空間フィルタ式速度検出器の測定原理

イラスト(動作原理=空間フィルタ式速度検出器内部構造)

空間フィルタ式速度検出器は、路面や軌道上の小石・砂・アスファルトなど、さまざまな大きさの粒子やタイヤ跡による不規則な模様から、特定の反射ムラ (色ムラ、凹凸ムラなど) だけを抽出する、きわめて特殊なセンサーです。

 

具体的には路面の不規則な模様から、2.3 mm 間隔で整然と並んでいる成分だけを見つけて、それによって発生する反射光量の変動を、電気信号に変換し 速度計本体に送ります。
速度計本体では、この信号をバンドパス・フィルタに通して波形整形し、パルス列に変換して計数します。

 

従って信号は 2.3 mm 間隔の反射ムラから発生したものですから、特定時間中の計数値に 2.3 mm をかければ、速度および距離を求めることができます。

イラスト(動作原理=空間フィルタ動作原理)

ではなぜ 2.3 mm ごとの規則的な反射ムラだけが抽出できるのでしょうか。
路面上の表面模様は、対物レンズとスリットを通して、空間フィルタとして機能する「クシ型構造」の特殊受光素子上に結像されます。

さらに計測車輛が移動することにより、受光素子上で光の反射ムラが移動し、光電流変化が発生します。


格子の間隔ピッチに対して比較的小さな反射ムラや、大きな反射ムラは「クシ型構造」による平均化作用と、一対の素子系による差動効果によって、光電流の変化は、ほとんど打ち消されてしまいます。


ところが、これに対して格子ピッチにあった反射ムラ (2.3 mm 間隔) は、一対の素子それぞれに大き な光電流変化が生じ、そのうえ半位相ずれているため打ち消しあうこともありません。

つまり取り出された信号は素子構造と光学系で定まる特定の反射ムラ (2.3 mm 毎のムラ) だけを抽出することができるわけです。

 

また LC-2100 では、電気処理により空間フィルタから得られる検出信号に対し周波数シフトを与えることにより、正負方向の速度信号の抽出を可能にしています。

 

 

最終更新日:2012/8/20



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