初めに、概要を説明し、その後に測定手順を説明します。
■測定の概要
ブロックメモリーは、タイマー測定時に自動的にストアされたデータをストアするためのタイマー測定専用のメモリーです。
液晶画面のメモリーモード表示には B のマークが表示されています。タイマーを ON に、リアルタイムオクターブ表示 OFF
にそれぞれ設定した状態でタイマー測定を実行すると、各回の測定完了後、自動的に 3 軸分または任意の 1
軸を選択して、その演算値と演算時の測定条件をストアします。リアルタイムオクターブ機能(オプション)の場合も同様に可能ですが、この場合はリアルタイムメモリーに記憶されます。
ここではリアルタイム機能を使わない場合の測定手順を説明します。 なお、タイマー機能は省電力機能が付いています。
■ブロックメモリーについて
ブロックメモリーは 10 のブロックに分割されています。3軸または 1 軸の記憶選択ができます。各ブロックには、3
軸が選択されている場合には最大 480 組、1 軸が選択されている場合には最大 1440 組のデータをストアすることが可能です。
リコールしたデータは、パネルスイッチ[ L Leq LE ]/[ AXIS ]/[ LIST
]を押すことにより、多様な形式で演算各値を表示することができます。表示切替えに関しては「振動レベル測定と演算値の測定」の項を参照ください。
■ブロックメモリーへのデータのストア
ブロックメモリーは、タイマー測定と連動して次のようにデータをストアします。
- ブロックメモリーの初期化直後は、ブロック 0 のアドレス 0001 よりストアされます。
- ブロック 0 の全てのアドレスをストアしてもタイマー測定が継続されていれば、次のブロックのアドレス 0001
に続けたストアされます。任意のブロックを選択することはできません。
- 各ブロックのアドレスの途中までストアしタイマー測定を終了した場合には、そのブロックには続けてストアされません。そのため、新たにタイマー測定を開始した場合は、前回ストアしたブロックの、次のブロックのアドレス
0001 よりストアされます。
- 最後のブロックの、全てのアドレスまでデータをストアした場合は、メモリーがクリアされるまでストアは実行されません。ただし、タイマー測定のみは継続します。
<ご注意ください>
- パネルスイッチ操作では、ブロックメモリーへデータをストアできません。
- リアルタイムオクターブ表示時に実行したタイマー測定では、ブロックメモリーへのストアはできません。
- 前回のタイマー測定でブロック 9
までデータをストアした場合は、すでにストアされているブロックメモリーデータを消去しない限り、タイマー測定のみを実行し、測定したデータはストアしません。
- データが記憶されていないブロックの液晶のメモリーアドレスには、マーク「−−−−」が表示されます。
■省電力モード機能
タイマー測定は、省電力モード機能と連動しています。省電力モード機能とは、タイマー測定時に実測していない測定待ち時間の電力消費を抑える機能です。省電力モード中は、画面に
Sleep マークが表示されます。 省電力モードへは、タイマー測定の各実測の終了後、次の実測まで待ち時間が 1 分間以上あり、さらに 10
秒間キー操作がなかった場合に自動的に切り替わります。 ただし、RS232C マークが点灯している場合は、省電力モードへは切り替わりません。
また省電力モード時に、振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチを 3 秒間以上押し続けるか、または次回の実測開始の約 30
秒前には、自動的に通常の測定待ち状態へ復帰します。
■測定手順
1.ストア軸の選択
データメモリー設定可能状態の切替
- タイマー測定を OFF に、リアルタイムオクターブ表示をOFF にそれぞれ設定します。
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- メニューモード画面の表示
- パネルスイッチ[ MENU ]を押し、メニューモードに切り替えます。 メニューモードに切り替えるとメニュー画面が表示されます。
-
- DATA MEMORY のメニュ表示
- 最初に、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、メインメニューの設定項目[ 4.DATA MEMORY
]を点滅させた後、パネルスイッチ[ ENTER ]を押すと、[ 4.DATA MEMORY ]メニューに切り替わります。
-
- ブロックメモリーのストア軸を選択
- パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、設定項目[ 2.B AXIS ]を点滅させた後、パネルスイッチ[ ENTER
]を押すと、ブロックメモリーのストア軸選択の設定値が点滅します。 パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、X/Y/Z または
3 軸( XYZ )から設定する値を点滅させた後、パネルスイッチ[ ENTER ]を押すと、点滅表示が設定項目[ 2.B AXIS ]
の位置に戻ります。
-
- 設定した条件を確定
- パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、設定項目[ OK ] を点滅させた後パネルスイッチ[ ENTER
]を押します。[ OK 点滅中にパネルスイッチ[ ENTER
]を押すと、設定した条件を確定してメニュー画面に戻ります。またこのとき、パネルスイッチ[ MENU
]を押すと、設定した条件を確定した後、測定画面に直接切り替わります。 なお、設定した条件を確定しない場合は、[ CANCEL
]を点滅させた後パネルスイッチ[ ENTER ]を押します。
-
<ご注意ください>
- 軸選択はブロック単位で管理されています。そのため、新たにストアされるブロックに対してのみ有効になります。
