さわり? 三味線のことはよくわからないけど、その 「さわり」 って何なの?
三味線は、3本の弦があるんだけど、最低音弦の1の糸だけ、上駒と呼ばれるギターでいうナットを通さずに、弦をわずかに棹に接触させて「ビーン」というノイズのような音を出させるものなんだ。三味線の特徴でもあって、この音は、三味線には欠かせない音なんだよ。
わかった! その 「ビーン」 という音を解析したんだね
そうなんだ。下の図(図1)がその結果なんだけど、変調周波数 140 Hz 辺りの変動成分が大きいことがわかるね。もう一つ、 この下の図(図2)
は、時間波形で、当然だけど 0.1秒 に 14個 のパルスが立っている。この音のファイルがあるから聴いてごらん。
図1
図2
※ ↓ 下記 再生ボタン( ▶ )を押すと音が出ます
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機械的な感じだけど、今のさわりの音ととても良く似てるね。
これは、前に聴いた 1kHz の連続的な音で変調周波数を 150Hz (サンプルの中で最もさわりの変調周波数に近いものを抽出)にした音なんだ。
三味線の音の周波数も 1kHz の帯域が大きくなっていることもあるけど、変調周波数が近いということで、これだけ、濁った感じ、粗い感じが似た音として感じられるということなんだね。
そうだね。機械の音の評価には使えると思うんだ。機械は普通一定のスピードで回転したり、上下に動いたりすることで、時間的に変動する音が発生するだろう。例えば、クルマの中で内装パネルがビリついたりすると、異音といってクレームになることが多いんだそうだよ。そういう異音の抽出に利用した例はあるそうだよ。
いろんなモーターの音とか、クーラーの音とか試してみたくなるね。