メールマガジンバックナンバー & 計測コラム
メールマガジンバックナンバー
28号 2004年1月22日発行
小野測器 2004年1月22日発行--------------------------------------------------------------------
ONO SOKKI -- info channel 第28号
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迎春
皆様からのご声援を頂き、小野測器メールマガジンも3年目を向かえ
現在6500人の皆様にご購読を頂くまでになり有り難うございます。
今年も、昨年以上にホームページとの連携の元、一層の有効情報の発信を
心がけてゆく所存です。ご愛顧の程、何卒よろしくお願いいたします。
********************1月のコンテンツ ******************************
▼イベント
○2004年春季音響・振動技術セミナー参加者募集【受付開始】
○2004年上期開催展示会予定表【発表】
▼新しい記事
○「身近な計測」コラム第10回「ホールの響き」【新掲載】
▼製品 サービス
○O-Chart 自動車試験用グラフ作成ツール【新製品】
○TS-2700 トルクコンバータ【新製品】
▼PDF取説
○ST-1210リニアモーションスピードメータ【取説公開】
○SH-022/ST-022/ST-044B ゲージスタンド【取説公開】
▼DXF/PDF外観図
-TS-2700 トルクコンバータ【外観図公開】
-HS-3412/3425 高分解能リニアゲージセンサー【外観図公開】
-HG-4370 高分解能ゲージカウンタ【外観図公開】
-LA-0206 全天候防風スクリーン【外観図公開】
▼新着カタログ・資料
-HS-3412/3425 & HG-4370高分解能リニアゲージ【カタログ改訂】
-FT-1500 アドバンスタコメータ【カタログ改訂】
-DS-2000 データステーション【カタログ改訂】
-LA-5000/2000シリーズ騒音計【カタログ改訂】
▼計測コラム
振動解析 -1 「振動分析と多自由度系モデルの考え方」【新連載開始】
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(お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)
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◆◇◆イベント◆◇◆
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■2004年春季音響・振動技術セミナー参加者募集受付開始
皆様にご好評を頂いている音響・振動技術セミナーの春季開催日程が
決定し、22日よりホームページ上での参加者募集を開始いたします。
秋季は名古屋・大阪地区での開催を予定しております。
3月12日「FFTアナライザーによる振動解析」
4月16日「FFTアナライザーの基礎と実習」
5月28日「騒音測定の基礎」
会 場: 小野測器本社(横浜)、
参加費用: お一人\25,000
お申込み: 下記より(ホームページ上からオンライン)
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/seminar.htm
募集を開始いたしますと、例年3月分が2週間後、4月分が3週間後、
5月分が1ヶ月後に定員に達しておりますので、お申し込みはお早めに。
■2004年上期開催展示会予定表
04年1月~6月展示会出展予定表を掲載しました。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/Exhibition.html
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◆◇◆新しい記事◆◇◆
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■「身近な計測」コラム第10回「ホールの響き」
私達の身近にある“音”や“振動”の話題を取り上げ,難しくなりがち
なお話を“簡単に解りやすく”解説する身近な計測コラム、第10回目の
今月は「ホールの響き」。クラシックの作曲家は演奏されるホールの残
響時間までをも考慮して作曲を行っていたとのこと - 知ってました?
では、その残響時間とは!!
