アナログとディジタル

アナログとディジタル

お父さん

音の符号化の話をする前に、アナログとディジタルの違いを、時計を例にとって説明してあげるね。アナログ時計は、時間の経過を、針の連続的な回転でそのまま表現しているのに対し、ディジタル時計は、時間を「数字」によって表示しているよね。アナログ時計は針が連続的に移動するので、分と分の間の時刻も、針の位置を読み取ることで、ある程度判別出来るけど、ディジタル時計では、表示された値よりも細かい情報はわからない。秒まで表示されれば、瞬間的には、正確な時間がわかるけど、その一秒という時間の区切りの中にも、無限の瞬間があるわけで、それを全て数値で表現することはできないよね。連続的な現象をディジタルで表現するためには、ある間隔で区切って(サンプリング)、その区切られた部分毎に値を出し(量子化)、表示(符号化)するという一連の流れがあるんだよ。

おとくん

ふーん。ディジタルって言葉は、よく使うけど、連続している現象を、切り取った値のことを言うんだね。じゃ、音楽をディジタル録音するということも、連続して音が変化している様子を、サンプリングして、量子化して、符号化するということなんだね

お父さん

そうだね、音楽でアナログとディジタルというとレコードとCDの比較がわかりやすいね。レコードやカセットテープでは、音の波形そのままで記録されている。レコードは、エジソンが発明した蝋管に音波と同じ形状の波を溝の形できざみ、針で音を取り出すという仕組みと原理的にはまったく同じなんだ。CDは、音を記録する方法がまったく違うんだよ。さっきの時計のはなしにあったサンプリングの間隔は、約 23マイクロ秒、いいかえれば、1秒に 44100 回ということになるんだ。このサンプリング間隔は、再生したときの音の高さの上限を決めるもので、Xヘルツの周波数まで含む信号は、その2倍 (2X) 以上の細かさでサンプリングすればいんだよ。

おとくん

おとうさんが前に教えてくれたヒトが聴くことができる上限は、たしか 20000 ヘルツだったよね。ということは、CDには、ヒトが聴くことができる高さの音が全部はいっているということなの?

お父さん

その通り、一方のレコードは、サンプリングをしていないからすべての音が含まれていることになるんだよ。

おとくん

でも、普通は、CDのほうが、音がいいっていわれるけど、それはどうして?

お父さん

それはね、量子化、すなわちサンプリングした音を数値化するプロセスに秘密があるんだ。ちょっと絵を描いてみよう。もともとの音の波形がこんなふうにあるとするでしょ。(図1)これは連続しているからアナログの波形だね。これを、441000 ヘルツ(1秒に44100 回)でサンプリングする。(図2)そしてこれを量子化する。(図3)この量子化のときの波形の幅は、-32768(-2の15乗)~32767(2の15乗-1)の間の整数で表すんだ。よく 16 ビットとか 24 ビットとかダイナミックレンジとしてオーディオ機器のスペック(仕様)に書いてあるのを見たことがあるだろう。2進法の桁数で表したものがビットだから、CDの場合 2の16乗の幅があるので、16ビットということになるんだよ。

おとくん

それとCDがレコードより音がいいということとどんな関係があるの?

お父さん

音がいいかどうかは別にして、CDのほうがノイズが少ないだろう。16ビットのダイナミックレンジは、96デシベルという範囲になるから、ヒトの聴覚が扱う音の強さの範囲よりかは少し狭いけど、一般的に再生する音と、その環境の音(暗騒音)を考えれば、通常は十分な幅があって、ノイズは聴こえないといってもいいレベルなんだ。

おとくん

レコードの音って、僕は直接聴いたことがないけど、テレビでレコードを再生している音を放送したのを聴いたことがあるよ。ザーっていうノイズがはいっていたけど、それがCDとレコードの違いなんだね

お父さん

そうだね、レコードも、新品のときはいいけど、すこしでも傷があると、プチプチというノイズが入るんだよ。CDにはこれがないし、曲を飛ばしたり簡単にできるから便利だよね。でも、今でも、いわゆるアナログ派は、レコードに針を落とす動作そのものや、あの懐かしいノイズの入った音が気に入っていて、CDよりレコードのほうが音もいいんだっていう人もたくさんいるんだよ。音の良し悪しは、人間の好みの部分が大きいから、単純に周波数やレベルでははかれないんだね。

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