レーザードップラー振動計の測定レンジは周波数、速度、加速度、変位の4つのパラメーターの換算表となっています。
レーザードップラー振動計はその測定原理から、対象物の振動速度を検出します。このため、測定レンジは縦軸を速度、横軸を周波数として、基本的にはこの2つのパラメーターで測定可能エリアが形成されます。ただし、速度と周波数がわかれば微分することにより加速度、積分することにより変位としての測定が可能です。このため測定レンジ上では速度と周波数よりもとめた交点を右斜め下にたどっていくことにより微分値である加速度、右斜め上にたどっていくことにより積分値である変位がわかるようになっています。なお実際に加速度・変位はFFTアナライザー等の微積分演算を用いることにより簡単に求めることができます。なお、振動は往復運動となりますので、測定レンジは振動の片振幅であらわしています。
例:
LV シリーズを使用して対象物の振動を測定したとき速度は10 mm/s(電圧より換算)周波数は1kHz(FFTアナライザー等により計算)であったとします。いずれも測定レンジより測定可能範囲内にあり、換算により加速度は約63 m/s 2―約6.4G―(加速度=速度×2πf)変位は約1.6μm ということがわかります。(変位=速度/2πf)なお、いずれも振動の片振幅あたりの数値となります。
※Z軸のみベクトル演算器を介さずに出力させた場合、測定レンジは使用するレーザードップラー振動計と同等になります。
最終更新日:2012/05/23