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音の回折

音の回折

おとくん 「おとうさん、昨日のディズニーランドの帰りに高速道路走って帰ってきたでしょ。そのとき、両側に壁があるところがあったけど、あれは自動車の騒音のためにつけてあるんでしょ?」


お父さん 「そうだよ。昨日は首都高速を走ったけど、自動車の騒音が、道路の周辺のビルや住宅へ影響するのを軽減するために、道路の端に防音壁を設置しているところがあるんだよ」


おとくん 「防音壁があるとどれぐらい効果があるの?」

お父さん
 「これは、難しい質問だね。じゃ、少しずつ説明してあげるね。防音壁を立てても、騒音はなくならないよね。防音壁がないと見えている自動車が、壁を立てて見えなくなっても、音は小さくなるけど聞こえてくるよね。こういうふうに、音が廻りこんでくる現象を「音の回折」っていうんだ。光は、障害物があると、その裏側に光は廻りこんでこないけど、音は障害物があっても、廻りこんでくるんだよ。」


おとくん 「太陽や蛍光灯の光を遮(さえぎ)ると、影がはっきりできるのと同じことでしょ。でも、なぜ、光は廻りこまないのに、音は廻りこむの?」


お父さん
 「実は、そこがポイントなんだよ。光も音も波だということは知っているよね。光は、音の 100万分の1ぐらいの波長なんだよ。光の波長は、1mm の 1000分の1より短いから、人間の身の回りにあるものの寸法に比べるとはるかに短いだろう。だから、物体にあたるとその裏側は影になるんだよ。髪の毛1本だと光も廻りこんで影は出来ないかもしれないけどね。」


おとくん 「じゃあ、音は 1000分 の1の 100万倍だと、1000mm だから、波長は 1m ってこと?」

お父さん 「波長が 1m の音の周波数は、約 300Hz で女性の声の平均的な周波数に相当する波長ということになるんだよ。人間が聴いたり見たりする音や光の波長は、それぞれ幅があるんだ。光は、1mm の 1000分の1 より短いって言ったけど、正確には可視光は、0.4〜0.8μm で、虹の7色といわれる赤から紫までがその間にある色ということになるんだ。音は、前に話したと思うけど、可聴音の周波数は、20Hz〜20kHz、これは、波長にすると 17mm 〜 17m になる。音は1秒間に 約340m 進むのは知ってるだろ? 1秒間に1回振動するのが 1Hz だから、1Hz の音の波長は、340m、10Hz だと 34m、10kHz だと 34mm といことになるんだよ。」


おとくん 「そうか、音の波長は長いから障害物があっても廻りこむんだね。」


お父さん 「そのとおり、ただ音は、光に比べれば波長は長いけど、短い波長、即ち、高い周波数の波長は、せいぜい数センチから数10センチだから、数メートルの寸法の防音壁だと光と同じように、防音壁の裏側は影になって、音は届いてこないんだ。」


おとくん 「なるほど、わかったよ。逆に低い周波数の音は数メートルあるから、壁の寸法より大きくなって、壁を乗り越えて裏側に廻りこむってことでしょ。」


お父さん 「そのとおり。だから、防音壁を設置しても、低いゴーという音はあまり低減されず、低音域の音に対しては、効果が少ないんだよ。ただ、自動車から発生する騒音は、普通、人間の耳の感度が一番いい 2kHz に山があるような周波数特性をしているんだよ。その当たりの周波数には、防音壁は効果があるから、高速道路のように大きな騒音が出て、廻りにビルや住宅があるところには、多く使われているんだ。防音壁を設計するときは、その場所での騒音の周波数特性を把握して、その特性に対して、ビルや住宅などの受音点で、防音壁の効果がでるように検討するんだよ。受音点での騒音レベルは、環境基準という国が定めた騒音規制で,ここまでに押さえることが望ましいという基準が決められているから、それを超えないための防音壁の設計が必要になるんだ」

 



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