MI-8100 指向性マイクロホンを SR-2200 センサーアンプと組み合わせて使用した場合に、SR-2200からの出力電圧（V）を音圧レベル（dB）に換算する方法を以下に説明します。
測定条件 MI-8100 感度：-30.41dB re. 1V/Pa at 1kHz（MI-8100
添付検査データより） |
SR-2200 センサーアンプの出力は音圧（Pa = パスカル）に比例した電圧値です。換算する音圧レベル（dB）は対数値となりますので、電圧値を音圧レベルへ換算するには電卓などを使用して対数計算を行います。
音圧レベル（dB）は実効値です。対して、MI-8100 指向性マイクロホンから SR-2200 センサーアンプ経由で出力される時間波形は瞬時値であり、実効値ではありません。従って、SR-2200 センサーアンプからの出力電圧を音圧レベル（dB）に換算した値はあくまで参考値となります。なお、SR-2200 センサーアンプからの電圧出力を FFT アナライザーで分析する場合は、FFT の Y 軸を dB 実効値表示とすることで、単位校正機能により音圧レベル（dB）で正しく表示させることが出来ます。
MI-8100 は指向性マイクロホンのため、騒音計（無指向性）等の無指向性マイクロホンを使用して測った音圧レベルとは値に差があります。
■ 換算の考え方
MI-8100 指向性マイクロホンを SR-2200 センサーアンプと組み合わせて使用した場合、出力電圧（V）から音圧レベル（dB）への換算は次の様に考えて行います。以下説明文中「Vr」の“r”は実効値の意味です。
MI-8100 指向性マイクロホン感度
MI-8100 の感度（-30.41dB re. 1 V/Pa at 1 kHz）は「周波数 1 kHz で音圧 1 Pa（音圧レベルで94 dB）のとき、出力電圧が -30.41 dBVr（電圧）」になることを意味します。
SR-2200 マイクアンプ出力電圧
SR-2200 のゲインを 20 dB に設定した場合、SR-2200 からの出力電圧は MI-8100 の出力電圧が 20 dB（10倍）増幅されるため、音圧 1 Pa（音圧レベルで94 dB）のときの出力電圧 -30.41 ＋ 20 dB = -10.41 dBVr の電圧が出力されます。
SR-2200 のゲインが 20 dB の場合、1 Pa 当たりの電圧は -10.41 dBVr ですので、これを電圧に直すと;
よって、1 kHz、1 Paのときの SR-2200 からの電圧出力は 0.301 Vr となります。
逆に、SR-2200 の出力電圧が 1 kHz で 0.0301 Vr のときの音圧レベル dB への換算は;
よって、SR-2200 の出力電圧が 1 kHz で 0.0301 Vr のときの音圧レベルは 74 dB となります。
以上を整理した計算式は SR-2200 のゲイン設定を G（dB）、出力電圧実効値を A（Vr）とすると;
(1)
■ 瞬時値と実効値
正弦波の場合、片振幅 Vと実効値 A（Vr）の関係は；
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(2) |
です。瞬時波形が正弦波であれば、式(1)より；
(3)
波形が正弦波の場合、波形から読み取った片振幅Vから、式(3)で換算して音圧レベルdB値を求めることができます。しかしながら、複雑な瞬時波形から読み取った電圧は実効値ではありませんので、音圧 レベル dB への換算は式(3)を当てはめ「式(3)から計算した参考値」とすることになります。
正確に SR-2200 からの出力電圧（V）を音圧レベル（dB）に換算するには FFTアナライザーを使用して解析されることをお勧めします。
