz ~ 315 Hz で振動加速度に比例した測定値を得ることができます。また、解析器を接続したり、オプションのリアルタイムオクターブ機能などを利用した周波数分析も可能です。
■ パワー平均レベル( Leq )
パワー平均レベル( Leq )とは、測定時間内の振動レベルが時間内に大きく変動する場合に、これと等しいエネルギーを持った定常振動の振動レベルまたは振動加速度レベルを表します。騒音計の等価騒音レベルに相当する評価量です。
■ パワー合計値( LE )
パワー合計値( LE )とは、測定時間内の振動と等しいエネルギーを持った継続時間 1 秒間の定常振動の振動レベル、または振動加速度レベルを表わします。騒音計の単発騒音暴露レベルに相当する評価量です。
■ 最大値( LMX )
最大値( LMX )とは、測定時間内にサンプリングされた振動レベルまたは振動加速度レベルの最大値です。JIS Z8735- 1981 振動レベルの測定方法では、指示値が周期的または間欠的に変動する場合に、変動毎の最大値を測定し、その平均を測定するように解説されています。
■ 最小値( LMN )
最小値( LMN )とは、測定時間内にサンプリングされた振動レベルまたは振動加速度レベルの最小値です。
■ 波形ピーク値( LPK )
波形ピーク値( LPK )とは、測定時間内に 1024 μs 毎にサンプリングされた振動波形の最大値をレベル化して表わしたものです。
■ 時間率レベル( LX )
時間率レベル( LX )とは、ある測定時間内に振動レベルが変動している場合、あるレベルを超えている時間が実測時間の x %を占めるとき、そのレベルを LX の量記号で表しています。 振動レベル計 VR-6100 では、 L05/ L10/L50/ L90/ L95 の5 種類の評価量の測定が可能です。また、JIS Z8735- 1981 振動レベルの測定方法では、指示値が不規則かつ大幅に変動する場合には、時間率レベルで測定することが解説されています。