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ドップラー効果

ドップラー効果

おとくん 「お父さん,今日学校の理科の時間で,ドップラ効果について勉強したんだ。救急車が近づいてくるときと遠ざかるときで救急車のサイレンの音の高さが変わるってことは経験して知っているけど,どうしてそうなるかは先生が難しすぎるからって,教えてくれなかったんだ。」


お父さん 「音源が動いているときに,音の周波数が変化する現象をドップラ効果って言うんだけど,一番分かりやすい例が救急車のサイレンの音だね。例えば,救急車が,時速 60km/h で走っているとすると,秒速で考えると,60,000m/3,600秒 だから,救急車は1秒に,約 17m 進むことになるよね。 救急車が近づいてくるときは,同じ方向の波に追いつくことになり音は1秒に約 340m 進むから,5%(17/340)波が圧縮され,遠ざかるときは逆に 5%伸張されることになるから,周波数で 10% の違いが生じることになる。」


おとくん 「だからサイレンの音色が変わるんだね。」

お父さん
 「救急車のサイレン音のピ-ポ-は,確か 770Hz と 960Hz だから,音階でいうと ‘ソ’(783Hz) と ‘シ’(987Hz) に近い音なんだ。救急車が止まっているときにサイレンが鳴っているとすると,絶対音階を持っている人は,「ソーシーソーシ」って聴いているんだろうね。時速 60km で近づいてくると 5% が高くなることをさっき説明したけど,それはほぼ半音に相当するから,「ソ#−ド」って聴こえるのかな。」



おとくん 「じゃ,絶対音階を持っている人は,音を出しながら自分に近づいて,通り過ぎていくものがあると,その速度がわかるってことだよね。」


お父さん
 「原理的には‘おと’の言うとおりで,周波数の変化がわかれば速度が特定できるということだね。これは,音だけではなくて,光も同じことがいえるんだよ。
近づく光の波は圧縮されるので青っぽく見えて,遠ざかる速さが速いほど赤っぽく見えるんだ。光のドップラー効果によって光のスペクトルが赤い方へずれることを赤方偏移,青い方へずれることを青方偏移と呼んでいるんだよ。遠い銀河で赤方偏移が観測されたので宇宙が膨張していることがわかったんだよ。」


おとくん 「ドップラ効果って,救急車のサイレンの現象のことだけかと思っていたけど,宇宙の観測にも利用されているんだね。」

お父さん 「他にも興味深い話があるんだよ。超音波のドップラ効果を利用して,獲物を捕らえる動物がいることを知っているかい?」


おとくん 「音で判断するということは,目が見えていないということ?・・・・コウモリ?」


お父さん 「正解。コウモリの聴力はすごいんだ。約 60kHz の超音波のパルス波を,昆虫などのターゲットに当てて,距離や速度を観測するんだ。」


おとくん 「‘パルス’って?」


お父さん 「短い時間幅の波。コウモリの場合は,数 10 ミリ秒, 0.03 秒ぐらいの間発生する音を使うんだ。昆虫に近づくと,このパルスの時間幅を短くして,連続してパルスを発生させるんだよ。」


おとくん 「でも,パルスを当ててどうして距離や速度がわかるの?」


お父さん 「超音波がターゲットに当たって反射してくる波を捕らえることで,ターゲットとの距離や,速度方向,大きさ,表面の性質まで把握できるんだよ。」


おとくん 「そうか,反射波がかえってくる時間でターゲットとの距離を計算して,反射波のドップラ効果で速度を計算するんだね。ドップラ効果っておもしろいね。」


お父さん 「そうだね。自然科学としての興味もつきないけど,今話したような現象を利用して,産業面で幅広く応用されているんだよ」


 


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