メールマガジンバックナンバー & 計測コラム
メールマガジンバックナンバー
64号 2007年01月26日発行
小野測器 2007年01月26日発行--------------------------------------------------------------------
ONO SOKKI -- info channel 1月号 第64号
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迎春
今年も、ホームページとの連携の元、一層の有効情報の発信を心がけて
ゆく所存です。ご愛顧の程、何卒よろしくお願いいたします。
(お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)
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お知らせ
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■XN-8000シリーズアプリケーションソフトウェア無償バージョンアップ
2006年12月20日付け Ver. 2.0.1.9へバージョンアップすることが出来
ます。本バージョンアップに伴う不具合修正リストも公開しております。
なお、閲覧・ダウンロードにはXN-8000シリーズのユーザー登録が必要です。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/registration/newregistration.htm
■2007年度上期展示会予定表
本年度上期(1月~6月)開催の出展展示会予定表をアップしました。
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よく受ける質問と回答FAQ
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■XN-8000シリーズレポライザページにFAQ1項目を追加
○「オフライン解析とオンライン解析でパワースペクトル加算平均結果が
異なるのは、何故?」
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/xn8000/xn8000_26.htm
■回転計関連FAQに7項目を追加
○TM-2100シリーズ回転計と各種検出器との組み合わせ設定例
-歯車の歯数60枚をMP-9100で検出し、回転速度○○○○r/minで表示
-歯車の歯数60枚をMP-981で検出し、 回転速度○○○○r/minで表示
-反射シールを1枚をLG-916で検出し、回転速度○○○○r/minで表示
-反射シールを1枚をLG-930で検出し、回転速度○○○○r/minで表示
-RP-704ZA-100P/Rと接続し、ライン速度○○○.○m/minで表示
-RP-721-120P/Rと接続し、 ライン速度○○○.○m/minで表示
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/tach/tachfaq.htm
○TM-2130のアナログ出力に関する設定方法
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/tach/tm2130analog.htm
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取扱説明書ダウンロード
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○加速度検出器取扱説明書4種
(NP-3130、NP-3131、NP-3412/3414、NP-7310)
○VX-1100 加速度ピックアップ用簡易感度校正器取扱説明書
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/manual.htm#4.3
○PS-1300 3チャンネルセンサーアンプ取扱説明書
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/manual.htm#4.4
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DWG/PDF外観図サービスページ
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○OM-1200ガソリンエンジン回転検出器
○VP-1210/1220ガソリン/ディーゼル両用検出器
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/vehicle.htm#8
<外観図トップページ>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/overallview.htm
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計測コラム
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「波形とFFT−2」
2.時間差と位相
前号でトリガとsin波の話がありましたので、これに関連する【位相】に
ついて取り上げます。
2つの信号があるとこの信号間の【時間遅れ】が注目されます。
この例としてロータリーエンコーダの波形を取り上げます。
ロータリーエンコーダは信号1と信号2は【位相差90度】の信号といわれ
る2つの【パルス信号】のほかに、信号Zまたは【Z信号】といわれる
1回転1パルスの信号も出力されます。信号1は【A相】、信号2は【B相】
とも言われています。
ロータリーエンコーダの構造
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/encoder.htm
簡単な実験として電ドルにRP-405ZA-500P/R型ロータリーエンコーダを
取り付け、一定回転させた状態からモーターの電源を切って減速して
いくときの信号の様子を次に示します。これは、前半はZ信号でトリガ
をかけトリガポジションを-512にして測定した波形ですが、最後は
1回転しないで停止しますので信号1にトリガを変えて測定した波形を
つないで表示しています。
RP-405ZA-500P/Rの信号1、2は1回転500パルスの信号と信号Zを出力
します。
ロータリーエンコーダの波形
