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トルク検出器ご使用の際のご注意(詳細)


カップリング、荷重について 

1.検出器の据付方法とカップリングの芯出し


通常の据付け

 通常は次のように据付けしてください。


 


変動荷重が掛かる場合の据付け

 変動荷重が掛かる場合の据付けとは、芯出しが充分でないか、またはカップリングのアンバランスが大きいときなど、変動荷重が掛かる場合の据付けに相当します。
次のように、軸受けを入れて変動荷重を押さえると、トルク検出器にはトルクのみが伝達します。


 


垂直に取付ける場合

 垂直に取り付ける場合は、検出器に掛かるスラスト荷重をカップリングの質量以下にしてください。


 

ベルト掛けの禁止

 次のように、トルク検出器の軸端に直接ベルトを掛けると、測定誤差が大きくなるだけでなく、寿命の短縮原因にもなります。絶対に避けてください。


 

カップリングの芯出し精度

 カップリングの芯出し精度は、使用する回転速度やカップリングの形式等により異なります。目安として 0.05 mm(T.I.R)以内を設定してください。
バネ定数の関係で芯ずれによって生じる荷重が大きい場合には、許容寸法内であっても、極力精度の良い芯出しをする必要があります。
また、カップリングから異常音が発生する場合は、再度芯合わせをし音が出ないように調整してください。高速回転になるに従い芯出し精度を上げるよう注意してください。

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2.カップリングのはめあい

 カップリングの「はめあい」についての詳細は、次のとおりです

□ 軸端にカップリングする場合は 「しまりばめ」 とする 「すきまばめ」 にすると軸端部に腐蝕が生じ、強度および機械寸法に変化が生じて破損の原因になります。

□ 通常 「しめしろ」 は軸端径 D に対して5/10000*D を目安とする “しまりばめ" と “キー" の併用。

「はめあい」 面には二硫化モリブデンなどの潤滑剤を塗ること。

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3.回転速度とカップリング質量およびスラスト荷重

 使用する最高回転速度によって検出器に取り付け可能なカップリングの質量が決まります。
次のグラフを参考に、最高回転速度に応じたカップリング質量を決定してください。なお、スラスト荷重は、カップリング質量程度としてください。


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取扱注意事項について 

1.トルク検出器の架台についての注意事項

 □ 架台は、使用回転速度内に固有振動数を持たない物をご用意してください。
また、固有振動数に達しない場合であっても、振動変位が増加するため、充分な剛性を持たせてください。

 □ 架台は、基礎が堅固な常盤などに取り付けるようにしてください。

 □ 架台の許容振動値は、30 μm(p-p) 以内としてください。

 □ トルク検出器を設置する架台は、必ず大地接地してください。

 

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2.トルク検出器に及ぼす磁気の影響について

 トルク検出器と負荷装置を連結する場合、連結する負荷装置から磁力線が強く出ていると、トルク検出器内の磁気回路に影響を及ぼす恐れがあります。
磁気の影響を受けると、検出器の出力電圧が低下し、計測を実行できなくなることがあります。
磁気からの影響を防止するには、カップリングのところで磁力線を遮断するか、またはカバーなどを被せることにより、外部からの磁力線が検出器内部に入り込まないような処置を施してください。
磁気は、特に小容量トルクに対して大きな影響を及ぼします。小容量のトルク検出器使用には、ご注意ください。

 

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3.高速回転用トルク検出器について

 トルク検出器を 6000 r/min 以上で使用する場合には、スムーズに回転させるため、カップリングの動バランスにご注意ください。また、必ず安全防護カバーを設置してください。

 

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4.弊社トルク検出器を用いたシステムの安全対策について

 お客様が弊社トルク検出器を用いてシステムアッセンブルをされる場合は、トルク検出器が正常に動作している場合に出力される READY OUT 接点出力を使用し、安全対策を行った上で運用をお願いします。
トルク演算表示器のリアパネルコネクタから出力している READY OUT 接点出力は、 トルク計測が正常の場合にクローズします。この接点信号をシーケンスに取り込み運転開始時の条件とすることで安全に運転か開始できます。
また、 READY OUT がオープンになった時にインターロックとすることで、トルク検出器に異常が発生した場合でも、システムを安全に停止し、被害の拡大を防ぐことができます。

 

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5.使用初期の油漏れについて

 トルク検出器内部に使用しているベアリングのグリースに含まれている基油がトルク検出器の隙間から外観に漏れだすことがありますが、性能に影響はありません。
初期使用段階に多く漏れる傾向がありますが、使用を継続することで漏れる量は減少します。

 

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保守、点検について

1.グリースの寿命について

 トルク検出器は、外部からグリースを補給するための注入用出入口を設けていません。
これは、グリースガンなどを使用しグリースを注入すると、グリースの撹拌により摩擦熱が大きくなり、トルク検出器の性能に悪影響を与えることがあるためです。
通常使用されるグリースはマルテンプSRL 号(協同油脂製)です。軸受温度が 70 ℃ 以下のときのグリース補給間隔を運転時間で示すと、おおよそ次の図のようになります。
軸受温度が 70 ℃ 以上のときは、軸受温度が 15 ℃ 上昇するごとにグリースの補給間隔を半減させる必要があります。
こうした理由により、トルク検出器はグリースの補給無しで長時間使用できるものと判断し、グリー スのための特別な挿入口および出口は設けておりません。低温域では軸受グリースが固くなり損失トルクが増加します。

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2.トルク検出器の異常音について

 トルク検出器からの発生する代表的な異常音には、次の3 つのケースが想定されます。異常の発生は、安全上の大きな問題に発展する恐れがあります。必ず次に記載した対策を取ってください。

□ トルク検出器から発生した異常音には、軸受けからの音とカップリングからの音の、2つのケースが考えられます。

□ カップリングから発生する異常音には、芯出しが十分でないことが考えられます。芯出し作業をやり直してください。

□ トーションバ軸受けから発生する異常音には、トーションバを交換しなければなりません。

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3.トルク検出器の分解と組立について

トルク検出器の分解や組み立ては、当社にて施工することが原則です。

○ トルク検出器を、特に理由なく分解した場合には、保証の適応を受けることができなくなります。ご注意ください。

○ トルク検出器の分解や改造は、故障の原因となることはもちろん、最悪の場合には修理不能となる恐れもあります。トルク検出器の分解や改造は、必ずお買い求めの当社代理店またはお近くの当社営業所までご相 談ください。

 


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