メールマガジンバックナンバー & 計測コラム
メールマガジンバックナンバー
16号 2003年1月24日発行
小野測器 2003年1月24日発行--------------------------------------------------------------------
ONO SOKKI -- info channel 第16号
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迎 春
小野測器メールマガジンは、皆様のご声援のもと4500名様にご愛読
をいただくまでになりました。まことに有り難く感謝申し上げます。
今月からホームページで「身近な計測」の連載を始めます。旧年にも増 して
ホームページの充実とその連携の元、お役に立つ情報の発信を心がけてい
きますので、相変わりませぬご支援を賜りますようよろしくお願 い申し上げます。
******************** 1月のコンテンツ *******************************
▼お知らせ
○2003年春季音響振動技術セミナー参加募集開始
○新規コラム「身近な計測」をスタート
▼製品 サービス
○ECU最適化ツール「ORANGE」 ○DS-0228T 過渡燃焼解析ソフトウェア
○DS-LabView “LabView“対応ソフトウェア
○CF-5220Z マルチパーパスFFTアナライザー
▼技術情報
○アプリケーションカテゴリーページ
-「モーター・ポンプの振動監視による設備診断」
○よくお受けするご質問と回答ページ
-DS-2000 FAQ内に簡易操作手順書
「キャンベル線図機能編(DS-0244)」を追加
○DXF/PDF外観図サービスページ
-自動車関連製品ページを新規UP、クランク角度関連製品を一挙掲載
-回転計、エンコーダ関連製品ページへ製品補充
▼新着カタログ・資料
-CF-5220Z マルチパーパスFFTアナライザー<新規>
-FV-1300 高速F-V変換器<新規> 他、改訂カタログ9種類を掲載
▼計測コラム
デジタル信号処理の基礎 - 4
“時間軸信号のパワーとパワースペクトル”
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(お願い:リンクURLが複数行に渡る場合には繋げてください)
◆◇◆お知らせ◆◇◆
1.春季音響・振動技術セミナー日程決定、参加者募集開始
皆様にご好評を頂いている音響・振動技術セミナーの春季開催
日程が決定し、21日よりホームページ上での参加者募集を開始
いたしました。春季の会場は小野測器本社(横浜)、参加費用は、
お一人\25,000です。この機会にぜひご参加をご検討ください。
参加のお申し込みは、ホームページ上からオンラインで簡単に行
うことが出来ます。 (秋期は大阪・名古屋地区での開催を予定しております)
3月14日「FFTアナライザーによる振動解析」
4月24日「FFTアナライザーの基礎と実習」
5月23日「騒音測定の基礎」
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/seminar.htm
募集を開始いたしますと、例年3月分が2週間後、4月分が3週間後、
5月分が1ヶ月後に定員の20名に達しております。 お申し込みはお早めに。
2.新規コラム「身近な計測」をスタート
私達の身近にある“音”や“振動”の話題を取り上げ,簡単に解
りやすく”解説して行きます。第一回目は、もっとも身近なマン
ションにおける騒音に関する話題です。連載していきます。
「おと君」とお父さんの会話を通してお話を進めてまいります。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/nakaniwa.html#keisoku
◆◇◆製品 サービス◆◇◆
■ECU最適化ツール「ORANGE」
車両制御の複雑化、高性能化に伴い、ECUのパラメータ数が増加し、
最適制御に関する最適化作業は、その困難さを増してきました。
「ECU 最適化支援ツール “ORANGE"」は、最適化作業を従来の手
作業による膨大な時間消費から脱却し、数学的、工学的手法に
より大幅な自動化と省力化を実現します。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/vehicle/orange.html
■DS-0228T 過渡燃焼解析ソフトウェア
ガソリン・ディーゼルエンジンの 始動試験や過渡試験における
燃焼異常時もしくはトルク挙動時等の燃焼状態を解析します。
最大 128 MB/ch のデータメモリーを使い、燃焼圧力と圧力、
温度、トルク、スロットル空気流量、燃料流量等との同期計測
