DS-0222トラッキング解析ソフトで、 トラッキング測定時の回転パルス数
設定を間違えて測定した、どうしたら良いか?

トラッキング解析を行う時、回転パルス数を間違えて設定すると、回転数(速度)の表示値が実際の回転数と違ってしまいます。これにより本来解析したかった注目次数は、設定次数と一致しません。 TRC ファイル(トラッキングデータ)や ORF ファイル(DS-0250 データ収録)で保存されているデータは変更できませんので、このデータを使って再度トラッキング解析を行うときは、本来解析したい次数を保存データに合うように換算した設定を行い、解析することになります。

 

例として、30 P/R のところ 20 P/R に設定し測定した TRC または ORF ファイルを読み出した後、本来「解析したい次数を1次、測定範囲を 1200 r/min ~ 3600 r/min」で解析する方法を説明します。

 

■ 操作手順


測定回転数と実際の回転数の関係

本来 1200 r/min で表示させるべきところ、1800 r/min と測定(表示)されるのは次式によります。

30 P/R 1200 r/min 時の入力信号周波数 Ho は;

Ho = 1200 r/min ÷ 60 s × 30 P/R = 600(Hz)

入力信号が 600 Hz のとき回転パルス数の設定を 20 P/R とすると、測定回転速度 R は;

R = 600 Hz ÷ 20 P/R × 60 s=1800(r/min)

以上をまとめると;

測定回転速度=実際の回転速度 × 30 ÷ 20
実際の回転速度=測定回転速度 × 20 ÷ 30

 

よって本来の測定範囲 1200 r/min ~ 3600 r/min は 1800 r/min ~ 5400 r/min と表示されるため、この値に設定します。

 

注目次数の換算

 

実際の回転数(速度)は測定回転数(速度)値の 20 ÷ 30 倍になっていますので、このことを考慮し設定次数を求める式は次式になります。

設定次数 = 注目次数 × 20 ÷ 30
(注目次数:解析したかった次数)

注目次数が1次の場合;

 

設定次数 = 1 × 20 ÷ 30 = 0.67

よって「トラッキング表示設定」の Line 設定は 0.67 ord に設定します。

 

なお、再解析したトラッキング表示画面の回転数(速度)や次数の表示は収録データのままとなりますので、注意ください。

 

間違った設定データから本来の測定をするには

 

メニューから[入力]⇒[トラッキング計測]を開いたダイアログの設定画面で上下限回転数(速度)を設定した様子を示します。

 

メニューから[データ表示]⇒[トラッキング表示設定]を開いたダイアログの設定画面で換算した次数 0.67(Peak Search on)に設定した様子を示します。

 

 

測定データ例

 

X軸、Y軸次数は前のデータのままで表示されますので、換算して読む必要があります。 なお次数 0.67 は分解能に乗っていないため、最近の次数 0.69 で表示されています。

 

 

 

【補足説明】

次数1を周波数で考えてみます。

 

間違った設定(20P/R)

 

回転数(速度)表示が 1200 r/min と間違った表示では、設定1次も間違った点を測定してしまいます。1200 r/min のときの1次の周波数は;

1200 ÷ 60 × 次数1 = 20 Hz

 

正しい設定(30P/R)

 

表示が 1200 r/min のときの正しい回転数(速度)は 800 r/min ですから、800 r/min のときの1次の周波数は

00 ÷ 60 × 次数1 = 約 13.3 Hz

本来の測定したい次数1を見るには、「13.3 Hz: 20 Hz = x:1次より x = 約 0.67 次」となりますので、この次数を見る必要があります。


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