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関連する取説の章 |
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時間軸波形の読み方について |
X軸は周波数レンジ×2.56倍のサンプリング周波数でAD変換された2048点のデータを表示します。
X軸表示時間 Tは T=2048÷(周波数レンジ)÷2.56 (秒)
の波形が表示されます。
この2048個のサンプルデータよりFFT変換しスペクトル表示をします。
スペクトルのY軸は入力波形の周波数ごとの振幅電圧(実効値)を現します。
(2項参照) |
2.7.1基本的解析機能 |
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時間軸波形とパワースペクトルの関係について
フーリエ展開とは何か |
周波数レンジ×2.56倍のサンプリング周波数でAD変換された2048点が時間軸に表示され、そのデータからフーリエ展開(フーリエ変換)し、フーリエスペクトル(sin、cosの係数の対)を求めます。
言いかえると、フーリエ級数で表すためにそのsin、cosの係数→フーリエ係数→フーリエスペクトルを求めます。
フーリエ級数は
f(t)=A0+Σ{Ainωi+Bicosωi}
ωi:2π×(各周波数 f)
フーリエスペクトルは
概念的にはX軸にcosの係数値Biを実数部(リアルパート Re)に、Y軸にsinの係数値Aiを虚数部(イマジナリパート
Im)としてベクトルで現すことができます。
この値はフーリエスペクトルと言われ、パワースペクトルを表示後REAL釦、IMAG釦をonすると画面に表示されます。
パワースペクトルVrは
フーリエスペクトルの大きさとして求めます。
Vi=√{Re2+Im2}
{ }内は√の中を示します。
また位相は次式から求めています。
tanΘ=Im÷Re
また
Ai・sinωi+Bi・cosωi=Vi・cos(ωi+Θ)
と変換できますからf(t)は各周波数ωiの、cos波形の合成されたものと考えられます。
(CF5200シリーズではViは初期値では実効値の表示です)
Y軸LinのときはViをそのまま表示しますが、Y軸Logにすると
Pi=10LOG(Vi)2
Piを求め、この値を表示します。
Viの2乗を取っていますので、一般的にパワースペクトルはLog表示のデータを指します。
また、FFTはサンプル数2048点では周波数レンジの800等分の分解能で表示されます。
よって、パワースペクトル表示画面ではX軸0Hz~周波数レンジまで801データ分が表示されます。
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3.6解析データ長の設定と分解能 |
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(1)dBVrを電圧に換算するとどうなるか
(2)時間軸波形から振幅読取りdBに換算するとどうなるか |
(1)dBVr=10LOG{Vrms/(基準)}2=20LOG(Vrms)
基準は実行値1Vrms
Vrms=10dbVr/20
(2)時間波形はいろいろな周波数の合成になっているので波形ピークからdB計算するのは注意が必要です。
計算は P-P=1.39mVとすると
片振幅( 0-P)では0.695mV よって(1)と同様に
dBV=20LOG(0.695×10−3)
基準は片振幅1V
但し周波数は不明 |
4.3.1スペクトルのY軸単位 |
4 |
サンプリング点数と周波数分解能の関係は |
データ長2048点のときは周波数分解能は1/800(800等分),データ長1024点では1/400(400等分)になります。
データ長と分解能の関係は
2048÷2.56=800
1024÷2.56=400 |
3.6.1解析データ長
3.6.2分解能 |
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FFTの基本的操作方法に付いて |
時間軸波形,パワースペクトル,周波数レンジ,Y軸単位等について取説第2章を参照ください。 |
2.概要 |
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時間軸波形のP-P値と次数スペクトルのオーバーオールのP-P値が合わない |
時間波形のピークはいろいろな周波数成分の合成です。
FFTした結果のオーバーオール値と時間波形のピーク値とは基本的には一致しません。 |
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7 |
時間軸波形、パワースペクトル、オーバーオール値、について |
2、10項
および騒音計との校正の章を参照ください
オーバーオールはFFT分析された各周波数のパワースペクトル(Y軸値)の積和です。時間軸上の2乗平均に一いたします。
ローパスフィルター(アンチエリアシングフィルター)が掛かっていますので、周波数レンジ以上の成分はカットされます。
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3.5アンチエリアシングフィルター
3.6解析データ長の設定と分解能 |
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ACカップリングのカットオフ周波数はどうなっているか |
0.5Hz/-3dBになります。
1Hzでの減衰はほとんどありません。 |
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FFTの平均をとっているが1回の測定時間はいくらか |
演算時間はおよそ25ms,表示400ms程掛かります。データ長,オーバラップ,表示画面数等設定条件で変わります。
平均回数を大きくして測定時間を実測し、1回当たりの時間を計算して確認してください。
オーバラップ量,非表示機能を参照ください。 |
3.12オーバラップ量の設定
3.13処理時間の短縮 |
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オーバーオール値とは
パーシャルオーバーオール値とは
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オーバーオール(略称
OA)はFFT分析された全周波数のパワー値(Y軸値)の積和です。
ローパスフィルターが掛かっていますので周波数レンジ以上の成分はカットされますのでご注意ください。
はじめに、
画面にはデータ長2048(初期設定)のとき、周波数レンジに対し800等分された、0Hz+800=801個のスペクトルが表示されます。
i=0~800
Vi=i番目のスペクトルの電圧振幅
とすると画面に表示された個々のスペクトルの値は
(1)Log表示では (Y軸がdB表示のとき)
Pi=10LOG(Vi)2
(2)Lin表示では(Y軸がVr表示のとき)
√(Vi)2=Vi
のPi、Viが表示されています。
オーバーオールの計算は
(3)Y軸がLogの時
P0:DC成分のY軸値(dB) Pi:i番目のY軸値(dB)
とすると
(OA)=10LOG{(10P0/10+--+10Pi/10+10P800/10)Hf}
Hf:ウインドウ補正
レクタングラでは 1
ハニングでは 2/3
(例) Pi=30、50,---40 (dB) とすると
(Y軸dB表示のとき読み取れる値)
(OA)=10LOG{(1030/10+1050/10+--+1040/10)Hf}
(4)Y軸がLINの時
V0:DC成分のY軸値
Vi :i番目のY軸値
(Vr) とすると
(OA)LIN=√{(V02+--+Vi2+V8002)Hf}
注 { }内はルートの中になります
(例)0.1、0.3、---0.4 (V)とすると
(OA)LIN=√{(0.12+0.32+−−−+0.42)Hf}
Pi、Viを任意の範囲で計算するとパーシャルオーバーオールになります。
時間領域で考えると2048個のデータの2乗平均値に一いたします。 |
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