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/nakaniwa.html#keisoku
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◆◇◆製品 サービス◆◇◆
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■O-Chart 自動車試験用グラフ作成ツール 【新製品】
O-Chartは、グラフおよびレポート作成用のアプリケーションソフトウェア
です。ペイントソフトの操作感覚とグラフ作成ウィザードにより各種
グラフや文字、図形、イメージなどを取り込んだレポートを簡単に作成
することが出来ます。 散布図、折れ線、3次スプライン曲線、
Bスプライン曲線、準エルミート曲線、棒グラフ、コンターマップ、
3次元散布図、3次元ワイヤーフレーム図等、豊富なグラフ機能を
サポート。ASCII、EXCELの汎用データをはじめFAMS-8000自動計測制御
システム、DS-2000データステーションなどのデータをワンクリックで
O-Chartのグラフデータとして取り込み可能です。例えば、複雑な多軸
グラフや等高線グラフ、自動車計測の結果を簡単に綺麗なグラフにし
たい....O-Chartはそのようなニーズにお応えします。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/others/ochart.htm
■TS-2700 トルクコンバータ 【新製品】
弊社位相差式トルク検出器と組み合わせ、検出された位相差信号を
トルク値に変換します。信号処理回路はすべてデジタル処理、安定
性・再現性・直線性に優れたトルク計測が可能です。
トルク値と回転数のデジタル表示に加え、アナログ電圧、BCD、
RS-232Cを出力します。Web 3D 3次元立体イメージカタログも用意
致しましたのでご参考ください。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/torque/ts2700.htm
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◆◇◆PDF取説◆◇◆
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よくお受けするご質問と回答(FAQ)に取説を追加しました。
○ST-1210リニアモーションスピードメータ(回転計関連)
○SH-022/ST-022/ST-044B ゲージスタンド(デジタルゲージ関連)
<よく受ける質問と回答トプページ>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/faq.htm
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◆◇◆DXF/PDF外観図◆◇◆
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DXF/PDF外観図に機種を追加しました。
○TS-2700 トルクコンバータ(トルク関連製品)
○HS-3412/3425 高分解能リニアゲージセンサー(リニアゲージ関連製品)
○HG-4370 高分解能ゲージカウンタ (リニアゲージ関連製品)
○LA-0206 全天候防風スクリーン(音響振動関連製品)
<DXF/PDF外観図トップページ>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/overallview.htm
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◆◇◆新着 PDFカタログ◆◇◆
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今月のPDFカタログは改訂4種を掲載しました
○HS-3412/3425 & HG-4370高分解能リニアゲージ<改訂>(寸法・変位)
○FT-1500 アドバンスタコメータ<改訂>(回転・速度)
○DS-2000 データステーション<改訂>(データ処理)
○LA-5000/2000シリーズ騒音計<改訂>(音響・振動)
<PDFカタログトップページ>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html
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◆◇◆計測コラム◆◇◆
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振動解析 -1 「振動分析と多自由度系モデルの考え方」
<図1~4 に関してはこちらの補足説明をご覧ください>
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/04_01_22add.htm
中学生の時に、波の性質を習いましたが、音響振動は基本的には考え方
は同じで、これを難しくしているに過ぎません。中学の時に、重りと
バネを持って振らして振動実験した覚えがあると思います。実際の車や
建物などの振動はこれと同じ考え方をします。たしかに振動音響は難し
いと見られ勝ちです。その理由は、発生している事象は単純な物理現象
が多数同じに発生しているので、難解に見えるのです。
●1自由度系
単純な1つの質量と1つのバネからお話しましょう。キッチンで使う秤を
思い浮かべてください。簡単には図 1 のように“モデル 1”として表現で
きます。
<図1:1自由度系モデル=質量:M、バネ定数(剛性):k>
重たいものを動かそうとすると相当の力がいりますよね。これと同じで
