計測画面 計測画面

回転検出器

Rotation Detector

技術と信頼で“安全” を支える
~回転検出器~

設計担当である松木と製造担当の谷山に、回転検出器について、そして新製品の磁電式回転検出器 MP-9810について直撃した。回転検出器はなぜ産業に欠かせない存在なのだろうか?

回転検出器とはどんな製品ですか?
松木

本製品は、回転している物体の回転速度を計測するセンサーです。当社で扱うセンサーには大きく分けて磁気式と光学式があり、物体に歯車や反射シール等を取り付けて計測を行います。主に回転体の監視に使用されることが多く、設備が安定して稼働しているかといった安全管理や、お客様の装置に組み込まれて回転速度の監視・制御を行うセンサーとして活躍しています。本センサーは計測機器の中でも低価格で決して目立つ存在ではありませんが、回転体を多数扱う産業界においては非常に重要な役割を担っています

技術本部 計測技術ラボリーダー松木氏と製造ブロック 計測器製造グループ係長谷山氏の対談風景

右:技術本部 計測技術ラボ リーダー 松木
左:製造ブロック 計測器製造グループ 係長 谷山

これまで設計を担当されて良かったことや苦労したことはありますか?
松木

本センサーはどれもライフサイクルが長く、長年磁気式の代表機種を務めてきたMP-981は約50年ほど生産を続けています
長きにわたり安定供給を維持し続けていくことは簡単なようで実は苦労も多く、部品等に変更があっても量産品に影響が出ないよう日々地道な創意工夫を重ね、また設計者も代替わりしていく中で技術伝承をしっかりと行うよう意識しています。一方で良かったこととしては、本センサーの開発経験を通じ、視野が広がったと感じることです。計測機器は仕様・性能といった数値上のスペックが重要な指標ではありますが、“どれだけ壊れにくいか”“どれだけお客様に安心して使用し続けていただけるか”といった耐久性・信頼性等の大切さも実感し、スペック以外の付加価値の重要性を学びました

製造に関してはいかがでしょうか?
谷山

本センサーは、“回転体の監視”という安全面で非常に重要な役割を担いつつも、厳しい環境で使用されることも多い製品です。そのような環境においてもトラブルを起こさないよう、高品質な製品の安定供給を心掛け、日々製造者のスキルアップや不良品を出さない現場づくりに取り組んでいます。センサーは製造工程での作り込みが品質に影響するため大変だと感じることもありますが、担当者同士で声を掛け合い工夫しています

私はもう40年ほど本センサーの製造に携わっていますが、長年継続してお使いいただいているお客様もいらっしゃいます。当社センサーへの信頼を感じ嬉しくなりますね

センサー製造工程での回転体監視装置の製作風景
2024年は新機種が発売されましたね
松木

2024年4月に、MP-981の後継機として磁電式回転検出器 MP-9810を発売しました。長年、前機種を使用し続けていただいたお客様でも問題なく置き換えられるよう、前機種との互換性は保ちつつも耐環境性を向上させています。今後も安心して使用し続けていただけるだけでなく、これまで以上に多様な環境・計測シーンに貢献できることを期待しています