を行うことで、エンジン挙動時・変動時・異常時の燃焼状態を
モニター、解析することが可能です。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/ds/ds0228T.htm
■DS-LabView “LabView“対応ソフトウェア
本ソフトウェアは、DS-2000 マルチチャンネルデータステーシ
ョンをLabView 上で直接操作し、リアルタイムデータ収録を実 現します。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/ds/labview.htm
MATLABと組み合わせ計測・解析を実現するソフトも用意しています。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/software/ds/matlab.htm
■CF-5220Z マルチパーパスFFTアナライザー
2chFFTアナライザーとしてご好評を頂いておりましたCF-5220が
10.4インチ大画面カラーLCDとなってリニューアルしました。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/data/cf5220z.html
◆◇◆技術情報◆◇◆
1.アプリケーションコーナー
■「モーター・ポンプの振動監視による設備診断」VC-2100/3100
官能検査から定量検査へ- 設備のベアリング異常などの異常
監視を加速度ピックアップと振動コンパレーターを使用して、 常時・
定量的に、JIS規格に準拠させながら行う計測アプリケーションを
解説します。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/vc_1.htm
アプリケーションカテゴリーページトップはこちら:
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/application.htm
2.よくお受けするご質問と回答コーナー
■DS-2000 FAQ内に簡易操作手順書
「キャンベル線図機能編(DS-0244)」を追加しました。
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/ds2000/ds2000.htm
3.DXF/PDF外観図サービスコーナー
■自動車関連製品ページを新規UP
クランク角度関連製品を一挙掲載しました。
■回転計関連製品
回転計表示器4機種(TM-225、TM-334B、TM-5100、FT-1500) および
FT-1500用専用検出器FT-0601、エレベーター速度計EC-900、 FV変換器
FV-1300を追加しました。
■ロータリエンコーダー関連製品 防油形RP-510シリーズ を追加しました。
■ローラーエンコーダー関連製品 3機種(RP-7112、RP-7522、RP-7712)追加しました。
■トルク検出器
MDシリーズに回転検出器用アンプボックスを追加しました。
外観図サービスコーナーはこちら:
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/outerview/overallview.htm
◆◇◆新着カタログ・資料◆◇◆
PDFカタログコーナーに新規2機種と改訂9種を掲載しました。
■CF-5220Z FFTアナライザー<新規>[音響振動データ処理]
■FV-1300 高速F-V変換器<新規>[その他]
■回転計セレクションガイド<改訂>[回転・トルク]
■PV-7300 ステッピングモーターステーション<改訂>[回転・トルク]
USB、LANポートを追加しリニューアルました。
■遠隔表示形デジタルリニアゲージ<改訂>[寸法変位]
■LV-9110A/8600 レーザー測長器<改訂>[寸法変位]
■RP シリーズロータリエンコーダー<改訂>[寸法変位]
■LV-1720 レーザードップラ振動計<改訂>[音響振動データ処理]
昨年末発売の新製品です。
■SoundPLAN 環境騒音予測ソフトウェア
■SQシリーズ&WS-5150音色シミュレーション/WS-5160 音質評価
■LC シリーズ非接触速度計
PDFカタログはこちら:
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/pdftop.html
◆◇◆計測コラム◆◇◆
デジタル信号処理の基礎 - 4
「時間軸信号のパワーとパワースペクトル」
前回は、周波数スペクトルの話をしましたが、それを求める目的は、
時間軸信号にどのような周波数成分がどれくらいの大きさで含まれ
ているかを調べることにあります。それでは信号の大きさ(あるい
は強さ)はどのように定義されるのでしょうか?
