水素燃料など次世代燃料やxEV(電動車)の開発にも貢献
角度軸信号計測ソフトウェア 「ExAngle(エクスアングル)」
~2023年12月20日(水)より発売開始~
2023年10月26日
電子計測器の製造および販売を展開する株式会社小野測器(本社:横浜市港北区、代表取締役社長 大越 祐史)は、内燃機関の燃焼解析が可能な「角度軸信号計測ソフトウェア ExAngle(エクスアングル)」※を12月20日(水)より発売開始します。
角度軸信号計測ソフトウェア ExAngle(エクスアングル)
当社は1976年に発売した「燃焼解析装置 CF-750」以来、内燃機関における燃焼解析の研究開発分野において、常に最先端をリードしてまいりました。今回の「ExAngle」は、2012年にリリースした「燃焼解析システム DS-3000シリーズ」の後継モデル。従来の「燃焼解析に特化した解析システム」から脱却し、エンジンの筒内圧力信号を必須条件とせず、回転角度の変化に同期した各種信号の計測・解析を行うことができます。
今回のリリースは燃焼解析アプリケーションのみを実装しておりますが、将来的には内燃機関に限らず、EVなど電動化されたパワートレインの計測・解析に使うことが可能となります。また2024年の改良モデルには、現在注目を浴びる水素エンジン対応も予定しております。
当社は本製品を市場投入することで、新たなモビリティ社会の実現とカーボンニュートラル達成へ貢献します。
※ExAngle専用DS-3000シリーズ(ハードウェア)とのセット販売
新製品2つのポイント
- 新機能「Non-Stop計測モード」によって、内燃機関の異常を常時監視
- 直感的な操作GUIで、計測・解析~レポート出力・報告まで、日々の業務作業を効率化
ターゲット市場
- HEV用エンジン開発(乗用車、トラック、農機など)
- カーボンニュートラル燃料や水素、アンモニアなど次世代燃料を活用したエンジン・発電機の開発
開発の背景
カーボンニュートラル社会の実現へ向け自動車産業では電動化が進む一方、内燃機関の高効率化や新燃料への対応も加速させるべき課題となっています。
今回新たにリリースする角度軸信号計測ソフトウェア「ExAngle」は、これまで燃焼解析システムの開発で培ってきた計測解析のノウハウを生かし、熱効率向上や新燃料開発、試験検証の自動化等の新しい要求に応えられる汎用性・拡張性に優れた高精度な「角度軸ベースの信号計測解析」を提供します。
正確な角度サンプリングによりエンジンやモーターなど回転体の1回転中の現象を詳細に捉え解析することで カーボンニュートラル社会の実現へ貢献します。
システム構成図
特長
- リリースの第1弾として燃焼解析アプリケーションをリリース。最大28chの信号を高速で正確に角度サンプリングしリアルタイムに解析、1サイクル内の現象を詳細に把握が可能。
計測ユニット構成(燃焼用高速AD:8ch、低速AD16ch、DA出力16ch、音響入力(100kHz帯域)2ch構成)
- 直感的な操作GUIで、計測・解析~レポート出力・報告まで、日々の業務作業を効率化。
計測・解析、レポート画面例
- 新機能「Non-Stop計測モード」によって、アイドリングストップやHEV車両のEV走行の切り替えがある試験条件においても、連続して燃焼解析が可能。1度の試験で複数回のエンジンの始動~停止を含む解析が可能となり、試験効率が向上。
Non-Stop計測モード
- 外部連携やカスタム演算など開発に役立つ機能を今後リリースしていく計画。新燃料に対応したリアルタイム同期計測・解析から報告書作成までの自動化を実現し、作業効率を向上。
製品概要
- 角度サンプリング分解能:0.05~1.0°、入力回転速度範囲:10~25,000 r/min(分解能に応じて変動)
- 計測データの統計処理:エンジンと燃料の各種パラメータを用いた従来の燃焼解析演算処理
- 異常現象の見逃しやデータの取りこぼしを無くすNon-Stop計測モード搭載
- 帳票作成が容易にできるキャンバス機能や実験時の指示の伝達に役立つ付箋機能を新たに搭載
- 通信(TCP/IP・CAN)指令による自動システム計測(OP)/任意設定できるカスタム演算(OP)
- 今後、異常燃焼の生じやすいカーボンニュートラル燃料やe-fuelなど新燃料への対応(2024年予定)など、順次新機能をリリース予定