<トラッキングとは>
エンジンやコンプレッサー等、低回転から高回転まで幅広い回転速度の範囲をカバーしなくてはならない回転機にとっては、回転速度とその回転機を構成する各コンポーネント(回転軸、ギア、ブラケット等の部品)のもつ固有振動数との共振が最も重要な問題になります。大型発電機等のねじり振動の場合、共振が許容応力を超える大きな励振エネルギーを生み出し、破壊を招く大事故にもなりかねません。回転機がある回転速度で振動を起こし、どのコンポーネントから振動や騒音が発生しているのか、または回転速度の何次(何倍)の成分から振動や騒音が発生しているのかを見極めるのに有効なのが、回転 −トラッキング解析です。 下図に見られるように回転 −スペクトラム線図(スペクトラムの三次元)は回転速度の変化に対する周波数(次数)スペクトラムの変化を把握する図表です。それに対して、ある特定の回転速度において、回転の何次の成分からどれ位の騒音・振動が発生しているのか、2次元グラフで示すのが回転 −トラッキング分析(次数トラッキング分析)です。

 
※ 回転次数とは基本とする回転を1次とし、n 倍の回転成分を n 次と定義します。X 軸が次数、Y 軸が振幅のデータ解析を回転次数比分析と言います。回転次数比分析を行なうには基本とする回転の信号情報が必要です。
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