正弦波信号のように周期信号の場合は、振幅値(ピーク値)でも定
義できますが、いろいろな周波数成分を連続的に含む信号やランダ
ム(不規則)信号の場合は、振幅では定義できません。
一般に、時間軸信号 x(t)の大きさ(強さ)は、2乗(自乗)平均値
で定義され、それを信号のパワーと呼びます。2乗平均値を用いれ
ば、どのような時間信号でも定義できます。
パワーは本来 電流×電圧 のように異なる物理量を掛けて,エネル
ギーに比例する量(単位時間あたりのエネルギー)のことですが、
2乗値を「パワー」と呼ぶのは便宜的な扱いですが、FFT関係では
「パワースペクトル」のように広く使われる用語となっています。
さて、周期信号であれば、その周期をTとすると;
パワー=(1/T) *Integral(0 to T) x ^2(t) dt ・・・(1)
=======
{ Integral(0 to T):0からTまで1周期の1階積分、
x ^2(t):x(t)の2乗 を表します }
となり、これは「区間0~Tまでの1周期 の面積を1/T (単位時間あた
り)としたもの」です。それでは、ランダム信号のような非周期的な
信号はどうするのでしょうか?
厳密には区間無限大 limit(T → ∽)の積分をする必要があり ;
パワー= limit (T → ∽) (1/T)* Integral(0 to T) x^2(t)dt ・・(2)
となります。しかし、実際には区間無限大の積分は不可能で、有限
時間内の積分となり、そのため推定値となります。
さて、先号で時間軸信号 x (t) は DFT することにより「周波数成
分毎」のパワーを求めることができ、それを周波数何Hzのパワース
ペクトルと言います。視点を変えてみますと、パワースペクトルは
時間軸 x (t) のパワー全体を周波数成分毎に分解したものですか
ら、パワースペクトルの総和は時間軸信号 x (t)のパワーそのもの
となります。 L 個の周波数成分に分解して
そのパワースペクトルを P (k) とすると;
パワー= Sigma (k=0 to L) P(k) ・・・(3)
{ =P(0)+P(1)+P(2)+・・・+P(L) の意味です }
で表されます。FFT アナライザーでは、周波数成分毎のパワーの総和
である式(3)の右辺を特に「オーバオール」値と呼びます。
ここで注意する点は、信号のパワーは振幅の2乗の次元を持つ2乗
値です。そこでその平方根をとることで振幅相当の次元とすること
ができます。この値を実効値(root mean square、rms 値)と言い ます。
簡単な例として正弦波の場合、振幅 A V(V はボルト)のパワー
(2乗値)Bと その rms 値 Cは
B=A^2÷2 、 C=√B=A÷√2 ・・・(4)
{ B:(実効値表示の)パワースペクトル、A^2:Aの2乗、
√2:2の平方根 を表します }
の関係式が成り立ちます。複雑な波形では式(4)は成り立ちません。
パワースペクトルではFFTにより正弦波(余弦波)成分に分解できる
ことから式(4)の簡単な関係式が利用できます。
それでは、振幅が2 V の正弦波と3 V の正弦波の合成パワーは
いくらになるのでしょうか? これは次回までの宿題とします。
(by Himagine)
正しい数式表記はこちら:
http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/eMM_back/03_01_24add.htm
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編集後記
新年を迎え皆様が本年こそは長生きされますように祈念申し上げます。
1年はあっという間に過ぎてしまいます。朝日新聞の五木寛之さんの
随筆に「今年は長生きしよう」という言葉が目に止りました。子供の
ころはなにもかもめずらしく、驚きと発見にみちている。大人になれ
ば同じ仕事、同じ仲間、同じ生活。繰返しの日々はあっというまに過 ぎていく。
なるほどなるほど、しかしその生活を早々やめるわけには
いきません。やはり3歩進んで2歩さがり日々1歩づつ。今日は仕事 が進んだ、
あれ季節が変わったなどなど、些細な新発見を心がけて
今年は長生きに挑戦してみましょう。
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発行(株)小野測器 http://www.onosokki.co.jp/
お客様相談室 mailto: csonosokki.co.jp
編集責任者 野田 幸治
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