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40号 2005年1月20日発行

 小野測器                     2005年1月20日発行
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ONOSOKKI -- info channel                                      第40号
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  迎春

 新年を向かえ、皆様のご健康ご多幸をお祈り申し上げます。
 今年も、昨年以上にホームページとの連携の元、一層の有効情報の発信
 を心がけてゆく所存です。ご愛顧の程、何卒よろしくお願いいたします。

********************1月のコンテンツ ******************************

▼お知らせ

 ○2005年春季音響・振動技術セミナー参加者募集&受付開始
 ○2005年上期開催展示会予定表

▼製品紹介動画ビデオ(wmv)

 ○XN-8000シリーズ計測処理用ソフトウェア「レポライザ」

▼DXF/PDF外観図サービスページ

 ○AG-3305 騒音計用マイクロホン延長ケーブル

▼新着カタログ・資料

 ○振動・音響コンパレーター
   (VC-2100/3100+CF-4200A)
 ○高精度燃料流量計
   (FP/FX/FZシリーズ検出器+FMシリーズ表示器)
 ○DS-2000シリーズ サーボアナライザー

▼計測コラム

 「振動解析 -12 「伝達関数よもやま話−8

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   (お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)

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◆◇◆お知らせ◆◇◆
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 ■2005年春季音響・振動技術セミナー参加者募集&受付開始

  皆様にご好評を頂いている音響・振動技術セミナーの春季開催日程が
  決定しました。1/21日ホームページ上に掲載すると同時に、参加者募
  集を開始いたします。なお、今回Aコース並びにBコースは同一の内容
  で2回開催いたします。

    3月11日 「FFTアナライザーによる振動解析」(Bコース)
    3月23日 「FFTアナライザーによる振動解析」(Bコース)
    4月 6日 「FFTアナライザーの基礎と実習」 (Aコース)
    4月27日 「FFTアナライザーの基礎と実習」 (Aコース)
    5月20日 「騒音測定の基礎」 (Cコース)

    会 場: 小野測器本社(横浜)
    参加費用: お一人\25,000
    お申込み: 下記より(ホームページ上からオンライン)

  https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/seminar/seminar.htm

  募集を開始いたしますと、毎回短期間で定員に達しております。
  お申し込みはお早めに。
  なお、秋季は名古屋・大阪地区での開催を予定しております。

 ■2005年上期開催展示会予定表

  05年1月~6月展示会出展予定表を掲載しました。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/Exhibition.html

 

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◆◇◆製品紹介動画ビデオ◆◇◆
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 ■XN-8000シリーズ計測処理用ソフトウェア「レポライザ」

  Repolyzerの先進的な優位性や有効性はテキスト+静止画ベースでは十
  分にお伝えすることが難しいため、音声付き動画 (Windows Media
  Player版)を追加いたしました。お使いのインターネット環境に合わせ
  2種のデータから選択、ご覧頂けます(音声付きですのでボリュームに
  ご注意ください)。ブロードバンド環境で有れば、高画質の314kb/sでス
  トリーミング映像をご覧頂けます。もし、ストリーミングで再生いただ
  けない場合は、ダウンロード用ファイルもご用意しておりますので、マ
  ウスの右クリックで対象ファイルを保存でダウンロード後ご覧ください。
  なお、この動画でお伝えできるのは、全体の一部でしか有りません。
  Repolyzerは、他にも数々の斬新な機能や使い勝手が多くあります。
  ご興味をお持ちでしたらお近くの営業所へ声を掛けていただければ、お
  伺いして、より詳しいデモをさせていただけます。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/others/repolyzer.htm

 

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◆◇◆DXF/PDF外観図サービスページ◆◇◆
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 ■AG-3305 騒音計用マイクロホン延長ケーブルを追加

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/sv_products.htm

 <外観図トップページ>

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/overallview.htm

 

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◆◇◆新着カタログ・資料◆◇◆
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 今月のPDFカタログは改訂3種

