収録した騒音計やマイクロホンからの音データをオースコープベーシックを使って音圧レベルとして表示する方法

操作方法
解析用音データの収録

 

1. 機器の設定

-1. DR-7100 入力条件設定について

 

V_RNG(電圧レンジ)は初期設定が 1 V ですので、騒音計の AC 出力を考えると「3.16 V」もしくは「10 V」レンジとしてください(安全を見るなら 10 V、精度を取るなら 3.16 V)。小野測器の定電流プリアンプ付1/2 インチマイクロホンで音データを収録する場合には、予想される音圧レベルが 94 dB 以下であれば 0.1 V、114 dB 以下であれば 1 V、それ以上であれば 10 V レンジを目安として電圧レンジを設定してください。

 

HPF(ハイパスフィルター)/LPF(ローパスフィルター)はどちらも初期設定のまま(OFF)と してください。 SAMP_RNG(サンプリング周波数)は初期設定のまま(20 kHz、AC)とし、SAMP_MODは「FFT」「AUDIO」どちらの設定でもかまいません。INPUT(入力形式)は、収録センサーが騒音計であれば AC に、定電流プリアンプ付マイクロホンであれば CCLD としてください。

 

-2. 騒音計の設定

騒音計から出力する音データは周波数重み付けを付けない状態で、DR-7100 に収録することをお勧めします。

 

LA1410/1440/4440、LA-2560/3560/3570 といった機種を使用する場合、騒音計の音圧表示は周波数重み付け有り、AC 出力端子からの信号に対しては周波数重み付け無しという設定にすることが可能ですが、騒音計のレンジオーバーを監視するうえから、表示も周波数重み付け無しに設定することをお勧めします。
DR-7100 に収録する前に、収録を予定している音を騒音計で計測し、設定したレベルレンジで騒音計のレンジオーバーエラーが起こらないか確認し、レンジオーバーが発生する場合は適切なレベルレンジに設定し直してください。なお、収録を予定している音に再現性が無く、レベルレンジの調整が出来ない場合などには、ワイドレンジの御使用をお勧めします。

 

2. 校正信号データの収録

-1. 騒音計で音の収録をおこなう場合

音データの収録をおこなう前に、校正信号データの収録をおこないます。騒音計と DR-7100 の設定は上記「機器の設定」を参照してください。騒音計の AC-OUT 端子を DR-7100 に接続します。

 

● 騒音計の内部校正信号を使用する場合
騒音計の「CAL」ボタンを押して、校正信号を出力し、DR-7100 に収録します。データの長さは 10 s 程度あれば充分です。実際の音データ収録時と「校正信号」収録時は、騒音計を同一のレベルレンジとしてください。複数のレベルレンジで収録をおこなう場合には、レベルレンジを変更する毎に「校正 信号」を収録してください。「校正信号」収録時には騒音計の表示値を必ず記録しておいてください。また、同じレベルレンジで計測した音データはどれであるのかも記録しておいてください。

 

● 音響校正器を使用する場合
音響校正器を使用してマイクロホンから校正信号を入力し、騒音計の出力信号を DR-7100 に収録します。実際の音データ収録時と「校正信号」収録時は、騒音計を同一のレベルレンジとしてください。複数のレベルレンジで収録をおこなう場合には、レベルレンジを変更する毎に「校正 信号」を収録してください。「校正信号」収録時には音響校正器に記された音圧値を必ず記録しておいてください。また、同じレベルレンジで計測した音データはどれであるのかも記録しておいてください。

 

● 定電流プリアンプ付マイクロホンを使って音を収録する場合
音データの収録をおこなう前に、「校正信号」の収録をおこないます。マイクロホンと DR-7100 の設定は上記「機器の設定」を参照してください。音響校正器を使用してマイクロホンから校正信号を入力し、出力信号を DR-7100 に収録します。「校正 信号」収録時には音響校正器に記された音圧値を必ず記録しておいてください。

 

3. 音データの収録

騒音計もしくは定電流タイププリアンプ付マイクロホンを使って DR-7100 に音データを収録します。騒音計でのデータ収録時には、レベルレンジに注意してください。騒音計を使って、あるレベルレンジで音データの収録をおこなった場合、必ず同じレベルレンジで校正信号を収録してください 。

 

オースコープベーシックを使った校正値の計算

DR-7100 に収録した校正信号データをオースコープベーシックにインポートし、音圧 1 Pa あたりの電圧値を求めます。

 

校正信号の電圧値を求める
校正信号データに対して実効値演算をおこない、実効値が安定した位置で大きさを読み取ります。このときの読み取り値「x dB」は「1 Vrms を基準(0 dB)としたとき、今の信号の大きさが “x  dBVrm s” である」ということを示しています。ここから、実効値 「x dB」の時、デシベルを使わない表現での電圧値は、10(x/20)Vrms となります。

 

*校正信号データに対して実効値演算をおこなうときには、周波数重み付けは「Z 特性(FLAT)」としてください。

 

● 校正信号の Pa 値を求める
騒音計に表示された校正値や音圧校正器に表示された値が何 Pa に当たるかを求めます。騒音計の表示値は「音圧 20 × 10(-6)Pa を基準としたときの音圧レベル」を示しています。騒音計に表示された校正値や音圧校正器に表示された値を 「a dB」とすると、そのときの音圧は 10((a-b)/20)Pa となります〈b は音圧 1 Pa 時の音圧レベル = 20 log(1/(20 × 10(-6)))= 93.9794です〉 。 

 

V/EU(1 Pa が、何 Vに当たるか)を求めます
上で求めた電圧値を Pa 値で割ります。V / Pa = 10((x-a+93.9794)/20)

 

計算例

騒音計の内部信号を使っての校正時、騒音計の表示値が 104.0 dB、オースコープ上での校正信号の実効値が -9.031 dBVrms とすると

 

音圧は 3.1698実効値電圧は 0.35355 校正値(V / Pa)は 0.1115  V/Pa  となります。

 

 

オースコープベーシックを使ったファイル情報の変更

 

オースコープベーシックに収録された音データに校正値を設定することで、音圧・音圧レベルを 読み取ることが可能になります。

 

校正値の変更
「データ編集」内の「チャンネル設定」を開きます。音データの「信号タイプ」を「音圧レベル」に変更します(音圧レベルを計算するときの基準値が 20 × 10(-6) Pa であるため)先ほど計算した校正値を「チャンネル設定」内の「1/EU」に書き込みます(先の例に従うなら 0.1115)

この設定変更後、音データを Pa 単位で読み取れます。また、実効値演算をおこなうこと で、音圧レベル(dB)として読み取ることが可能になります。

 

校正信号データの「チャンネル設定」を開き、「信号タイプ」を「音圧レベル」に、計算した校正値を「1/EU」に書き込みます。この設定変更後、音データに対して実効値演算をおこない、記録した校正値と同じ音圧レベル(dB)となっていれば、計算が正しかったことを確認できます。

 

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