建築物や自動車内など閉ざされた空間では、音の響きを最適にしたり、室内の騒音を低減するために、吸音性のある材料を壁や天井に利用します。また、吸音性のある材料を防音壁に利用する事もあります。 この時、対象とする周波数に対して優れた吸音性能を持つ等、適切な吸音率を持つ材料を利用することが重要です。この様な吸音率を測定する方法の一つに2マイクロホン法垂直入射吸音率があります。 2マイクロホン法垂直入射吸音率の測定は、音響インピーダンス管を用い、試料へ垂直に音波(平面波)を入射させて行います。音響インピーダンス管端に内蔵されたスピーカから放射した音波を、管内2点に設置されたマイクロホンで捉え、その伝達関数をリアルタイムに演算し、垂直入射吸音率・反射係数・規準化インピーダンスを算出します。 従来の定在波比法と比較すると、FFTをベースにしている為より細かい周波数のデータが計測できる、測定時間が短い、といった利点があります。
特長
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ISO 10534-2: 1998 |
「Acoustics - Determination of sound absorption coefficient and impedance in impedance tubes - Part 2: Transfer-function method」 |
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ASTM E 1050:1998 |
「Standard Test Method for Impedance and Absorption of Acoustical Materials Using a Tube, Two Microphones, and a Digital Frequency Analysis System」 |
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伝達関数計測による垂直入射吸音率/統計吸音率/複素反射係数/規準化インピーダンスの算出
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背後空気層を変更した2つの計測データによる特性インピーダンス/伝搬定数の算出
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1/1オクターブまたは1/3オクターブでの表示も可能
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リアルタイムに結果をグラフ表示
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複数データの重ね書き・平均表示など計測データの比較が容易
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測定結果はテキスト保存して2次処理が可能
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他のインピーダンス管を用いても、ソフトウェア上のパラメーター変更で使用が可能
測定システム例
機器構成
■ SR-4100 音響インピーダンス管
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長さ |
内径 |
測定周波数範囲 |
A管 |
835 mm |
100 Φ |
50 ~ 1.6 kHz |
B管 |
500 mm |
29 Φ |
500 ~ 6.4 kHz |
- A管、B管をそれぞれ専用とした事で個別に使用が可能
- スペーサリングを採用し、安定した試料の装填が可能
- 背後空気層も含め、試料の厚さが20cmを超える場合には、延長管を使用し、最大 40 cm まで測定可能
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データ例
■伝達関数

同一試料の背後空気層を変更して測 定した伝達関数の重ね書き |
■垂直入射吸音率①

伝達関数より垂直入射吸音率を算出し、重ね書き表示 |
■垂直入射吸音率②

垂直入射吸音率を1/3オクターブ表示した結果の重ね書き |
レポート例
仕様
出力信号タイプ |
スウェプトサイン波、擬似ランダムノイズ、ピュアランダムノイズ |
算出値 |
垂直入射吸音率、複素反射係数、規準化インピーダンス (比音響インピーダンス比)、統計吸音率、特性インピーダンス、 伝搬定数 |
作成グラフ |
上記算出値に加え、伝達関数、1/1オクターブまたは1/3 オクターブでの表示、複数データの重ね書き 等 |
その他 |
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