 ■音響振動関連

  -振動・音響コンパレーター (VC-2100/3100+CF-4200A)

 ■ソフトウェア関連

  -DS-2000シリーズ サーボアナライザー

 ■自動車関連

  -高精度燃料流量計(FP/FX/FZシリーズ検出器+FMシリーズ表示器)

 <PDFカタログトップページ>

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html

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◆◇◆計測コラム◆◇◆
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 振動解析 -12 「伝達関数よもやま話−8」

 ■固有モードとモード解析

 先回までの話しを復習のつもりで整理してみました。長松昭男先生著の
 「モ-ド度解析入門」から引用してまとめたものです。
 長松先生のセミナーは、今年も計画の予定です。

 自由振動と固有モード

 物の自由振動は、外力がない状態での必然的な結果として発生し、あく
 までも物理的かつ力学的な理由によるものである。
 エネルギーの面で考えると自由振動は外部から遮断された系内部だけの
 エネルギーの動きであり運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの形
 を交互にとり、固有振動数はエネルギー保存の法則を満たしながら自由
 振動できる周波数である。
 多自由度系や連続体が自由振動するときには、必ず固有モードと呼ばれ
 るその系固有の形でしか振動できなく、固有振動の数は系の自由度と同
 数だけ存在すること、それぞれの固有モードはそれぞれ固有の振動数を
 有し、それ以外の振動数では自由振動が生じないこと、及び各固有モー
 ドによる自由振動はモード減衰比という固有の減衰しやすさを有する。
 「固有モード・固有振動数・モード減衰比」は自由振動だけでなく、強
 制振動、過渡応答、自励振動、サーボ解析などの動的な特性や挙動全体
 の性質を支配する3つの基本的現象でありモード特性(modal parameter)
 と総称される。
 一方物体に振動を発生させ、その性質を決定するのは「質量・剛性・減
 衰」という3種類の物理特性で、振動と言う現象を表すモード特性と振
 動を決定する物質の本性すなわち物理特性とは3対3で対応し、共に動特
 性の両側面として相互変換が可能である。

 3個のモード特性のうちで固有振動数とモード減衰比は系全体で共通で
 あり、加振点や応答点が変わっても変化しない全体項である。これに対
 して固有モードは系内部の応答の分布状態を示し、振動点や応答点が変
 わると変化する局所項である。
 モード特性の同定においては、周波数応答関数を系の全固有モードでは
 なく、対象周波数範囲内に含まれる固有モードだけの1次結合で近似的
 に表示し、その際に省略した対象周波数範囲外の固有モードが与える影
 響を表現するために設けたのが慣性拘束(低次側の固有モードを近似し
 た係数で、この逆数を乗余質量といい質量の次元をもつ)と乗余コンプ
 ライアンス(高次側の固有モードを近似した係数で、この逆数を乗余剛
 性といい剛性の次元を持つ)であり、これらは固有モードから導くこと
 ができる近似量であり本質的なものではないので派生量である。
 またモード質量、モード剛性、モード減衰係数をモード特性として加え
 ることもあるが、これらも3個のモード特性から決まる派生量である。
 質量・剛性・減衰という物理特性は物理モデルを構成するのに対して、
 固有モード・固有振動数・モード減衰比というモード特性はモードモデ
 ルを構成することになる。

