図 (図1)を描いて説明するね。
まず、音が空気中から水面に入射して、そこで屈折して水の中を伝搬する場合を考えてみよう。
音は、音源(波源)に対して、波面が球面に広がる球面波なんだけど、音源が十分遠くにある場合や、波面の十分小さい部分で考えると、波面は平面(平面波)として考えられるんだ。
この図は、音が水面上の点Aに達してから、Aと同じ波面上にあった点Bが、水面上の点Cに達するまでの波の伝搬の様子を示している。 例えば、水の中の伝搬速度が空気中と同じなら、点Aは点Dに伝わり、屈折は起こらない。 実際は、水の中の音の伝搬速度は、空気中より速いから、点Bから点Cに進む間に長い距離を進むことになる。そして球面波として広がり、円と接線の関係があるので、図のように点Eに伝わることになるんだ。 」
そうだね。よく棒を水の中に入れると、折れ曲がって見えるよね。 光も音も波だから、同じように屈折の現象が起きるんだ。
ふーん。 屈折が媒質を伝わる波の速さの違いで生じるのはなんとなくわかったよ。 でも、津波が岬のところに波が集まって高くなるのと波の屈折はどう関係するの?
そうだね。その前に同じ媒質の中でも例えば空気中でも気温が大きく違うと速度が変わるから屈折現象が起きるように、水の中で波が進む速度が変わると屈折が起きるんだ。
津波の波が進むときの伝搬速度は、実は海底までの深さが影響するんだ。水深が浅いほど、津波の伝搬速度は遅くなるんだ。
なんとなくわかってきた。岬と海の深さが関係しているんだね。
地上の等高線と同じで、水面から海底まで同じ深さのところを結んだ線を等深線っていんだ。 岬の周辺の等深線を考えてみると、普通はこの図(図2)のように、舌状に張り出し形に合わせて等深線が引かれる地形だとすれば、横に引いた線Aの位置では岬の先端に近いとほど水深が浅いことになるだろう。 そこの波が進む速さは遅くなるから、屈折した波が集まることになるんだ。
なるほど良く分かったよ。 クラスの皆にも説明してあげよう。
・・・先生知っているかな!?