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21号 2003年6月20日発行

 小野測器                                  2003年6月20日発行
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ONOSOKKI -- info channel                                                                     第21号
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********************6月のコンテンツ ******************************

▼お知らせ

 ○DG-4160 「DeviceNet 対応デジタルゲージカウンタ」を発表
 ○下期展示会予定
 ○「身近な計測」コラム第6回「アナログとデジタル」

▼製品 サービス
 ○EC-900 エレベーター速度計

▼技術情報

○アプリケーションカテゴリーページ
  -「制振材料の損失係数の測定」
  -「音響管による2マイクロホン法垂直入射吸音率の測定」
  -「音響インテンシティ法による音響パワーレベル測定」
  -「音響インテンシティ法による音響透過損失の測定」

○よくお受けするご質問と回答ページ(FAQ)
  -LA シリーズ騒音計FAQページにLA-210/215/220/220S/230 取扱説明
   5種を追加
  -DS-2000 データステーションFAQページに簡易操作手順書「スルー
    プット機能編(DS-0250)」を追加
  -WS-5130W/5140W ディスク変換ソフトFAQページを新設、
    同ソフトウェア取扱説明書を掲載

▼新着カタログ・資料

  -フーリーとウェービ「音と波とFFTアナライザーのお話」<新規>
  -ショートフォーム総合カタログ No.23<改訂>
  -LA-1200 普通騒音計<改訂>
  -LV-1720 レーザードップラ振動計<改訂>
  -NP/PS シリーズ振動・アナログ計測処理システム<改訂>
  -VR-6100 振動レベル計<改訂>
  -HBDY-HU-3000 ハイブリッドダイナモメータ制御装置<新規>

▼計測コラム
デジタル信号処理の基礎 -9「パワースペクトルとクロススペクトル」

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   (お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)

 

◆◇◆お知らせ◆◇◆

1. DG-4160 DeviceNet 対応デジタルゲージカウンタ を発表
  6月9日寸法・変位計側分野で幅広く使用されているデジタルゲ
  ージカウンタに初めて DeviceNet を採用し、しかも大きさは従来
  (DG-4140)と同じ DIN 72×72 サイズを維持したデジタルゲージ
  カウンタ DG-4160を発表、6月16日より受注を開始致しました。
  DeviceNetは製造ラインやFA等で普及しているネットワーク規格の一
  つで設備の設計・設置・維持にかかるコストを大幅に削減でき、PLC
  (プログラマブルコントローラ)等、DeviceNet に接続されたデバ
  イス相互間でのデータのやりとり(コントロール)を簡単に行うこと
  ができます。

  プレスリリース
  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/press.htm

  製品概要
  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/gage/dg4160.htm

2.下期展示会予定
  2003年下期展示会予定を掲載しました。なお、一部未定なものもござ
  いますが、今後逐次変更・追加してまいりますので、ご参照ください。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/press/Exhibition.html

3.「身近な計測」コラム
  私達の身近にある“音”や“振動”の話題を取り上げ,難しくなり
  がちなお話を“簡単に解りやすく”解説する身近な計測コラム、第6
  回目の今月は,アナログレコードとCDの音の違いを例にアナログとデ
  ィジタルについてお話をすすめてまいります。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/nakaniwa.html#keisoku

 

◆◇◆製品 サービス◆◇◆

  ■EC-900 エレベーター速度計(回転・速度)
   エレベーターの調整・保守・点検用に設計された、小型・ 軽量・電池内蔵
   ハンディタイプの速度計 EC-900 はその機能を進化させながら、ま
   だまだ現役で頑張っています。お客様からのお問い合わせが多いこ
   とから新製品ではありませんが掲載することに致しました。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/tach/ec900.html

 

◆◇◆技術情報◆◇◆

1.製品をお使いになる上でのヒントや計測・解析上のKnow-Howを解説
  するアプリケーションカテゴリページ。
  今月は機械系1種と音響系3種を掲載しました。

  ■「制振材料の損失係数の測定」
   制振とは、振動エネルギーを熱エネルギーに代えることにより振動
   の鋭さを制御し、振動を小さくしてゆこうとするもので、「防振」
   の剛性変更・振動絶縁などによるものとは基本的に考え方が異なり
   ます。このアプリケーションでは制振材料を評価する指標である損
   失係数とヤング率を中央加振法と片持ち梁法で測定する方法をご紹
   介します。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/lossfactor.htm