 モード解析

 さて、打撃試験や振動試験などで測定した周波数応答関数を元に系の動
 特性を同定することを実験同定という。実験同定ではモード特性を同定
 する方法と物理特性を同定する方法に分けられ、一般的に行われている
 のはモード特性の同定で、この実験から同定までの一連の過程を実験モ
 ード解析という。また実験同定は周波数スペクトル曲線や時刻履歴応答
 曲線に適合するようにモード特性を決定するので曲線適合ともいう。
 有限要素法のような理論解析で用いるモード解析すなわち理論モード解
 析では、運動方程式で代表される数式モデルから、固有値解析によって
 得たモード特性で構成されるモードモデルを導き、さらにモードモデル
 を用いて周波数応答関数や時刻暦応答を求める。これに対して実験モー
 ド解析では、振動試験で得た周波数応答関数や時刻履歴応答を元にして
 モードモデルを決定する。理論モード解析と実験モード解析は、同じモ
 ード解析と呼ばれているが、まったく逆の道筋をたどっていることを認
 識しておく必要がある。
 固有振動数と固有モードは力のつりあいで見た場合は外力がない自由な
 状態ですべての自由度において内力がつりあいながら振動できる速さと
 形を意味し、またエネルギー面で見た場合も外界と遮断された状態で、
 初期 に流入したエネルギーが系全体として保存されながら振動できる
 速さと形を意味し、数学的には運動方程式の右辺を0とする有為な(運
 動するという)解の意味である。

 多自由度不減衰運動方程式では

     [M]{x"}+[k]{x}={0}   ・・・(1)

 この解を

      xi=Φiexp(jΩt)      ・・・(2)

 と置きこれをベクトル表記して

      {x}={Φ}exp(jΩt) 

 さらに xi"=-Ω^2exp(jΩt)  より、これを(1)式に代入すると

     {−Ω^2[M]+[k]}{Φ}={0}    ・・・(3)

 静止({x}=[0})以外に解を有する特別な条件は、

 1自由度では Ω=√k/mであるが、多自由度系では

      {−Ω^2[M]+[k]}={0}    ・・・(4)

 [M]、[k]は既知なので(4)式よりΩを求が求ます。Ωは自由度の数だけ
 求まり、このΩを(3)式に代入して{Φ}をΦiの比として求めることで解
 を得る。振幅{x}は絶対値として定まらなく、比として求まるが特定の
 振動の形(モード)をとり、しかもこの形はMとkで決まる固有の値であ
 るから固有モードと呼ぶ。
 N自由度系がN個の固有モードを有することを逆に見れば、N自由度系は
 これらN個の固有モード以外では振動できないことになる。これは一見
 矛盾している。なぜなら実際の機械や構造物の振動は、自由振動も強制
 振動も千変万化であり、無限に変化できるからである。このことは次の
 3通りの理由によって説明ができる。第1に固有モードは振動の形を示し
 ているだけであり、その大きさすなわち絶対量は、自由振動なら初期外
 乱の大きさ、強制振動なら加振力の大きさにしたがって無限に変わりう
 る。第2は、単一の固有モードで振動することはきわめてまれであり、
 ほとんどの振動では複数の固有モードが混ざり合って一つの現象を形成
 している。そしてその混ざり具合が、初期外乱や加振力にしたがって無
 限に変わりうる。第3に、実際の機械や構造物はすべて連続体であり、自
 由度が無限大である。このうち第2の事柄に注目しこれをモデル化によっ
 て対象物の自由度を決めて物理モデルを作成し、力のつりあいやエネル
 ギー原理によって数学モデルに変換し得られた式を理論解析や数値計算
 によって解いて固有振動その固有モードを求め、加振力を与えて固有振
 動の混ざり具合を決め、それらを合成して応答を求める、というのが標
 準的なモード解析である。

 実験モード解析にはいくつかの手法がある

 多自由度系の応答関数は1自由度系の周波数応答関数の重ね合わせで表
 現できる。モード減衰比が小さい場合、その固有モードの周波数応答関
 数が卓越している。その共振近傍の周波数応答関数は1自由度系である
 とみなして、その固有モードだけのモード特性を独立に決めることがで
 きる。このような方法を1自由度法 (single degree of freedom
  method) という。この方法の1つである周波数応答関数の大きさより
 求める場合は次の方法になる。

 1自由度系の運動方程式は

  mx"+cx'+kx=Fexp(jωt)         ・・・(5)