- 演算中や内部校正信号出力中、あるいはメモリーリコール中は設定値の変更はできません。
2.タイマー機能の設定 ストア軸の選択に続き次のタイマー機能を起動します。
- タイマー測定設定画面( 5.TIMER )に切替え
- パネルスイッチ[ MENU ]を押し、メニューモードに切り替えます。 次に、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、[
5.TIMER ]を点滅させます。パネルスイッチ[ ENTER ]を押すと、測定時間設定画面( 5.TIMER )に切り替わります。
-
- 測定開始時刻( 1.START )の設定
- 測定時間設定画面上の[ 1.START ]を点滅させ[ ENTER ]を押すと、点滅が測定開始時間の設定項目(ここでは OFF
)に切り替わります。最初に、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、測定開始時間( OFF または時)を切り替えます。
次に、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し、分単位の設定を点滅させた後、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS
)を押し測定開始時間(分)を切り替えます。最後に、パネルスイッチ[ ENTER ]を押し設定した条件を確定します。 下図は測定開始時刻を 12:15
に設定した例です。
- パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し「分」の設定項目に点滅を移動させます。パネルスイッチ[<]または[>](
ADDRESS )を押し分を切り替えます。続けて、秒を設定します。パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS
)を押し「秒」の設定項目に点滅を移動させます。パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS )を押し日を切り替えます。最後に、パネルスイッチ[
ENTER ]を押し、時/分/秒の調整を完了します。
- 測定時間( 2.MEAS.T )の設定
- タイマー測定設定画面上の[ 2.MEAS.T ]を点滅させ[ ENTER ]を押すと、点滅が測定時間の設定項目(ここでは 000:00:00
)に切り替わります。 最初に、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS
)を押し、測定時間の時間単位を切り替えます。なお、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS
)を押すことにより、設定する桁数を移動させるることができます。 次に、点滅を(分)単位の桁に移動し、パネルスイッチ[<]または[>](
ADDRESS )を押し測定の単位(分)を切り替えます。 最後に、点滅を(秒)単位の桁に移動し、パネルスイッチ[<]または[>]( ADDRESS
)を押し測定の単位(秒)を切り替えます。 パネルスイッチ[ ENTER ]を押すと、設定した条件が確定します。 下図は、測定時間を 1 時間 15
分 15 秒( 001:15:15 )に設定した例です。
- 測定周期( 3.PERIOD )と全測定時間( 4.TOTAL )の設定
- (h)項の測定時間( 2.MEAS.T )と同じ手順で、測定周期( 3.PERIOD )と全測定時間( 4.TOTAL
)をそれぞれ設定します。 (j)項の図は、測定周期( 3.PERIOD )を 8 時間 00 分 00 秒( 008:00:00
)に、および全測定時間( 4.TOTAL )を 24 時間 00 分 00 秒( 0024:00:00 )に、それぞれ設定した例です。
-
- 設定したすべての条件を確定
- すべての条件の設定完了後、測定時間設定画面( 5.TIMER )上の[ OK ]に点滅を移動します。このとき、パネルスイッチ[ MENU
]を押すと、設定した条件を確定した後、測定画面にダイレクトに切り替わります。 パネルスイッチ[ ENTER ]を押すと、測定時間設定画面(
5.TIMER )上で設定したすべての条件が確定し、画面がメインメニューに戻ります。
3.タイマー測定手順 タイマー測定の条件設定後、次の手順でタイマー測定を実行します。
- タイマー測定をON に切替え
- 振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチ[ TIMER ]を押し、タイマー測定を ON に切り替えます。 タイマー測定が ON
に切り替わると、画面上にTIMER 測定 ON マークが表示されます。
-
- タイマー測定の開始
- 振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチ[ START ]を押すと、測定が待機中に切り替わり、画面上に測定待機中マークが表示されます。
振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチ[ START
]が押されてから、時計の時刻が設定時刻に最初に一致した時から測定を開始し、測定毎にブロックメモリーにデータが記憶されます。測定中は測定中マークが点滅します。
<ご注意ください>
- 振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチ[ START ]を押してから、測定開始時刻まで待ち時間が 30 秒以上あり、さらに 10
秒間パネルスイッチの操作がなかった場合は、自動的に省電力モードに切り替わります。
- 測定周期設定が 30 秒以上で、タイマー測定開始直後に振動レベル計 VR-6100 のパネルスイッチ[ PRINT ]を 0.5
秒以上押しつづけることにより、各測定の直後に、測定結果をプリンタから出力することができます。またこのとき、RS マークが点滅します。