  ■「音響管による2マイクロホン法垂直入射吸音率の測定」
   建築物や自動車内などの閉ざされた空間で、音の響きを最適にした
   り、室内の騒音を低減する為、吸音性のある材料が壁や天井に利用
   されます。 ここでは、このような材料の吸音率を測定する一手法
   として、音響管を使用しての2マイクロホン法垂直入射吸音率測定
   をご紹介します。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/mickyuonritsu.htm

  ■「音響インテンシティ法による音響パワーレベル測定」
   音響パワーレベルの測定方法としては、音源の周りで平均音圧を測
   定して算出する「音圧法」と、音響インテンシティを測定して算出
   する「音響インテンシティ法」に大別され、JIS や ISO に規格さ
   れています。ご紹介する音響インテンシティ法の場合、特別な施設
   を必要とせず、定常音であれば周囲の暗騒音の影響を受けにくいこ
   とから、現場の実稼働中の機械や、計測ルームに入れることができ
   ないような大きな機械の音響パワーレベルを計測するのに適してい
   ます。

 http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/si_spower.htm

  ■「音響インテンシティ法による音響透過損失の測定」
   機械や建築の部材の遮音性能を評価する指標として音響透過損失が
   あります。一般的には試料開口部を介して隣り合う二つの残響室を
   用いて音圧法により測定しますが、これらの設備がない場合には、
   音響インティンシティを用いた測定が有効です。ここでは、この音
   響インテンシティ法による音響透過損失測定を、音圧法による測定
   データとの比較を交えて、ご紹介します。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/SI_insulation.htm

  アプリケーションカテゴリーページトップはこちら:

 http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/application.htm

2.よくお受けするご質問と回答ページ(FAQ)

  ■LA シリーズ騒音計FAQページにLA-210/215/220/220S/230
   取扱説明書5種を追加しました。
   これは旧製品で後継機種はLA1210/1220/1240/1250になります。

   http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/la/la51FAQ.htm

  ■DS-2000 データステーションFAQページに簡易操作手順書
   「スループット機能編(DS-0250)」を追加しました。
   A/D 変換のデジタル信号を、連続的にパソコンのハードディスクに
   記録し、後でパソコンのみを持ちかえりオフライン解析することが
   出来るスループットディスク機能の簡易操作手順書(PDFファイル)
   です。トラッキング分析、リアルタイムオクターブ例を載せました。

  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/ds2000/ds2000.htm

  ■WS-5130W/5140W ディスク変換ソフトFAQページを新設、
   同取扱説明書を掲載しました。最近は2DDフロッピーが入手困難と
   のこと、こんなところで販売していました。

  取扱説明書
  http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/ws/ws5130_5140.htm

  2DD販売先
  http://www.rakuten.co.jp/azoazo/407042/445070/

 

◆◇◆新着カタログ・資料◆◇◆

 今月のPDFカタログは新規2種と改訂5種

  ■フーリーとウェービ「音と波とFFTアナライザーのお話」<新規>
   10年以上前の冊子ですが、内容はいまでも活き活きとしています。
   今回思い切ってPDF化しました。ただ、全ページ画像なので少し重
   たいのが難点です。アナログ信号とデジタル信号、波形合成から
   FFTアナライザーの基本技術である周波数解析の考え方まで分かりや
   すくまとめられております。FFTアナライザーの初歩編としてお読み
   いただけると幸いです。

  ■HBDY-HU-3000 ハイブリッドダイナモメータ制御装置<新規>
   ハイブリッドダイナモ制御装置は、渦電流式ダイナモメータにAC
   モーターを接続した機械装置とACモーター用インバータ盤、及び過渡
   モード制御盤で構成されます。ACモーターは運転モードの駆動領域
   のみを分担するため、渦電流式ダイナモメータの吸収容量に対し
   て小さな駆動容量で対応でき、エンジンの過渡モード試験装置が
   安価に構築可能です。

  ■ショートフォーム総合カタログ No.23<改訂>
   製品総合カタログの最新版です。

  ■LA-1200 普通騒音計<改訂>

  ■LV-1720 レーザードップラ振動計<改訂>

  ■NP/PS シリーズ振動・アナログ計測処理システム<改訂>

  ■VR-6100 振動レベル計<改訂>

 PDFカタログトップページはこちら:
 http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html