質量に注目すると重量Mが大きいと動きにくく、ゆっくりの動きとなり
ます。軽くなると動きやすいので、早い動きとなります。またバネに
注目してみましょう。柔らかいバネは良く伸び大きな振動になること、
硬いバネを指で押すとあまり縮まないのに反発力が大きく、「力がいる
な」と感じた経験をされたことがあると思います。硬いバネほど変位量
は小さくても、反発力が大きいので元に戻ろうとする動きが早いといえ
ます。バネの硬さ(強さ)をあらわすのにバネ定数 k が使われます。バネ
は力の大きさに比例して変位しますので、バネ定数は変位と力の比とし
て表されます。バネの場合はバネ定数 k、力を F、変位を x、とすると次の
関係式があります。
F = kx
k = x/F (単位:m/kg、m/N)
バネ定数はバネの場合に使われる用語ですが一般的には剛性という用語
を使います。秤に最初だけ指で力を加えて放すと、秤は自由に上下振動
を繰り返しながら次第に停止します。この自由な振動は秤の固有振動と
呼び、1秒間に何回上下振動を繰り返すかいわゆる周波数(Hz)として
表現した値を固有周波数といいます。固有周波数は計算で求めることが
できます。図 1 のモデルでは質量 M(kg)、剛性 k(m/kg)、固有振動数
を f(Hz)とすると
f = 1/2π×√k/M (Hz)、(k/M は √ の中に入ります)
となります。
秤の振動は次第に減衰していき最終的には停止しますが、図 1のモデル
では減衰させる要素がありませんのでいつまでも振動が持続します。
減衰の要素の性質を表す減衰係数Cを追加した図2のような“モデル2”
を考えてみましょう。
<図2:減衰のある1自由度系モデル=質量:M、
バネ定数(剛性):k、減衰係数:C>
減衰の要素は物質内部の原子分子の変位によってエネルギー損失を与え
る構造減衰や空気抵抗や車のショックアブソーバーなど気体流体の粘性
による外部減衰があります。質量は秤で、剛性kは物性表や付加質量と変
位の関係から測定できますが、減衰は構造減衰とその他の減衰に分けて
計測できないのでひっくるめた総和として測定します。減衰に付いては
別の機会に取り上げてお話します。
さて、1つの質量、1つのバネ、1つの減衰から構成されるモデルでは1つ
の特定の周波数しか持たないので1自由度系であると言います。
●多自由度系
世の中にはこの1自由度系で代表されるものはたくさんあるのですが、
高い搭を例にとると振動の固有周波数は複数持っていることがわかりま
す。実際のものは1自由度系というよりも多自由度系として考えた方が
一般的といえます。多自由度系とは何を表しているのでしょうか。
先の1自由度系のモデルの上に、もう1つ質量とバネを置いたモデルを考
えますと図 3 のモデルとなり、これを2自由度系といいます。
FFTアナライザーでこの振動を測定してみますと M1 と M2 が同じ方向に
上下に動く固有振動数と、M1 と M2 が互いに逆方向に上下に動く固有振動
数の2つのパワースペクトルピークが分析できます。
<図3:2自由度系モデル=質量:M1、M2、
バネ定数(剛性):k1、k2>
2自由度系にさらに質量とバネを増やしていくと、図 4 のようになりこ
れを多自由度系のモデルと言います。このことを拡張して考えていくと
振動現象をあらわすあらわす方法として多数の質量と多数のバネで構成
されたモデルを作成するとシミュレーションが出来そうに思われてきま
すね。実際、摩擦やガタなど非線形要素が無ければシミュレーションが
可能です。
<図4:多自由度系モデル=質量:M1、M2、.....,
バネ定数(剛性):k1、k2、.....>
一般的に振動問題で問題になる周波数は低い場合が多いのです。それは
機械を破損させたり音として放射される場合はある程度の変位量が必要
だからです。たとえば地震が建物を揺らして破損させる場合を思ってい
ただくと大きい変位は低い周波数であることが理解でき、問題となる周
波数まで建物の振動特性がわかれば対策が必要かどうか検討するに十分
なデーターといえます。
このようなことから必要かつ十分な性能を有する質量 M、剛性 k、減衰係
数 C を N 個用意したN 自由度系モデルを考えればシミュレーションが可能
ということがわかります。
(by Monkey-sawa)
バックナンバーはこちら:
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/backcontents.htm
前号まで「デジタル信号処理1-14」を連載しました。
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編集後記
家は山の中。一夜明けるとそこは雪だった。車をあきらめ駅まで歩く。
あせる気持ちで歩足を速める。40分ほどして大通りへ、時は通勤時間帯。
歩くそばを車が走り抜ける。あっ時間の流れを感じる。いつもは車の時間
で生活していたのだ。バスに乗って、新幹線に乗って次第にスピードアッ
プしていく。やっといつもの時間の流れに乗れてホット一息なんとなく安
心。インターネットに携帯電話、音楽も早いリズムへ。フー・・ついて行
くのがやっと。見まわしてみればますますスピードアップしていくことば
かり。しかし今日は大発見。時間の流れはいろいろある。今年はバックト
ゥーザフューチャーのエアボーに乗ってこの時間の流れをあちこち測り渡
ってみたいな・・・初夢。
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発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
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編集責任者 野田 幸治
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