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/rp705za_viewlet_swf.html
時計回り【CW:clockwise】のときのときの波形例を図1に示します。
信号1が立ち上がった後、少し時間が遅れて信号2が立ち上がって
います。この時間遅れを信号1(または信号2)の1周期で考えると、
およそ1/4周期の遅れがあります。回転体の軸の1回転を360度という
ように、電気信号でも1周期を360度と規定し、1周期のどの位置かを
【電気角】で表します。よって1/4周期は90度となり、ロータリー
エンコーダの信号1、2は「90度位相差の信号」と言われます。
位相は【タイミング】に注目した用語です。
図1
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_01_26add.htm#mark1
ロータリーエンコーダが反時計回り【CCW:counterclockwise】の時は、
構造図のスリット円盤が逆回転になるので、図1の波形で考えると経過
時間が右端から始まり左端が20msとなる波形になります。図2はCCWの
ときの波形です。
図2
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_01_26add.htm#mark2
信号2に比べ信号1が先行する(信号1がハイレベルの状態で信号2が立ち
上がる)とCWに回転していることがわかり、信号1に比べ信号2が先行する
とCCWに回転していることがわかり、信号1、2の位相関係から回転方向が
判別できます。
ロータリーエンコーダのパルス数を360P/R(Pulse/Revolution)のもの
を使用すると、軸が1度回ると1パルスが出力されますから、ある時点から
のパルス数を数えると何度回転したかわかります。製造ラインのローラー
にロータリーエンコーダをつけるとローラーの周長より1パルスは何mmに
当たるかわかり、長さの測定ができます。そしてCWの時を+にカウントし、
CCWの時を−にカウントすることで、正転逆転しても現在位置を知ることが
できます。これを応用したものとしてリニアゲージがあります。
リニアゲージの構造図
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/gage.htm
ロータリーエンコーダの信号1(または信号2)は連続したパルス波形で
このような波形を【方形波】といいます。方形波は1周期に対する
パルス幅の占有率を【デューティ比】として表わします。
デューティ比は占有率の代わりに、ハイレベルとローレベルの比を
とり「デューティ比は1:1」のようによくいわれます。
軸の回転速度により1周期の時間は変わりますが、このデューティ比は
変わりませんので方形波の性質を表す用語として使われます。
図3:デューティ比
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_01_26add.htm#mark3
横道にそれてしまいましたが、ではFFTアナライザーでこの位相差はどの
ように表示されるでしょうか。信号1と信号2の位相差を測定するには、
周波数応答関数の位相表示を行います。そして【基本周波数】の位相差を
読み取ります。図4はCWのときの信号1を基準にした信号2の位相差を表示
しています。
図4:パワースペクトルと周波数応答関数(位相)
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/07_01_26add.htm#mark4
図4のパワースペクトルを見ると基本周波数600Hzとその整数倍の
【高調波】(2倍、3倍、・・の周波数の成分)があります。
基本周波数は注目波形の1周期の時間Tの逆数です。第2高調波は基本周波
数の2倍の周波数をいいます。sin波では基本周波数しかありませんが、
方形波や、デューティ比が1:1でない方形波、【三角波】など波形に
よって高調波の振幅が変わります。
周波数応答関数の位相表示は「信号1の基本周波数600Hzのsin波に比べ、
信号2の基本周波数600Hzのsin波は94度遅れている」と読み取ることが
できます。位相(Phase)データの全体を見ると複雑なデータになって
います。パワースペクトルのピークでない部分は本来信号成分が無い
ということになります。その部分は機器の持つ微小ノイズなどで求め
られた位相差を表示していますので、無意味なデータのため無視する
など読み取りに注意が必要です。
位相表示の場合、周波数によって1周期の時間が違います。
600Hzの位相差-90度と1200Hzの位相差-90度は同じ-90度でも600Hzでは
時間差に直すと0.4ms(=1÷600×90÷360)、1200Hzでは0.2msと時間差
でいうと違う値になることに注意しましょう。
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◆◇◆編集後記◆◇◆
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2007年問題といわれてきましたが、とうとうその年が始まりました。
世の中どのような変化が生じるのでしょう。その1つ、退職金制度では
すでに確定拠出年金制度へ移行した会社も多々あることと思います。
インターネットで退職資産の管理、それも自己責任での運用とのこと、
今までは情報収集の一方向の利用でしたが、双方向のネット社会真っ只中
に仲間入りします。ネットは10年ほどまえに始まったばかりでしょう?
ITの革新は日進月歩、ネットの無い社会へ後戻りすることはもうありえ
ない。ただ、この文明の利器を使って新サービスについていけるかどうか
弱気が頭を通りすぎていきます。
おっと確かに計測器もITの塊のようなもの、わかりやすい計測器創りに、
心の通じ合うコミュニケーションに猪突猛進がんばらなくては。
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発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
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編集責任者 野田 幸治
発行責任者 今泉 八郎
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