◆◇◆計測コラム◆◇◆

  デジタル信号処理の基礎 - 9 「パワースペクトルとクロススペクトル」

 前号までの説明は、1ch の時間波形とその周波数分析結果との関係に関
 してでしたが、今回から 2ch 間の関係を記述する関数に関して説明します。

 2ch 間の関数を求める主な目的は、着目する対象物(一般に系と呼ばれ
 ます)に加振力などの入力を加えて、その応答を同時に計測して、入出
 力間の関係を求めることにあります。
 ある系への入力信号と出力信号を、x(t)、y(t) とし、それらのフーリエ
 変換をそれぞれ X(f)、Y(f) としますと、前回説明したように、X(f)、Y(f)
 は、一般に複素数となります。またそのパワースペクトル Gxx(f) は、

    Gxx(f)=|X(f)|2=XR(f)2+XI(f)2

 です。さらに、複素数 X(f) の複素共役(複素数の虚数部の符号を反転
 させたもの)を X(f)* と表すと、

    Gxx(f)=X(f)* ・ X(f)

 と表現することもできます。出力信号 y(t) のパワースペクトルも同様に

    Gyy(f)=Y(f)* ・Y(f)

 と表されます。パワースペクトルは、周波数毎のパワー成分を表してお
 り、実数関数(複素数でない)となりますので、横軸が周波数で、縦軸
 がパワー(振幅の2乗の大きさ)でグラフ表示できます。

 次に、入力信号 x(t) と出力信号 y(t) 間の関係を記述する関数としてクロ
 ス(パワー)スペクトル Gxy(f) を以下のように定義します。

    Gxy(f)=X(f)* ・Y(f)

 クロススペクトルは、x(t) と y(t) の 2ch 信号に含まれる共通のパワー成分
 を周波数の関数として表したもので、複素関数となります。その実数部
 を CR(f)、虚数部を CI(f) とおきますと、絶対値(振幅)と位相とに表現
 することもできます。

   振幅 |Gxy(f)|= √{CR(f)2+CI(f)2
                   { }内は√の中を表します。
   位相  θ(f)  = arctan (CI(f)/CR(f))

 振幅情報に関しては、明確な意味づけは難しいのですが、位相は、各周
 波数毎のch間の位相差を意味しており、非常に重要な情報です。
 クロススペクトル関しての意味や用途についてまとめました。

 (1) クロススペクトルそれ自体は、あまり具体的な用途がないが、これ
    を使って、重要な関数(伝達関数、コヒーレンス関数、相互相関関
    数など)を2次処理計算で、算出することができます。
 (2) ch 間の位相差を求める時に利用出来ます。
 (3) 2マイクロホン法による音響インテンシティ計測の時、利用します。
 (4) 特殊な用途ですが、雑音に埋もれた周期信号の周期及びパワースペ
    クトルの検出にクロススペクトルを使うことができます。
    これに関する具体的な例は、小野測器の以下のWEBページを参照ください。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/onoreport/back_5/example1.htm

                                           (by Himajin)

  バックナンバーはこちら:
    http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/backcontents.htm

 

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編集後記

 梅雨の季節となりました。
 この雨は南の海からはるばる日本までやってきてくれました。 天気図
 を見るとこれは地球規模、傘を差して歩いている人はミクロ、デンデン
 ムシはナノの世界?でしょうか。
 超小さいものはどんな物性を持っているのだろう、ナノ粒子、ナノチュ
 ーブ、ナノバイオ、ナノの科学を手がけようということでナノ学会は今
 年の5月に創立されたそうです。 原子となると、物からかけ離れた感が
 ありますが、超小さいものは、昔見た映画のミクロの世界、小さくなっ
 た人が体の中を移動し、病巣にたどり着き、病原菌と格闘し退治するそ
 んなイメージが思い浮かび、なんだか夢がわきます。
 ナノテクノロジーで新しい発見がありますように。

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  発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
     お客様相談室 mailto: csonosokki.co.jp
        編集責任者   野田 幸治

  登録・変更・停止はこちら: webinfoonosokki.co.jp

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  許可なく転載することを禁じます。

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