 これより、コンプライアンスの周波数応答関数G(ω)は

   G(ω)=X/F=1/k÷(1-β^2+2jζβ)    ・・・(6) 
       β=ω/Ω、Ω^2=k/m

 これを参考にN自由度系の式にすると

   G(ω)=Σ1/Kr÷(1-βr^2+2jζrβr)    ・・・(7) 
    Σはr=1~n の和を示す

 (7)式に上述した慣性拘束C、乗余コンプライアンスDで補正する
 と次式になる。、

  G(ω)=Σ1/Kr÷(1-βr^2+2jζrβr)+C/ω^2+D

 ここでは(7)式で考えを進める。

 r次の固有モードのみ考えれば(6)式と同じなので、固有振動数Ωと固有
 減衰ζを求めれば(6)式を決定することができる。
 (6)式の大きさは

    |G|=1/k÷√{(1-β^2)^2+(2ζβ)^2}  ・・・(8)
            { }は√の中を示す、

 この(8)式が周波数応答関数のMAG(振幅比)になっているので共振周波
 数で最大|G|maxとなり、ζ≪1では

    |G|max≒1/(2kζ)            ・・・(9)

 また共振周波数ω0は ζ≪1では

    ω0=Ω√(1-2ζ^2)≒Ω         ・・・(10)
     ( )はルートの中を示す

 よって自己コンプライアンス(加振点と応答点が同じ点)の周波数応答
 関数のMAGを測定し、r次の固有モードの共振峰の周波数ω0より

    Ω≒ω0=2πf0 (f0=|G|maxの周波数)  ・・・(11)

 半値幅法により

    ζ=⊿ω/2Ω               ・・・(12)

   ⊿ωは|G|max/√2の周波数fbとfaとすると2πfbと2πfaの差

 |G|maxは測定値から読み取ることができるので(9)式より

    k=1/(2ζ|G|max)           ・・・(13)

 また Ω^2=k/m より

    m=k/Ω^2                ・・・(14)

 このように共振周波数ω0、モード質量m、モード剛性k、モード減衰比
 ζを決めることができる。同様にその他の次数の固有モードについて
 も求め、それらの重ね合わせ(7)式より近似式が求まる。

 半値幅法

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/damp/damp_2.htm#mark1

 <バックナンバー>

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/backcontents.htm

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編集後記

  前号では一部の方には重複して配信しご迷惑をおかけしましたこと、
 お詫び申し上げます。また貴重なご意見をお寄せいただき感謝申し上げ
 ます。配信時間も21:00ごろにと早めまして、本年もメールマガジンを
 充実し成長させて行きたいと存じますので、皆様のご指導ご鞭撻を賜り
 ますようよろしくお願い申し上げます。
  さて、百年一昔、雷が鳴るとロウソクを用意し停電に備えながら、ラジ
 オ歌謡に耳を傾けていたかと思う間にテレビに洗濯機、冷蔵庫など電化
 の社会、でこぼこ道路をバス通学していたのに新幹線通勤とマイカーの
 車社会、百貨店からコンビニやファーストフードへ、カード社会に海外
 旅行、パソコンに携帯電話と国境などボーダーラインがない情報通信社
 会が予想できたでしょうか。いつか手に入れたいと夢であったことが日
 常的になって、今は生活レベルが上がったということなのでしょうが、
 一方では自然の力を目の当たりにし、その力に驚きを通りすぎてします。
 ますます革新する速度が早まるなか、それに流されてしまい自分がどこ
 にいるか見失ってしまいそうです。柔道嘉納杯で再起の井上康生さんの
 言葉「自分の原点は得意技を掛け続けること」なぜか心に残りました。
 自分の原点を見失わないようにして、変化する社会に適合していかなけ
 ればとうつらうつら夢を見ていた正月でした。
 本年もよろしくお願いします。

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  発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
     お客様相談室 mailto: csonosokki.co.jp
        編集責任者   野田 幸治

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  許可なく転載することを禁じます。

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