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周波数マスキング1

周波数マスキング1

おとくん 「おとうさん、前に音のマスク・・っていう話ししてくれたよね。今日、電車に乗っていて、地上を走っているときには、車内のアナウンスの声はよく聞こえていたのに、地下に入った途端に、良く聞き取れなくなったんだ。これって、その音のマスクのことなのかなって思ったんだけど・・」


お父さん 「そうだね、じゃ今日はマスキングの話しを少し詳しく教えてあげよう。ちょっと難しいかもしれないけどね・・。
おとが言った電車の社内のアナウンスが、地下に入って、聞こえ難くなったのは、電車の中の騒音レベルが高くなったからで、これも、マスキング現象といえるね。この現象は、人間の耳の構造に深い関わりがあるんだけど、2つの特徴があるんだよ。
身の回りには、キーンとした高い音やドーンという低い音まで、いろんな高さの音が存在しているけど、一つめの特徴は、その音の周波数、すなわち音の高低に関係するマスキングの現象なんだ。
ある高さの音があって、それより少し低い音があると、そのちょと低い音によって、もう一方の高い音の方が聞こえにくくなるんだよ。2つの音の高さが離れるとまた両方の音がきこえるようになるんだ。2つの音の大きさにもよるけどね。」


おとくん 「そのことと、人間の耳の構造とどんな関係があるの?」


お父さん 「耳の構造については理科で大まかに習っていると思うけど、耳の穴(外耳道)に入った音は、鼓膜を揺さぶって、鼓膜の振動は、中耳にある三つの小さな骨に伝わり、その後カタツムリのような形をした蝸牛(カギュウ)っていう骨に伝わるんだ。蝸牛から内耳になるんだけど、その内部はリンパ液という液体で満たされていて、蝸牛の出口まで基底膜という膜でつながっているんだよ。」

カギュウの出口


(図1)


おとくん 「蝸牛の出口からはどこへつながっているの?」


お父さん 「出口といったけど、本当は出口ではなくて、そこで塞がれているんだ。だから、蝸牛の入口に入った振動は、出口がないので、リンパ液を伝わって、基底膜を揺らすことで吸収されるんだけど、基底膜の蝸牛の入口に近いところは、高い音が入ってきたときに、遠いところは低い音が入ったときに、膜が揺れるんだよ。」


おとくん 「膜の揺れ方と、おとうさんが言った2つの音のうち高い音が低い音で消されてしまうのと関係があるの?」

お父さん 「いいところに気がついたね。おとの言うとおりで、膜の揺れ方が、音のマスキングに影響してるんだよ。ある音が入ったとき、膜の揺れ方が、入口に近いほうからゆれの幅が徐々に大きくなって、最も大きくなったところから急激に揺れが小さくなるんだよ。さっき言ったように、入口に近いのは高い音だろ。だから、音の高さがあまり離れてない2つの音が存在したとき、高いほうの音は、揺れが残っていてマスキングされてしまうということなんだよ。
基底膜には、有毛細胞があって基底膜の振動によって刺激されたさ細胞は、神経繊維を経由して脳に伝達され、最終的に聴感として音の情報が認識されるんだよ。」


(図2)

おとくん 「へぇー、音が耳に入ってから、耳の中でいろんな処理がされてるんだね。ちょと難しかったけど、マスキングが耳の中の構造に関係していることはわかったよ。
じゃ、もう一つの特徴は?」


お父さん 「さっき話したことは、音の高低による現象なので、周波数マスキングっていうんだけど、もう一つは、時間マスキングといって、2つの音の時間がずれて存在する場合に起こるマスキング現象があるんだ。これについは、また今度ね」

 






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