メールマガジンバックナンバー

66号 2007年03月22日発行

小野測器                       2007年03月22日発行
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ONOSOKKI -- info channel 3月号                          第66号
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 お知らせ
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■2007年 春季音響・振動技術セミナー

 ご好評頂いている音響・振動技術セミナーBコース「FFTアナライザーに
 よる振動解析」の追加開催が決定し、申し込み受付を開始いたしました。

 Bコース~振動の基礎、振動計測・解析の基本の解説~
  FFTアナライザーによる振動解析の基礎 2007年6月7日(木)横浜会場

 Cコース「音響測定の基礎」は未だ余裕がございますので、受講を
 ご検討いただいている皆様、お早めにお申し込みください。

 Cコース~音の性質、測定の規格、騒音測定の解説~
   音響測定の基礎 2007年3月30日(金)横浜会場
   音響測定の基礎 2007年4月24日(火)大阪会場
   音響測定の基礎 2007年5月31日(木)横浜会場

○参加費用:お一人  \25,000(税別)
 ※昼食は、ご用意しております。交通費は自己負担でお願いいたします。
  お申し込み状況はホームページ上でご連絡いたしております。
 <コース概要と申し込み>
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/seminar/seminar.htm

○セミナーに関してのお問い合わせ先
 SV開発センター 企画・販促グループ
 担当:小澤、幡(はた)
 e-mail:ds2000_supportonosokki.co.jp
 tel:045-935-3866 fax:045-935-3927

■加速度ピックアップ外観・特長分類一覧図

 加速度ピックアップを外観・特長別に1ページに記載した一覧図を用意
 いたしました。この一覧図で絞り込んで、最終的に製品 サービスページで
 確認いただく、そんな使い方を想定しています。ご利用ください。

../../../products/category/vib_relate.htm

 

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 アプリケーション e-見積
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 アプリケーションe-見積では、計測の対象や使い方用途・目的に
 合わせて必要とされるセンサーと表示器の組合せシステム構成をアプリ
 ケーションとして分かり易くご提案するとともに、そのアプリケー
 ションを構成する機器の概算見積がわかるように構成しております。
 回転速度、寸法変位、トルク、騒音計、振動計 があります。

■「トルク計」編を新規に追加

 アプリケーションe-見積「トルク計」6例

 -風力発電用羽根のトルク(エネルギー効率)測定
 -インラインでの締め付けトルク検査
 -拡販トルク特性測定
 -OA機器、携帯電話などのヒンジトルク特性評価
 -小型精密モーターのトルク特性測定
 -歯車の耐久試験

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/estimate/torque/index.htm

■VR-6100振動レベル計のアプリケーション6例を追加

 測定周波数範囲 0.7~355 Hz、低周波振動から機械装置の振動まで幅広い
 測定が可能なVR-6100振動レベル計を使用したアプリケーションを追加し
 ました。

  -半導体工場の床振動測定
  -大型プレス機械の周辺振動測定
  -幹線道路近隣の道路振動測定
  -除振台の除振効果測定
  -大型建機の走行試験における周辺振動測定
  -半導体工場の床振動分析

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/estimate/vc/index.htm

 

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 製品 サービス
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■NP-0081N10 TEDSアダプタ【新製品】

 TEDS非対応のプリアンプ内蔵型加速度ピックアップの感度情報や校正情報
 を本アダプタに書き込み記憶させることで、TEDS対応品と同等機能を付加
 することが出来ます。TEDS対応計測機器と組み合わせ使用します。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/soundvib/np0081n10.html

 

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 よく受ける質問と回答FAQ
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■MIシリーズマイクロホン関連FAQカテゴリ新設

 ○MI-1531マイクロホンとSR-2200マイクロホンアンプとを組み合わせた
  場合の測定可能周波数

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/mi_series/mi_faq.htm

■FAQにAUシリーズ信号処理アンプユニットを追加

 ○簡易操作手順書3種(PDF)をアップ

  -AU-2100アンプでTEDS 未対応加速度ピックアップを使う場合
  -音響校正器を使ってマイクロホンとAU-2200アンプを校正する
  -マイクロホンとプリアンプの感度データからAU-2200アンプを校正する

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/np_ps/np_psfaq.htm#au

■HT-3100、HT-4100ハンドタコメータFAQ項目追加

 ○反射マーク(HT-011)(特長、温度範囲、購入方法)

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/tach/tachfaq.htm

■デジタルゲージ関連FAQ項目追加

 ○AA-8103 BCDケーブルの信号配線(DG-4000シリーズ - RQ-1410間)

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/gage/gagefaq.htm

 

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 新着カタログ・資料
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 PDFカタログ(新規)を掲載しました。

 ○アプリケーションノート(センサー編)
  寸法変位、回転速度、トルク、環境騒音/環境振動、振動計測の代表的
  なアプリケーションを冊子にまとめています。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html

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 計測コラム
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 「波形とFFT−4」

4.位相を cos と sin で表す(実部・虚部)

 今までは cos 波、sin 波を見てきました。この波形を観測すると周波数 f が
 一定で、t=0 の時点で位相差があります。この位相差を【初期位相】と
 言いますが、この位相を表す方法を今回は考えてみましょう。
 結論を先に言えば、
 「観測される波形 Kcos(2πft+θ)はAcos2πf+Bsin2πf として振幅 A、B で
 表される」ということです。sin 波も同様に表せます。
 これがわかるとフーリエ級数そしてその先のパワースペクトルがぐーんと
 近づいてきます。

 cos、sin は円運動をしている球体の影の時間経過を描いたものとして習い
 ました。これを図1に示します。

 図1
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_03_22add.htm

 cos、sin は図1の波形を記号で表したものですから、数式に cos、sin がでて
 きましたらこの波形を思い描き、数式をことばに置き換えて理解していき
 ましょう。
 早速ですが、三角関数の基本公式の1つに

   cos(a+b)=cosa cosb−sina sinb         ・・・(1)

 があります。
 位相 θ、振幅 K、周波数 f の cos 波を式(1)に代入してみます。

     a=2πft、 b=θ(初期位相)

 とすると、

  Kcos(2πft+θ)=K{cosθcos2πft−sinθsin2πft}

 ここで sin θ、cos θ は定数ですから、Kcosθ=A、Ksinθ=B と置くと

  Kcos(2πft+θ)=Acos2πft−Bsin2πft      ・・・(2)
    tanθ=sinθ/cosθ=B/A、         ・・・(2')
    A=Kcosθ、 B=Ksinθ
    A^2+B^2=K^2*{(cosθ)^2+(sinθ)^2}=K^2  ・・・(2")

 式(2)の左辺は観測される波形です。よって式(2)は
 「観測される波形(この場合は初期位相 θ  のある cos 波です)は、
 cos の振幅 A と sin の振幅 B で表すことができる」ことがわかりました。
 余裕があれば右辺と左辺をそれぞれ計算して同じになることを確かめて
 みてください。
 逆に A、B がわかると、実際に観測される波形の cos の振幅K、位相 θ を
 求めることがでます。
 図2は t=0のときの K、θ、と A,B の関係を図示したものです。

 図2
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_03_22add.htm#mark2

 実際「FFTアナライザーは周波数fの A と B を求めている」のです。
 そして A、B は A+jB と複素数で表示され、A を【実部(Real part)】、B を
 【虚部(Imaginary part)】といい、測定画面ではそれぞれイニシャル
 をとり Real、Imag の文字を表示しています。実部と虚部は【複素フーリエ
 スペクトル】、略して【フーリエスペクトル】といいます。
 いきなり複素数になってしまいましたが、式(2)の A、B と同じで表現を変え
 て表したものです。実部は cos の項、虚部は sin の項と考えるとわかり
 やすいでしょう。
 求められた A と B からさらに計算で実際の波形の振幅 K【Mag】と位相 θ
 【Phase】を求めることができますが、これはフーリエスペクトルの表示
 方法の1つといえます。
 さらに、K の代わりに K^2 に注目し「信号量の2乗の次元を持った量」を
 【パワー】と称し、K^2 は周波数fの【パワースペクトル】といいます。
 パワースペクトルは一般的に対数を取って 10LogK^2、または平方根を
 とって √K^2(=K)で表示されます。√K^2 はパワースペクトルのリニア
 表示といいます。

 図3は任意の振幅の 100Hz の cos 波を DS2000 シリーズでトリガ機能をかけて
 測定し、Real、Imag、K、θ、10LogK^2を表示した画面を示します。
 データの相互の関連も計算しています。また複素数のことも補足説明しま
 したので参考ください。

 図3
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_03_22add.htm#mark3

 表示データを保存するときパワースペクトルの保存をよく行いますが、
 これは K^2 のデータが保存されます。よって再生されたパワースペクトル
 K^2 からは A、B、位相 θ が求まりませんので式(2)で時間波形に戻すことが
 できません。フーリエスペクトルでは A、B が保存されます。
 測定画面で表示される「Mag」でもパワースペクトルとフーリエスペクトル
 では保存データに違いが発生することに注意が必要です。

 ポイント

 (1) 観測される波形 Kcos(2πft+θ) は
   「Acos2πft+Bsin2πft」で表せる。

   Kcos(2πft+θ)=Acos2πft+Bsin2πft
     K^2=A^2+B^2、  tanθ=B/A

 (2) FFTアナライザーは周波数 f の A、B を求めている。

 

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http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/backcontents.htm

 

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◆◇◆編集後記◆◇◆
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 航空機の胴体着陸のニュース映像はまるで映画の一シーンのように見て
 しまった。レンタルビデオは最近数話にわたるものが多くて、見るのに
 長時間かかり、つい見過ぎてしまう。ビデオを見ていると、いつしか映像
 の中にいる自分、時には登場人物の中に自分が移入していることにふと
 気がつく。アクションものは緊迫感があって怪我が当たり前、でもこちら
 は痛みは感じない。テレビ番組もクイズなど視聴者参加型が多くなり、
 ますます画面の中へ入り込まされる。対話はもっぱら画面としていること
 が多いかも知れない。ニュースも画面の中のこと、現実なのか仮想なのか
 とにかく実感がなく判断感覚が麻痺してしまいそう。
 先日は縁がないと思っていたインフルエンザにかかり、熱と関節痛で
 うなされ、薬をもらってニュースを思い出した。現実から遊離しないよう
 そして「ねじ1本事故のもと」気をつけなくっちゃ。

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      編集責任者   野田 幸治
     発行責任者   今泉 八郎

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